プレ稽古始りと、能楽堂の不思議な夜
終に、プレ稽古開始です。
清棲家とその親しい人たちが、稽古場に集合しました。
第一回目から、もうアットホーム。今回、清棲知佳さん役は、民藝の河野しずかさんです。
丸山先生役の佐々木さんととても仲良しだそうで、すぐに賑やかな清棲ファミリーとその友人の集うリビングが見えてきました。
今回の再演、更に更に、面白くなります!もう断言します。すごいですから、チケットはお早目に!ちなみに、12月17日日曜のペア割は規定枚数を超えましたので、すみませんが、一般前売でお買い求めください。
他の日は、まだまだペア割ございます!
広報活動も頑張ってます。
何と!月刊終活さんに公演情報をご掲載いただきました。くしくも、池袋シアターグリーン特集号!なぜ?終活と演劇?
お寺の記事が多いのですよね。シアターグリーンのオーナーは、お寺でした。
プレ稽古の始まる二日前、私は、銕仙会能楽研修で、下記の催しを手伝っていました。
主催は、Mu:Artsの柳沢晶子さん。
ロンドンの現代舞踊チームと能楽師の競演です。
当日のリハでも、更に更に、詰めていくのが面白かったです。
そして、能の新曲は、即興が凄まじく、どこまでぶっ飛ぶのか??本当に凄かった。
ロンドンからきたダンス・デュオのThick & Tightは、クイアのダンサーです。
それで、日本に滞在制作した2つの作品を踊りました。
それが、何ていうのか、ネイチャーなんですね。単純すぎるか・・・振りを踊らない。音楽を奏で、自然の風をその体で踊ってるんですよ。すごい不思議な気持ちよさ。日本には無いです。はっきり言います。すごい技巧の上に成り立っている自然態。まるで、能ですなあ。
二人のダンスを観ていて思ったことと、稽古場で思ったこと
人が老いて身体が動かしにくくなったりしていく変化は、ダンスの動きを考える中で、とても重要だということ。
Thick&Tightの、二匹の蛾のダンスを観てて、自然の中で、孵化したり飛んだり、風になったり樹になったり、食われて鳥になっていくような俯瞰の情景をみていて、二人のダンサーの身体が、ものすごく自然態だったこと、とはいえそれはものすごいダンスのスキルがあってのフリーな身体だったのですが、人間の関節が動いたり、固まったりして必ずしも美しいばかりではない動きも、味わい深いと思ったのでした。
稽古場では、テーマがアルツハイマーなので、失禁とかおむつの話がでる。介護経験者が多いので、なんというか、みな具体的なことをディスカッションしながら、台本を深めています。
そういう中で、昔、私も介助したりしたアルツハイマーの人の身体が、だんだん、均衡バランスを欠き、歩く歩幅が狭くなり、足が上がらなくなったりといった動作を思い出していた。そういう歩き方が、ダンスの中にあったように思う。
筋肉と関節がいつも最大限に動くわけではない。いつまでも自由に動くわけではない。アルツハイマーの人も調子がよければ、色々なことを思い出したり、動きもしゃっきりしたりする。動いていく、モーションしていくのは、心もつられて動いていく。
動かなくなって、動作を介助するときも、共同作業にすれば少しは楽で、全く動く気が無い人を動かすのは骨がおれる。
そう思うと、それはダンスと同じ根っこがあるように思った。
能楽堂で舞う美しいダンサーの身体も、動くのがしんどい高齢者や病気の身体も、ある心の状態を表現しているのだった。