My Life Plan 寄稿 | メメントCの世界

メメントCの世界

演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

My Life Plan 寄稿

 

My Life Plan

8月14日 15時半 会場:オメガ東京

ドラマトゥルグ/演出:嶽本あゆ美       音楽:寺田英一

 

「代弁者としての演劇」

 

今年の春、インターネットTvの取材で、漆原比呂志さんが関わるアルペなんみんセンターを訪ねました。

その時、初めてリビィさん(仮名)に出会い、お話を聴くうちに、その人柄と苦難の半生に驚き、申し訳なさと憤り、恥ずかしさが同時にこみ上げてきました。彼が苦しみ理由、祖国を追われる不幸は国外ならば日常茶飯事で、それは個人には解決できない問題だからです。

 難民認定に纏わる不条理な日本の状況は、様々なドキュメンタリー映画や書籍などで知られてはいます。しかし、それに自分が加担しているという意識を持つ人は限られます。そういう一人が私でした。レ・ミゼラブルの名曲「夢やぶれて」を陶然と聞いたり歌ったりしても、シングルマザーが困窮したり、子どもを放置して死なせてしまう母親に共感できず、バッシングに走るのが日本の大多数です。それは無関心のもたらす最大の加害ではないでしょうか。

 

 アルペで出会ったリビィさんは、インターネットTvのインタビューの中で、テロ現場の写真などを示しながら、その半生を語ってくれました。前途洋々の青年が、内戦によってライフ・プランを壊されて逃亡し、その先の日本でも喪失は続きました。リビィさんと同じ様な方が沢山の方がいるのでしょう。

 

「日本での二十年、私のライフは、なくなってしまった」

 

夢やぶれた彼の二十年は取り戻すことの難しい長い長い時間です。そして未だに、スリランカで暮す御親族に危険が及ぶ可能性があります。

 

 浄土真宗の僧侶でもあるミャンマー料理研究家の保芦さんは、ミャンマーでクーデターを体験し帰国し、それ以降、ミャンマーの為に街頭に立ち続けています。最初に私は保芦さんに対して「武力による抵抗はだめ」と言う話をしてしまいましたが、取材過程で、非暴力の抵抗運動を散々やった挙句に殺傷されているミャンマーのご友人などを知り、自分の言葉が無くなりました。しかし、在日ミャンマーの方々は池袋「spring revolution restaurant」にて、美味しいミャンマー料理を食べて応援できるという支援を実践しています。何と素晴らしいことでしょうか。現代の太平洋食堂の様です。

 

 ミャンマーで国際援助の仕事をされていたメイさんからは、国民防衛隊PDF(Peoples defense force)で医療を担う若い女性のこと、その他にも抵抗運動の支援現場の生々しい証言など、現地でなければ分からないことをご教示頂きました。この様に、言葉を預かるということもまた責任があると感じています。少しでも共感の輪が広がるように、そして、アジアの各地での抵抗運動を戦っている人々に思いをはせて、「My Life Plan」の試演をこれからも重ねていきます。そしてこの作品を一つのミュージカルとして成長させていきます。

 

作曲家の寺田英一さんには、素晴らしい曲を書いて頂き感謝申し上げます。ミュージカルの出来上がりが楽しみです。皆様、気の長い応援と、支援に携わる方々への御支援を御願いもうしあげます。        

 

 嶽本あゆ美(脚本家)

 

 

「カレーとクーデター」  保芦ヒロスケ

 

 

クーデターの前日、ミャンマーのある村で、日本式のカレーライスを子どもたちや村の人、100人にふるまう為に食材や料理の準備と予行演習をしていました。しかし、翌日のクーデターでその村の人たちはその後、激しい国軍の暴力によって傷つけられ殺され、村も破壊されました。私の友人のドキュメンタリー監督とその恋人も拘束され、刑務所にいます。彼等を必ず取り戻さなければと思いながら帰国し、クーデター後のミャンマーを支援するべく、募金活動や、ミャンマーカレーの販売などを続けています。未だに多くの友人たちの多くが国軍に拘束されたままの状態です。彼らが解放されるまで、声をあげ抗議のデモをし、S.R.Rでのボランティアを通して、日本の皆さんにもミャンマーのことを知ってもらい、助けて頂きたいと思います。是非、ミャンマーのことを知ってください。関心を持ってください。そしてミャンマーが1日も早く平和になる事を願いつつ、パワー全開でミャンマー支援活動を続けてゆきます 今後ともミャンマー支援活動にご協力をお願い致します!!!I LOVE CURRY I LOVE MYANMAR 感謝

          保芦ヒロスケ(ミャンマー料理研究家)  https://shop.hirosuke-curry.com/

 

S.S.R 【Spring Revolution Restaurant】とは

『2021年2月以来、ミャンマーは軍の独裁者が起こしたクーデターにより、国軍は政権奪取のほか、軍に平和的に抗議する市民に残忍な弾圧を強めてきました。ミャンマーの人々は軍の行為に反対し、軍政の機能や経済活動を停滞させようとCDM(不服従運動)を始め、様々な手段を使って抗議活動を行っています。それか「春の革命」と言われるミャンマー市民の闘いなのです。抗議運動やCDM活動を行っている間、避難者や被害者が増え続け、長期間の無収入により、市民の生活か不安定な状況になってきました。そうした状況のなか、ミャンマー国内の生活に困窮した人々を助けたいという熱い思いで、在日ミャンマー人たちかが力を合わせて、本レストランを開業する決意をしました。自由と平和のため、命をかけて戦っているミャンマーの人々への応援とともに、民主主義が戻るまで戦い続けるという熱意を含め、弊店の名前を『Spring Revolution Restaurant (春の革命レストラン)」と名付けました。店の収益は全てミャンマー支援のために充てられます。』