リア家の介護問題
2021年11月3日~7日、池袋のあうるすぽっとにて、劇団BDP『リアの食卓』上演です。
ついに、プレ稽古が開始になりました。大人だけ集まって、本読みです。
6年の歳月が過ぎました。いやはや、私の父も86歳で、母の老々介護によって実家がなりたっています。
この舞台写真は、前回のものですが、リアの3姉妹は出演者変わらず、6年の重みを携えて稽古場に来てくれました。
絵描きの家の話、もちろん、私は絵描きの家の娘ではないので、フィクションの上のことです。
おまけに、私は独り子ですので、姉妹もおりませんが、これまで随分と3姉妹の話を書いてきました。
リアの三人娘、の二人の姉二人は随分とひどい書かれ方をしていますが、父親が耄碌したことを嘆く場面は、
シェークスピアの時代も、現代も全く変わらないのです。なんとまあ、世の中というのはどこもかしこも似てるんでしょうね。
前のブログにも書きましたが、実際に、私の父が脳内出血で倒れ、介護が始まった時、本当に、此の世の終わりかとおもいました。
けれども、父は母のお陰で、どんどんよくなって、もうあれから12年も生きながらえています。
医者に「もうCT的には、死んでます」と言われて意識を取り戻し、気管切開も塞ぎ、胃ろうもとれて、半身まひから、立ち上がって
椅子に座ったり、後ろむきに少し歩けたり。出逢った介護者やリハビリの先生のお陰です。
そして、母のスパルタ介護。夫婦ってすごい、他人なのに。娘の私はそこまでがんばれない。
近所の方や知人に助けてもらうばかりです。
出来事って、その時には最悪!って思うのですが、必ずどこかへ転がっていきます。
そういう思いでこの6年を眺めてみますと、自分も大分年を取り、ああ、次のドカンという分かれ目はいつかな?
と思うようになりました。何かに書いてありましたが、人は絶対に死ぬので、死に向かって旅をしているそうで、
それは本当にそうです。その間に、いろんな欲が起きてしまうんですね。
御芝居のリア王こと、水沢恒は、画家です。
表現することの葛藤で人生を埋めてきたようでいて、隠された部分がいろいろあります。
娘たちから見れば、尊敬するべき父、頑固な父、無慈悲な父、ずるい父、勝手な父、いろんな面があります。
それでも愛情というのは娘と父を繋いでいます。ひょっとしたら、憎しみよりぎりぎり愛情が多いから親子は成り立つのでしょうか?
8月には子役も入っての稽古が開始します。とても楽しみです。
今回も、長女・皐月には湖上芽映さん、次女の瑞希は中沢千尋さん、三女の薫は坪田后加さん。一昨日はZOOM参加でした。
芸術家一家の葛藤と、愛の行方のドラマをどうぞお楽しみください!
『リアの食卓』 11月3日~7日
【作/演出】嶽本あゆ美
【音楽】内角卓也
【出演】青砥 洋 湖上芽映 中沢千尋 坪田后加
A)漆原志優 髙橋かれん 今泉 麗 伊藤圭伸 藤﨑桃彩
B)彦坂海羽 岡田絆奈 福井美幸 横山温人 瀬谷心音
濱由季子 上原咲季 岡田大海 佐藤 大