The Cycle of Women's Rebirth in the Pure Land Project:
Vol. 2 Queen Vaidehī 韋提希夫人
(女人往生環プロジェクト2 クイーン ヴァイディヒ いだいけぶにん)
idai
女人往生環シリーズ2の、韋提希の字幕編集、映像編集が佳境です。
あなたのお名前なんていうの?韋提希夫人でございます。いだいけさんです。
2017年の観世葉子さんの舞台はほんとにすごかったのですが、映像もまたすごいです。
あの舞台の魅力を映像化するのに、頑張っています。
翻訳は、オーストラリアのクイーンズ大の青山友子先生と、バーバラ・ハートリーさんです。
パターチャーラーと同じチームです!
とはいえ、実際に編集をやってるのは、泉邦昭監督なので、私はですね、あーだこーだと外野で騒いでいます。
私は監督はできないで、プロデューサーになってます。はい。仕方ない!
お経の英訳は幾つかあるのですが、それぞれに、捉え方とか強弱がいろいろと難しいですね。
だけど、漢字の物を読むより、英語の方が解りやすいこと、この上ありません。
英語が最初に英語で入ってきたら、とか、漢訳されなかったら、どんなことになってたでしょうね。
色々と考えてしまいます。
編集中の画面です。
ドラマとしては、現代劇をさしはさみ、インドの王舎城の物語へと突入するのです。
そこが現代能なんです。
舞台背景はSFXではなくって、舞台美術です。
うーん。アナログなんですよ。
韋提希夫人の物語はものすごく奥深く、示唆に富んでいます。
アジャセ王子は、生まれる前に親に殺されそうになり、生まれた後にその因縁を、佞臣に知らされることで
親を恨み、父王のビンビサラ大王を、閉じ込めて餓死させます。
その根源的な親殺しの話は何かあるごとに、ギリシャ神話の様に語られてきました。
母親である韋提希さんは、苦しみ悩んでブッダに救済をもとめます。
そして、浄土へと行くのですが・・・・・・本当に、韋提希さんはブッダの言うことが解って成仏したのか??
思い切り、そこに疑問が湧いてこの話を作りました。そうです、作り物の話です。
大王は、韋提希が助けようとして、王子に見つかり、閉じ込められて餓死させられます。
しかし、ブッダの教えで王はしっかりと成仏しましたよ、がお経です。
そこも、何だか本当は、ビンビサラ大王は、そこまでしないと自分の罪悪を自覚できなかったんじゃないかなって、思います。
ブッダが成仏させたというより、その餓死に至る時間が、彼にとって必要だったんじゃないかな、って最近、よく思います。
それでもって、韋提希さんはどうなったんでしょうね?
翻訳字幕と映像編集が終わりましたら、また配信をしたいと思っています。
この作品は、前作の「パターチャーラー」と合わせて一本の「女人往生環」として、門真国際映画祭に出品予定です!
カミングスーン!!
作・演出 嶽本あゆ美 邦楽 堅田喜三代
Written and directed by Ayumi Dakemoto
Music: Kisayo Katada
母・韋提希 観世葉子
息子・ナレーション・アジャセ・ブッダ・仙人 山本健翔
妻(久子)・侍女 杉嶋美智子
仙人・提婆 なかえ えみ
Cast:
Mother & Vaidehi: Yoko Kanze
Son, Narrator, Ajase, Buddha, and Ascetic: Kensho Yamamoto
Wife (Hisako) & Maid: Michiko Sugishima
Ascetic & Devadatta: Emi Nakae
シナリオより抜粋
「かくのごとく我聞けり あるとき、仏陀が鷲の峰に居られた頃のこと。
その山にほど近い都、ラージャグリハに、アジャセという王子あり。
夫人父をビンビサラ大王、母をイダイケ
という。」
“Thus I have heard. At one time the Buddha was staying on Vulture Peak.
In the city of Rājagṛha near the Peak, there was a prince named Ajātaśatru.
His father was called King Bimbisāra, and his mother Queen Vaidehī.”
母
お坊さんたら、私を韋提希だっていうのよ。
M: The priest said I was Vaidehi.
息子
「閉じ込められた韋提希は、憂いに閉ざされ憔悴し、はるかな鷲の峰に向かい礼拝し・・・・」
S: “Confined in a chamber, depressed and emaciated, Vaidehi worshipped yonder Vulture Peak …”
母
はるかな鷲の峰ってどこ?
M: Where is yonder Vulture Peak?
息子
さあ、インドの山奥だとおもいます。ははあ、これだな。
S: Well, I think it’s in the mountains of India.
「あなたはいずれ死ぬ平凡な人間で、心は傷つきやすく劣ってる。」
“You are an ordinary mortal and your heart is vulnerable and inferior.” Oh, now I see what the priest meant.
母
失礼よね、私はそれほど悪い人間でもなんでもないわ。
M: How dare he! I’m not that bad a person.
息子
私はそれほど悪い人間でもない、のだろうか?
S: I’m not that bad a person - is that right?
母
ええ、そうよ。
M: Yes, that’s right.
息子
「・・・汝、これ凡夫なり。未だ天の眼を得ざれば、遠くを見ることあたわず。」
S: “You are merely an ordinary mortal. Since your mind is weak and inferior, you cannot see what is far away.”
母
つまりどういうこと?
M: And what does that mean?
息子
「これからある方法によって、あなたと未来に生まれる全ての人々に、清らかな世界を観せようと思う。鏡に自分の顔を映すように。
S: “I am going to show you, and all those yet to be born, a pure, clean world. It will be like seeing yourself in a mirror.
それを見れば心は歓び即座に、変わりゆく全てから離れる心(始りも終わり(生死)もないこと」を知るだろう。」
Once you see this world, your heart will rejoice and immediately leave behind all things transient – you will understand that there is neither beginning nor end.