コロナ禍の日々で①私たちは有機体です | メメントCの世界

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演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

各地でのコロナお見舞いもうしあげます。

以下の駄文、忙しい方はスルーしてください。

 

メメントCは6月の共同企画の延期見通しが立っておりません。

企画を立ち上げていくのは、無償で公演をすることも経済的な目的ではなく、芸術活動が目的です。

本来のプロフェッショナルとは、それで対価を得て生活することだという意見もありますが、ゴッホが貧困だったように

そこは難しいことです。まだ芸道も貧困もゴッホまでには至っておりませんが。

それで、せっかく芸術文化振興基金助成内定した『私の心にそっと触れて』を無期延期にするのが悔しいので、

賛同者を集めて、助成事業の年度を超えての実施期間を要望しました。耳を切り落とすより穏便です。

ここはある意味、政治的活動ですね。

皆さん、このコロナ自粛で、芸術だけでなく、ありとあらゆる健康保険教育建設全ての公の事業は、年度内という区切りで

実施されないまま、来年度が来る可能性があります。よく、周りを見回してください。

一番頭にくるのは、若い世代が教育を受ける権利を蔑ろにされていることです。

「学校なんてないほうがいい!」という投稿も目にしますが、人間は社会的動物です。

学びたい時、脳みそが吸収しやすい時を無駄にしてほしくないないです。

毎日、フラフラと公園で小中高校生が散歩してます。ほとんど動物のような若者は家の中にずっといるのは

不可能で不健康です。

私も体力が落ちて落ちて、頭の中身も随分と劣化しました。

高齢者施設にいて、家族と面会もなく、会話もなくベッドから動かないでいる人が、

どんどん衰える理由を身をもって体験しつつ、原稿にしがみつきます。

 

私も三味線のお稽古に行けないし、稽古もできないし、オンラインは音が悪いので耳が変になるし、

家の中で発声練習をしたくても、隣近所STAYHOMEで、通報されるのでやめてます。

こっそりと弱音で楽器を弾いたり体操をしながら、バイトをしたりです。

もはや正々堂々と外へ行けるバイトが楽しみです。

講師業は無期限停止ですから。

「家にいろ!コロナを運んでる!」っていうあなた、コンビニなかったり困りますよね?

病院なかったら困りますよね?

バスや電車やタクシーが動いてなかったら困りますよね?

介護施設が全部しまってたら、高齢者は死にますよね?

目の前のステイホームだけでは社会は回りません。

田舎では、着々と田植えが進み、お茶摘みも最盛期。

生協のスタッフさんは毎日、食べ物を運んでいます。

もし今年、ステイホームで田植えしなかったら、どうなるんでしょうね。

酪農家の青年も毎日、牛の世話をしている動画をアップしています。

ラーメン屋さんもやってます。

ここに至って、第一次産業に従事している方々が光り輝いているのです。

そうそう、安穏と都会人がステイホームしているのは、誰かが働いているからですね。

あーごめんなさい!川原乞食で!!

 

さて川原乞食は開き直ります。

演劇活動はスタッフ、俳優が協力し合ってやり遂げる集団芸術です。

そういうわけで、それぞれが、内臓のように協力しあってるんです。

ダメ出しはホルモン、優しさは神経伝達物質のように、私の心を掻き立ててくれるのです。

この二週間、あんたは何してんだ、と言われると困りますが、「私の心にそっと触れて」の原稿アップと、

下記の緊急要望書を募って提出しておりました。

早くコロナが終息しますことを、心からアマビエ様にお祈りいたします。

 

 

芸術文化振興基金基金部御中
急啓
コロナ禍、日々厳しい状況が続きます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
文化芸術団体へのコロナ対応につきまして、日々刻刻と情勢が変化しており、予断を許さない状況であります。既に助成内定団体への対応メールを頂いておりますが、各興行の延期などの影響で、年度内の見通しが非常に立ちにくい現状となっております。中止を選択する事も一つの危機回避策ですが、芸術家、芸術団体とは作品創造とその発表を観客と分かち合うことを集団存在の第一義とするものであります。


コロナ禍の中、厳しい状態に置かれているのは芸術団体だけではないことは誰もが納得するところです。国民の税金を助成金として活用している我々は更に襟を正すべきかもしれません。しかしながら、文化芸術団体はどの業界よりも早く2月より自主的に「活動自粛」を選び、乾いた雑巾を絞るような状況に耐え続けています。それは、舞台に立つアーティストだけではなく、劇場関係者、演出家、脚本家、作曲家、照明、音響、美術、衣装、劇場スタッフなど余人に代えがたい専門技術を持ち、舞台芸術を支える人々です。その一人一人、我々は芸術としての有機体です。有機体においては臓器や組織の各部分が互いに関係をもつとともに、全体との間に内面的な必然的連関を持ち働く、単なる部分の寄せ集めではない統一体を維持します。それと同様の働きによって舞台芸術を立ち上げているのが、私たちの仲間なのです。そのような我々において、終わりなき夜を耐えうる光とは、未来の芸術創造としての公演です。


コロナ禍の後、必ずや芸術活動は、社会的な問題、人文知を結集した言語、非言語活動による「社会へのワクチン」となるでしょう。ぜひ、現在の「取り下げ」「年度内延期」「中止」以外に、「年度を超えた延期」という選択肢も助成の有り方として早急にご検討ください。
不尽
文責 メメントC 嶽本あゆ美