椿組公演「かくも碧き海、風のように」終演 | メメントCの世界

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椿組公演「かくも碧き海、風のように」終演しました。あれやこれや①

 

2月27日に開幕した舞台も、3月10日の東京大空襲の日に千秋楽となりました。ご観劇、御礼もうしあげます。

流石の椿組さん、そして出演俳優の皆様、スタッフの皆様のおかげで1900名を超える観客動員となりました。また、評判も良く、胸をほっとなでおろしております。難解、情報の多い戦時中の治安維持法下を舞台にした戯曲に、がっぷり取り組んでくださった皆様には感謝しかありません。デビュー以来、堀田作品をテーマに劇作してきた私にとって、為し難い宿題を一つ終えられた感です。また、劇団四季時代に「思い出を売る男」の上演にかかわった私にとっては加藤道夫さんの戯曲以外の言葉を舞台上で俳優の声を借りて聞くことができたことも大変嬉しいことでした。

226事件前夜に東京へ降り立った若者が出会う「驚くべき夜」は、戦争へと転がり落ちていく昭和の歴史そのものでした。

そして、バー・ナルシスで繰り広げられる思想、芸術の青春群像をミュージカル仕立てにしたり、ゴーリキーを対旋律として物語を進めていくことで、昭和の演劇史や、堀田が馴染んだ新協劇団の空気を下北沢に蘇らせました。堀田氏の下宿も下北沢だったこともあり、現代との時間空間のリンクを感じました。 何度も本番を観ているうちに、劇作家の手を離れてそれぞれの人物が語っているなあと、何度も思うだけでなく、私自身も物語に翻弄されたのです。