カウントダウン | メメントCの世界

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演劇ユニット「メメントC」の活動・公演情報をお知らせしています。

カウントダウン

皆様

新宮で「太平洋食堂」を上演するという企画に、大変多くの方にご賛同いただくことになりました。2月2日の夜11時までの期間、短いながらも達成まで、声を上げ続けたいと思います。
 なぜなら、この機会を逃したら、私自身の手では大逆事件の芝居である「太平洋食堂」を現地で上演するチャンスはもうないと思うからです。
 そうなりますと、どなたか他の方がもう一度建ちあがって、私の作品、もしくは「太平洋食堂」を題材にした作品をゼロから作って頂くという事を待つしかありません。
 ひょっとしたらそうなる事も可能性がないとは言えませんが、できるならば、素晴らしい俳優と演出スタッフが作り上げた今回の企画を、熊野川の川べりに立つ新宮市市民会館にて上演したいと思います。そして、歴史の闇に葬られ、今後もますます知られる事がないかもしれない、大石ドクトルの生き様、100年前の熊野地方の賑わいや、素晴らし交流について、生きている芝居として若い世代の前に提示したいと思います。

 残りの日数では達成が不可能かもしれませんが、未来へのタネを撒くことに、お手伝いをしていただけるなら、是非、ご賛同下さいませ。

 「地の塩」という言葉があります。これはキリスト教の言葉ですがいろんな物事や、世間が変わるには、地面に塩が巻かれるがごとく、一見無駄に思えるような事が重ならなければ、何も変わらないのだと思います。

 25年前(笑)私は演劇の世界に入りましたが、いろんな方にお世話になりました。何も知らない新人に、公演のマーケティング、制作の概要、実際の仕込みやミュージカルの稽古などをひたすら見ることで、演劇制作や演劇の本質を感じ取る機会を頂きました。それは新人社員研修で、50人近く居た同期は、3年もする内に、数人が残るだけとなり、10年後には私一人しか、その現場に残りませんでした。芸術と経済は成り立たないと諦めるのではなく、いろんな手段で思いを実現する方法を知りました。その時の経営トップが新人に撒いてくれたタネが私の中で芽を開いたわけです。ので、しごかれながら怒鳴られながら劇場で修業をした日々に感謝してます。

この太平洋食堂を描こうと思い、そして舞台化実現までの苦労は、舞台上演を見た瞬間に、ゼロでもないのですが、かなりなくなりました。(笑)産んだら痛みを忘れるということでしょうか。

 今回の再演にも、たくさんの方が力を貸して下さいました。仕事やら職業の垣根を越えて助けて下さる方に支えられて、新宮公演が圏内に見えて参りました。必ず達成して、熊野川の川べりで、大石誠之助、高木顕明、沖野岩三郎を宿したキャストが活躍し、活劇を繰り広げ、自由平等博愛を求めてあーだこーだと議論する姿を観たいと思います。もう、自分が観たいからやるという話ですが、一昨年の上演から、沢山の方に好評やら激励を頂き、若い世代からも反響を貰いました。
 そういう血湧き肉躍る体験を、物語の土地そこで、現地の若い方にも共有して頂ければと思うのです。

本当に地方の格差、ネット偏重の文化はもうしゅくあの病になるでしょう。でも、ネットの御蔭でこうして繋がることもできるのです。私たち世代は、アナログの良さを知っています。それしかなかったんだから。つまりは、明治維新を知ってる世代と、明治後半生まれで江戸幕府を知らない世代の切れ目みたいなもんです。だから自由のありがたみと怖さが分かる。ですが、これからの世代はどうでしょうか?学校の授業さえも、遠隔でのものが導入されかかってます。
私達は豊だったんです。これからの若い世代(40才以下)はどうなるんでしょうか。

豊かとは物質ではありません。心だと思います、ですから、素晴らしい数千年の歴史の物語を持っている熊野地方は本当は、日本で指折りの豊かな文化を持っているのです。私たちは芝居を持って彼の地を訪れ、そしてまたその熊野を知る事となるでしょう。文化の混淆、流離、行かなければ起こらない化学変化です。

是非、お力をお貸しください。そして一緒にタネを撒いてください。未来へのタネ。宜しくお願い致します。