17歳の魔力
いやはや、疲れてます。
何も取り繕うすべもなく、疲れてふらふらと、毎日の業務をこなしています。
はっと気が付いたら、明日から又してもシアターグリーンではないか!!
熊本から帰ってきてやったことと言えば、彼女たちの稽古、学校のコミュニケーション授業、清算地獄、書類の整理、2月の公演の稽古、結構やってるわ。
だから疲れているのですね。今日は死力を尽くして来年の「太平洋食堂」の助成金書類を書き上げました!!ああ、書いたからって受かるとは限りませんが、鉄砲も撃たないとどうしようもないのです。
そして、無謀にも、申請書類に改稿して10分縮めますと、宣言してしまったのですよ。無謀ですね。
さて、四年前にやった「彼女たちは」ちょっとセンセーションでした。いつも私の舞台を観に来てくれる演劇通も、現役女子高生の劇中劇の「クルーシブル」には、べっくり。
何というかですね、思春期まっただ中の発する超能力の様な磁場は強烈でした。2時間半以上もあったのに、誰も(小学校低学年以外)は飽きずに興奮して帰ってくれましたね。長いって言われないのは何よりもうれしいですわ。
その「彼女たち」は「クルーシブル」の魔女裁判を現代版ネットいじめに翻案しているので、その頃のKSだのWKKだの、KKKも真っ青なギャル語(死語)が満載。私は中央線に乗るたびに女子高生の会話に耳をそばだてたり、マクドナルドで変なオバサンになって、言葉を集め、夜になるとそれをパソコンで意味を調べたもんでした。あの頃は、まだガラケーで今から思えばかわいいもんだった。今回はラインやらツイッターの掲示板での書き込み。あれ、声に出して読むと、耐えられない。
スマホだのラインなんてものが現れて、世の中は一気に悪くなりました。断言します。スマホは体に悪いです。800メガヘルツの帯域の電波をバンバン出してるあのトランスミッターでレシーバーなスマホは、すさまじい電磁波を出してるのです。枕にして寝てるやつがいますが知らないぞ。
これは風評被害ではなくてですね、かつてラヂオマイクの世話になってた私は、俳優さんが1年に300日位、ワイヤレスを御腰につけて歌ったり踊ったりしてて、体を痛めたり血管が収縮しちゃったのを、いっぱい見ました。300日もつけてる方が変なんですけどね、そういう労働?環境でした。
まあ、スマホの悪口はこれくらいにして、ラインの悪口に行きます。何でもまた四六時中、他人と連絡を密にしなくちゃいけないのか、理解不能なんです。できるだけ、他人と離れて過ごしていたい私は、自宅作業だと全く携帯が通じないのでみんなを困らせます。携帯メールも午前、午後に二回位しか見ないから、全然メールの役割をしてないと文句を言われます。私にすれば、用があるなら電話してこい、と思うのです。そう、私は昭和人。それでもって、何でもって自分と他人のやり取りを集団にさらさなくちゃいけないのか、そんなのは、会議だけでよいのだ。みんな、ラインにはすぐに返事するくせに、仕事のメーリスにはちっとも資料回覧しましたと返信しないやつもいる。これはイライラする。仕事だぞ!!ラインの無駄口と違うんだぞ!!とっとと要件を済ませろ!!一時的に私はヒステリー気味です。
思うに、ラインは仕事と化してるのかもしれませんね。つきあいという仕事。女子高生の世間を知る機会は限られていますが、みんながみんなスマホ漬けになってるわけじゃないこと位知ってますよ。でも、世の中があの世代をそういうものに漬けこもうと手ぐすね引いてるのは確かです。いろんな利便性と引き換えにユーザー感覚、消費者礼賛を植え付けて、自己解決能力を無くさせているんです。しかも、性の搾取は若年化と素人だろうが家出人だろうがお構い無し。今の世の中は餌食を探しています。無知やら隙やらをついて骨までしゃぶりつくそうとするあらゆる欲望のターゲットになってるのが17歳の彼女たち。JKビジネスという信じられない報道を見るにつけ、社会の底が抜けてしまっていると思うのです。誰も大人として責任を取らず、絶対にババを引かない、損をしないでいることを最大目的とする世間。でも社会のつけは溜まります。それを見えなくして、無かったことにする社会、恐ろしい時代です。そこに生まれてきて良かった、という安心を生み出すことは本当に難しいのですが、まだやれることがあると信じてます。
私もSNSを仕事や交流、宣伝に使っています。お先棒を担いでおいて何をいまさらという声もあるでしょうが、そこに何も本質を求めてはいません。親しい人間とはほとんどメールでは話しません。何故かというと、そこには誰もいないんです。影しかないんです。ある人がそのネットで見せたい影が、FBやらSNSで蠢いているだけです。
昔のDOSV時代は既に石器時代ですが、結局はこれはそういう無粋で味気ないものと変わらないのだと、思う人は少ないでしょう。
「彼女たち」にチャレンジするBDPの女子達はものすごく前向きです。勉強も習い事も劇団活動もこなしているパワーは脱帽。そしてこの公演の為に五か月、戯曲と向き合って来ました。その成果がシアターグリーンで発揮されるでしょう。「なにが欲しいのか、何故欲しいのか分からないけれど、たまらなくそれが欲しい、それを手に入れる為ならどんなことでも!」と思う様な情熱は、健康な17歳にしか持ちえないのかもしれませんが、二時間半、彼女たちのまっすぐな声と向いあって、自分の奥底の輝きを見直してもらえたらうれしいです。さあ、明日から彼女たちは魔女に変身しゅわっちします。乞うご期待!