男と女のダム問題② | メメントCの世界

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男と女のダム問題②




水天宮での「太平洋食堂」の稽古もかなりのハイペースで進んでおります。明日からは、広い稽古場に移り、荒立ちに進みます。この一週間、テキストを読み込んでまあ、初めてわかったこと気付いたことが山ほど。7年間の蓄積のせりふが、役者の口を借りて音になるとまあ、驚くばかりでなく、自分がせっせと創造してきた架空の?フィクションを含んだ人物が、呼吸して喧嘩しあったり、笑いあったりするのを見て、感きわまったり、弱ったりでした。




さて、二兎追うものは一兎も得ず!とは言うものの、明日は、燐光群公演「帰還」のポスト・トークに出演します。なんでまた私が?という感じもありますが、坂手洋二氏は劇作家協会の研修課ゼミの講師で、まあゼミ生というわけですね。そして、「帰還」は川辺川ダムを舞台にした男と女の愛憎とダムの話です。あれ?というわけで、ダム対決なるか??




以前ブログで、博多の中洲のことを書きました。あまりよいところをかけなかったのは、遊ぶ暇がなくて夜の中洲しか知らなかったからです。しかし、福岡はよいところ。美人は多いし、食べ物はうまい。九州というとラーメンというイメージですが、うどんのほうが主流のようです。あごだしという、澄んだ出汁のスープで食べる、腰の強い麺は最高。そして、ある店ではスープがどんどんうどんに吸われるので、薬缶に出汁が入っていて、好きにかけて食べられました。天ぷらはゴボウの天ぷら。毎日食べても飽きません。






川辺川ダムのことを調べていた時、熊本県のHPで、そのシンポジウムや公開ヒアリングなどの司会を一手に裁いていた部長さんにびっくりしました。お名前はふせますが、そのやりとりの記録をみると、一筋縄ではいかない発言者、いろんな地元の人、利害のある人、環境団体、国交省などを、鵜飼の様に裁きまくって、必要な質問に回答させ、またヤジの飛ぶ中、どこかの運動員を黙らせというウルトラCの司会をしていました。マイケル・サンデルの対極を行く司会方法で白熱議論の手綱を握って離さないツワモノという感じでした。




民主主義とは、まあ相手の言い分もこっちの言い分も聞きあい、建設的に多数決で良き回答が導き出されれば最高!という感じですが、公立小中学校で総合の時間の講師に行くようになり、サイレントマジョリティーのような、声なき声というのは余ほどでなければ、表に出ないということを感じました。出ないけれども、空気としては存在するわけで、非常にやっかいでした。思春期の女子は特に、口をつぐんでいるので、そのサインを見誤ると、授業の乗りが非常に悪くなり、逆に女子が乗ると確実に結果が出ました。




ダム問題に限定せず、公共の問題を多数の人間で話し合うのは非常に骨が折れます。合意を目指すというのは奇跡に近いです。話し合いでそれぞれが持ったある種の幻想、をどこまで具体的に共有できるかにかかってます。ダム問題は、長い川の上流から下流で意見が違うわけで、人を相手の問題というより、川という変化自在の自然との取っ組み合いでしょう。言うことを聞かぬ途方もない自然をコンクリートでねじ伏せるわけですから、その結果を保証するのはばかげているのです。しかしながら、私たちはいつも自然に動かぬことを前提にしていて、それが動いたことでようやく何かを学ぶのです。




都市に住んでいてそれらの恩恵を受けまくって、高いところからダムの話をするのは、非常に僭越ですが、とにかくまあ、心のたけを語ってきます。目撃したい方は、是非、スズナリへ!






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