備忘録③ これから来る事
来年のメメントはどうなるか?
決まっているのは、7月3日~7日の座・高円寺1での「太平洋食堂」です。作家・嶽本のある意味、一生の中で作家としてこれだけはやり遂げたいという怨念と執念がこもってます。
怖・・・いかもね。
二月頭までに改稿を終えまして制作に本腰を入れます。いったい、この体力のないメメントが何でまたそんな大舞台を?何て呆れる方もたくさんいらっしゃるでしょうね。本当にどうなるか分からないけど、その後の事は、それが終わったら考えようという感じなのです。もちろん、「ともしび」「第六病棟」「クララ~」も再演したいです。しかしながら、世間の若い劇団と違い、そうそう定期公演を半年に一度打つというのは分不相応なメメントなのです。演劇は生もので、一期一会。見逃したら又、会う日までということなのです。
次の「太平洋食堂」は劇作家協会と座・高円寺に助けてもらい、演出は藤井ごうさん、制作補助に青年劇場の福山啓子さん。出演が決まっている方も多数の劇団からという混戦チーム、太平洋食堂上演委員会形式というまあアウェイに近い戦いです。私の仕事はほぼ戯曲を書き切るということに尽きます。常々、演出をしない私は、作家としてでしか、自分で演劇をすることができないのです。演劇は役者だ、演出だ、という人もたくさんいるでしょう。私は戯曲だと言い、演劇は文学だと声を大にして言いたいのです。クラシック音楽のように、数百年残っても再現可能なものを書きたい、と思い続けて来ました。それは誇大妄想なのかもしれませんが、私の責任、作家の責任として戯曲を突き詰めるべきだと考えています。そういう私は古臭いのかもしれませんね。まあ、そういう作家がいてもいいでしょう。最先端は若い作家にやってもらえばいいし。投げやり?かな?
もちろん今まで参加して下さった俳優さんにもご出演頂きますし、メメントにご協力頂いている方も援護射撃してくれるでしょう。だから私は筆(パソコン)を握りしめて、丸腰で書きます「太平洋食堂」を。どうぞ、半年後に嶽本の大言壮語が嘘じゃないことを、高円寺に確かめに来て下さい。あいつは、言うことはやった、やろうとしたと、きっとズタボロになってる私にエールを下さいね。自虐が始まってますが、せめてそれくらいの志は高く高く掲げようと思うのです。そうでなければ作家などやるべきでないかなっと。
まるで太鼓でも叩いて討ち入りでもしそうになってきましたが、大晦日もまもなく終わります。
皆様の本年のご支援に深く感謝するとともに、来年の皆様のご健康、ご多幸をお祈り致します。もうすぐ激動の2013年が始まりますね。よいお年をお迎え下さいませ。
嶽本あゆ美