備忘録①・行く年
大晦日、慌てています。
なぜなら、もう来てしまったという感なのです。この一年、メメントはかなり多忙を極めました。まず6月のリーディング「劇が孵化する夜に」では三女性作家競演の名の下、実は四本立てでした。それぞれの出演者を会わせて9人、井出みな子さん、さつき里香さん、羽場さゆりさん、内山厳さん、立花弘行さん、金塚悦子さん、杉嶋、田中、私まで。稽古もあちゃこちゃの開場で繰り広げられ、二本出ている役者もいたし、目の回るような忙しさでした。あの、四時間耐久レースのような楽日に超満員の客席で、じっとリーディングを聞いて下さった皆様、本当にありがとうございました。そして、面白かったといって二度も来てくれた方も複数いらっしゃいました。リーディングと侮る事なかれ、作家の作品発表の方式としては最適だと思っております。
その7月には、来年2月16,17の公演「ハムレット・レポート」を劇団BDPに書き下ろして渡しましたのさ。12月の公演まで、そのような外部の書き下ろし、館山子供ミュージカルの公演などやっておりました。田中も外部出演、演出補佐などで駆けずり回ってましたね。それぞれの疲れが夏の間に癒されず蓄積されたまま迎えたのが、劇作家協会月いちリーディング「太平洋食堂」でした。書き直し期限ぎりぎりまで粘って、一幕を改稿発表できました。杉島、清田氏も応援出演。たくさんの演者に恵まれリーディングは多くの方に興味を持っていただけたという感触がありましたね。
あれが今年の山場か!と思っていた私は甘かった。私は比較的筆が早い方だと自負してますが、最近は寄る年並みのせいかこのところ、ギリギリセーフなのです。まあ、セーフだから許してもらおうかなと思うのは甘いですかね。それが終わりまして、私は一週間寝込みました。中年更年期女は意外とストレスに弱いことが判明。そのあとは、タレントの芸能生活35周年記念コンサート。何故か演出家がいなかったので、萩原流行さんに怒鳴られたり、ゲネプロで転換!暗転!とか、衣装替えが遅いのに腹を立てて怒鳴ってました。その頃は疲労困憊、精神的にもやられてしまって、芸能界はもうこりごり。
こんな雑多な仕事が12月の「クララ~」執筆に手かせ足かせとなったことは否めません。
いつももっと準備期間をとるメメントですから、12月の公演は本当に非常事態のような稽古体制だったのかもしれません。私は6月に既に経験済みの劇場だったし、東京バビロンの提携という有難い協力で、仕込み日を一日無料でつけていただいた。それは6月の成果として劇場さんにご評価頂いた結果でした。こういうと棚ぼたですが、拝み倒しました!でも本当にそれで救われました。
続く