
二死満塁、2ストライク2ボール位で現れた代打は、イチローでした。というのは、比喩として適当ではないかもしれないのですが、青山雅士さんは、二日目にしてどっぶりと、稽古場になじみました。この爽やかな青年は実は、イチローなみに、ど根性なのでしょう。29歳の彼はダンサーでもあり、非常に身体に正直なセリフを吐き、かつ交流しております。中年達はあっけにとられながら、煽りを食っておりました。文学者は猫背が普通なのですが、さすがダンサーなので姿勢が良いので、私などとは違う(当たりまえじゃ)立ち姿が非常に麗しいです。長身の彼が振り回すバットは、快音を立てて左中間を破ってくれることでしょう!

今回、この芝居にはダンサーが三人、あえて三人と言わせていただきますが、三人(しつこい)出演しています。
その二人目は、元劇団3○○で活躍した立花さん。何と、彼は、3○○きってのダンサーだったということです。確かに今でもフットワークが軽いし、ノリもよい。知らなかったダンサーだったなんて!!!

立花さんの役は、中国人詩人の安徳雷。安徳雷と書いて、アンドレと読みます。暴走族じゃありません。
アンドレ・ブルトンに心酔したシュール・レアリズム詩人なのです。さて、立花さんはいつもメメントCで、アンドレを演じます。第六病棟でも医師・アンドレイ・エフィムイチ・ラーギンでした。この偶然には笑いました、何の関連もないのですが、なぜか彼は舞台上ではアンドレ!なのです。安徳雷は堀田善衞の「漢奸」に出てくる登場人物です。このアンドレはとても印象的なキャラクターです。見てくれというより、その存在が。どんな詩人か、お芝居でお楽しみくださいませ!