私のページにお越し下さり、ありがとうございます。これは、私が実際に経験した実話です。事実だけを綴っています。


はじめましての方はこちらから見ていただけると嬉しいです☆登場人物紹介を追記してます 





前回⇩の続きです☆ 



私は産婦人科の手術台の上にいました。
中絶手術を始めるところでした。


その時、
私の様子を察したひとりの看護師さんが
私を手術台から下ろし、
私の肩を抱いて
薄暗い廊下を歩き、
別の部屋まで連れていきました。




看護師さんは
私にベッドに腰を掛けるようにと言うと、
私に並んで座りました。




「すみません、やっぱり私、
 どうしても産みたくて…


 お腹に来てくれた事を初めて知った時、
 怖かったけど、嬉しくて…」





私は途切れ途切れに
やっと思いを口にしました。
そして続けました。 





「一人で育てるって決めてたけど、
 それでも困るって反対されてしまって…。」




「要するに反対されてるのね。
 赤ちゃんのお父さんから?」




看護師さんの問いに
私は小さく頷きました。 



看護師さんは私を見て言いました。


「ここにはたくさんの人が
 中絶を考えて来るのよ。
 10代の子だけじゃなくてね。
 

 みんな事情はもう人それぞれ
 本当に色々あって
 一人ひとり違うものだから、
 何も言えないけどね…


 でも、
 悩んだ末に産んで後悔している人なんて
 聞いたことないよ。



 それに、
 責任を持って育てていくって決めた
 あなたの決断は、
 誰のどんな事情より
 尊重されてしかるべきものよ。





 あなたは、産みたいのね?」






私は涙を拭って頷きました。





看護師さんは
そっと背中に手を当ててくれました。




「あなたの人生なんだから
 あなたが決めて、
 あなたの好きなように生きていいんやよ」





「好きなように…」





「当たり前でしょ。」




そう言って
にっこり笑う看護師さんに
私の背中をさすられながら私は、
私の心にはびこる
驚くばかりに幼く無責任で無様だった自分を
目の当たりにしたのでした。





【次へ続きます】