今回は、NZ滞在10ヶ月間程の間に10弱の大会に出場した経験から、日本の化け物市民ランナーsに”海外マラソンでNZに行くの、結構アリですよ”というメッセージを届けたいと思いこの記事にまとめてみた。なお私の言う化け物市民ランナー(最大限の敬称)とは大雑把に言うとフル2時間半以内、もっと言えば2時間20分以内で走る皆さんを指すと思ってもらえたら良い。もちろんどんなタイムのランナーにでもこの国のマラソンはお勧めなので、持ちタイムに関わらず海外マラソンに興味がある方はぜひご一読してほしい。

 

これまでに参加した大会はフルマラソンが5つ、ハーフが2つ、10キロが1つ、そのほかパークランやプチランニングイベントいくつか。

 

 

NZのマラソンがおすすめな理由

①優勝できる(賞金を獲得できる)可能性が高い

②いい意味で運営が緩い

③治安、食事に困らない

④真逆の季節を利用できる

 

NZのマラソン参加にあたっての注意点

・公認コースでない場合もある

・スタート時間が朝早い場合が多い

・飛行機での移動時間が長い

・トレイルの大会でなくても坂、未舗装の場所が出現する大会もある

 

NZのマラソンがおすすめな理由

①優勝できる(賞金を獲得できる)可能性が高い

 

速いランナーたちにNZのマラソンをお勧めする一番の理由がこれ。以下、私が今年参加したレース(フル)の1~3位までの記録である(カッコ内は開催月と開催都市名)。

 

 Christchurch Marathon(4月・クライストチャーチ)

 1位 2:21'38

 2位 2:23'38

 3位 2:28'21

 

 Selwyn Marathon(6月・クライストチャーチ)

 1位 2:40'42

 2位 2:41'11

 3位 2:47'23

 

 Wellington Marathon(6月・ウェリントン)

 1位 2:27'31

 2位 2:29'59

 3位 2:30'41

 

 Dunedin Marathon(9月・ダニーデン)

 1位 2:32'11

 2位 2:33'13

 3位 2:39'20

 

 Auckland Marathon(11月・オークランド)

 1位 2:21'49

 2位 2:22'00

 3位 2:22'55

 

 Queenstown Marathon(11月・クイーンズタウン)

 1位 2:34'05

 2位 2:36'27

 3位 2:42'38

 

といった具合で2時間半切りならほぼ入賞確実、2時間20分台前半なら優勝争いに絡め、そして2時間20分を切ればほぼ優勝確実といったところだ。ちなみに上記大会のうち、クライストチャーチマラソンとオークランドマラソンにはこの国のナショナルクラスの選手が参加しているため他よりレベルが高くなっているが、それでも優勝タイムは2時間21~22分といったあたりである(なおオークランドマラソンは前半かなりアップダウンの激しいコースで今年は向かい風も強かったこと、クイーンズタウンマラソンもアップダウン多めでかつコースの大半が未舗装の路面であることを考えると、どちらも平地換算なら-数分〜10分程になるかもしれない)。また、セルウィンマラソンのような主要都市の名前がついていない所謂"地域のマラソン大会"レベルだと2時間40分台で入賞できてしまう

私の超適当な体感で、NZのマラソンレベルは日本から10年くらい遅れているのかなぁと思っている。遅れているというよりかはそもそもの国の人口が圧倒的に少ないので単なる分母の多い少ないの問題なのかとは思うが、なんにせよNZのマラソンは最近の日本のマラソンのように、プロ選手や実業団選手がいなくても間違うと2時間10分台でも入賞できるか怪しいようなレベルではない。

 

そして、いくつかの大会では1〜3位までの入賞者に賞金も与えられる。上記大会の中だと、

 Christchurch Marathon:1位$1,000、2位$750、3位$500(大会記録2:15'12(2024年現在)更新で+$1,000)

 

 Wellington Marathon:1位$1,000、2位$600、3位$300(大会記録2:22'43(2024年現在)更新で+$1,000)

 

 Dunedin Marathon:1位?、2位?、3位$200

 

 Auckland Marathon:1位$5,000、2位$2,500、3位$1,500(大会記録2:14'03(2024年現在)更新で+$1,000)

 

 Queenstown Marathon:1位$3,000、2位$1,500、$750

 

といった具合(ダニーデンだけ大会HPで情報が見つけられず私がもらった3位$200しかわからず🙇)。金額はいずれもニュージーランドドル。$1,000程度だと往復の航空券で溶けてしまいはするが、それでも悪くない額なのではと思う。

 

②いい意味で運営が緩い

 

これもNZのマラソンをお勧めする理由のひとつ。マラソンは日本とNZでしか走ったことがないのでNZが緩いのか日本が厳格なのかわからないが、少なくとも日本に比べてこの国のマラソンはいろいろと緩い。

例えばエントリーは値段は上がるが前日受付会場でもできるし、大会によっては当日の朝も受け付けている

また、日本では招待選手や(準)エリート選手しか置けないスペシャルドリンクも、NZではだれでも用意できる

レース当日については、何時までにスタートラインに整列という時間も厳密に決められておらず、「注意事項の説明があるから5〜10分前には並んでねー」くらいの軽いアナウンスがある程度。よってスタートギリギリまでアップをしたり、上着を着ていたりすることができる

スタートのブロック分けもない大会の方が多く、私が参加した中だとあったのはオークランドとクイーンズタウンのみだった。ギリギリまでアップをしていた場合ブロック分けがないと前の方に並べないのではと心配になるが、NZのランナーは意外と?謙虚なのかグイグイ最前列に来る人は少ないので特に問題はなかった。またグループ分けがあった2大会は目標タイム3時間30分切りで最前列のグループだったようなので、これも日本よりだいぶ緩い。

 

ちなみに運営がゆるいことの欠点をあげると、交通規制や警備も緩いため走っている横を普通に車が走っていたり、たまにコースがわかりずらかったりすることがある。

 

③治安、食事に困らない

 

ご存知の方も多いだろうがNZは世界的に見ても治安が良い国。レース以外の部分で過度に気を張らなくて良いのもこの国の良いところだ。

また食事についても、主要都市にはかなり多くの日本食レストランがある。特にクライストチャーチは寿司屋だらけ。

マラソン前はできればご飯ものを食べたいというランナーは少なくないかと思うが、NZでは特に苦労せず巻き寿司やおにぎり、丼ものやカレーを見つけられるのでレース前の食事には困らないと思われる。もちろんローカルの美味しいレストランや中華など日本食以外も沢山あるのでそちらを楽しむこともできる。ただし外食は日本より少し高いので注意。ランチなら安くても$15〜25、ディナーだと$20〜40くらいはする。

なお、レース中に使うジェルなどでお気に入りのものがある方は日本から持ってくることをお勧めする。モルテンのジェルはNZでも見つけたが、それ以外に日本でよく見かけるジェル類は一切売られていない。こちら独自のものはあり、私は特にこだわりがないためそれを使っていた。

ただ、レース中に摂取するものは慣れている製品の方が安心感があると思うのでスーツケースに入れて出国するのが○。

 

④真逆の季節を利用できる

 

NZは南半球なので日本とは季節が真逆。よって日本が夏で酷暑の時期にNZでマラソンを走ることができる。プライベートの時間が限られている市民ランナーでそこまでやる人はいないと思うが、こっちでプチ合宿をすることも不可能ではないと思われる。

マラソンではないが昨年TOWLAPSの選手がオークランドに遠征に来ていたのをYouTubeで拝見した。ときどき実業団選手の合宿先にもなっているので、マイナーな国ではあるが走るのには悪くない環境が整っているのだと思う。

 

NZのマラソン参加にあたっての注意点

・公認コースでない場合もある

 

ニュージーランドのマラソンはよほど規模が大きいか、エリート選手たちの選手権を兼ねているような大会である場合を除いて公認コースでない場合が多い。オークランドやダニーデンは公認だが、クイーンズタウンは大規模大会でありながら非公認。よって順位だけでなく公認記録も狙うのであればこの点に注意してエントリーする必要がある。公認かどうかは大会HPで見つけられる。

 

・スタート時間が朝早い場合が多い

 

日本だとフルマラソンのスタートは8時〜10時くらいが一般的?かと思うが、NZではそれより早い大会が多い。

 

 Christchurch Marathon:7時半

 

 Wellington Marathon:7時半

 

 Dunedin Marathon:7時半

 

 Auckland Marathon:6時

 

 Queenstown Marathon:8時20分

 

といったところ。オークランドは6時スタートで、冬が終わり日の出が早くなってきた11月とはいえ夜明け前の薄暗い時間。ウェリントンは真冬の6月なので7時半でもやはり薄暗い。

明るさはパフォーマンスにあまり関係ないとは思うが、スタート時間が早いとそれだけ早く起きる必要がある。加えてNZは珍しく日本よりも時間が進んでいる国で大まかに4月〜9月は3時間、10月〜3月はDaylight Saving(所謂サマータイム)で4時間の時差がある。私のように比較的長くこちらで生活していて身体がこちらの時計に慣れていればいいが、短期遠征で走りにくるランナーに朝6時スタートはかなりキツイかもしれない。行き飛行機の中でしっかり寝ておくなど対策はあるかもしれないが、この辺りは旅慣れていないのでなんともわからない。

 

・飛行機での移動時間が長い

 

日本からは成田-オークランドの直行便が出ているが、それでも11時間程かかるのでフライト時間はヨーロッパ並。そこから別の都市へ行くならさらに数時間かかる。時差こそ3時間(NZの夏季は4時間)だけだが、フライトの疲れは多かれ少なかれ感じると思われる。

 

・トレイルの大会でなくても坂、未舗装の場所が出現することがある

 

個人的にNZのマラソンを走っていて最初1番嫌だったのがこれ(途中から慣れた)。大会要項を見る限り普通のマラソンなのに、走ってみたら砂利やら草地やらがときどき出現する、ということが多々ある。NZの大自然を楽しめているといえばそうなのかもしれないが、記録を狙っている人からするとレース中予想外のクロカン発生はそこそこストレスである。また大会によって(たとえばクイーンズタウン)はかなりアップダウンも激しく、これは半分トレランなのでは??というものもあるので、そういったコースが嫌な人はエントリー前に要項やコース図等を注意して見るのがマストである。

 

以上、日本のランナーにNZのマラソンをお勧めするポイントを挙げてみた。マイナスポイントもありはするが、実力のあるランナーならそれでも入賞・優勝できるだろうし、やはり海外特有の沿道の応援や盛り上がりも楽しむことができるので、ぜひご検討いただきたい。