第5景
ツバメ、レイ、E
ツバメ::あなた美しいな。歓迎のしるしに良い言葉をあげます。
レイ:良い言葉って?
ツバメ:「Amor Vincit Omnia」です。
レイ:「アモール・ウィンキット・オムニア」?どういう意味ですか?
ツバメ:ラテン語で「愛は全てを制する」という意味です。私は愛について学ぶ事はとても重要な事だと思っています。そして本当の友とは愛で結ばれています。世の中には経済的豊かさ、物質的豊かさを享受していても、愛に飢えている人は沢山います。そういう人の中にはCDや音楽プレイヤーの世界にひきこもって愛を得ようとしている人もいます。あなたには現在も親友と呼べる人はいますか?
レイ:いえ、一人も。
ツバメ:その事であなた、ずいぶん苦悩した事ない?もったいないよね、それだけ美しいのに。
レイ:友達がいない事ではよく苦しみます。Eさんも同じじゃないでしょうか。
E:はい。親友と呼べる人付き合いを現在も持ち続けていたら、私の状況はもっと早くに好転していたと思います。あなたはどうしてこの部屋にいらっしゃるの?「愛と平和と生命と人権の尊さを説く人の部屋
」に。
ツバメ:Nine Inch Nails つながりでEさんと知り合ったからです。レイさんは?
レイ:私はEさん経由でマザー=テレサさんの本に触れたからです。ちなみにEさんはどうやってこの部屋の存在を知ったの?
E:私は……気安く言える話ではありません。私たちの状態に名前をつけるとしたら、「ミザイストムファンタジーの世界」とでもしておきましょうか。漫画の「ハンター×ハンター」の世界のキャラでハンター協会会長から選ばれた12人の実力者の内の1人で、クライムハンターがミザイストムという名前です。牛のような白と黒の斑な格好をした人です。インドで人気が出るかもしれませんね。
ツバメ:「ハンター×ハンター」の中ではどういう役割なの?
E:カキンの王子のキャラを危険人物でどす黒い影がひそんでいるとして、クラピカという心理分析も行えるキャラとともに調査し、クラピカの行動範囲を増やして最終的なカキンの王子への対応をクラピカに委ねようとする存在です。
レイ:クラピカというのは?
E:中性的で理性的で知的だが、仲間に関する事では激昂しやすい存在です。そしてとてもいい眼を持っています。
ツバメ:それでなぜ私たちが「ミザイストムファンタジーの世界」なの?
E:それは気安く言えません。まぁ犯罪捜査官気取りという事で。悪の実態を追う者という事で。
レイ:やはり私たちの状態への名前は「愛の神ファンタジーの世界」にしない?
E:それもいいですね。私たちは皆、愛の重要性を知っていますからね。愛の神について詩を書いてみます。「清めの道」という宗教の「清歌」からの引用改造文です。
愛の神は 人の心を司る 重要な道理
何にも代え難き 我らの宝
愛は全てを制す力 乾いた心にも涙をあふれさせる
愛の神は 病める時の 癒しの手 癒しの言葉
苦しき日々にも 救われる
愛の神は 我らを生かし 人の光となり
ミネルヴァのフクロウのように 行くべき道を照らされる
愛の神は 生命の源 能力の源 知恵の源
苦しかった道も 好転する
ツバメ:ファンタジー、幻想というより事実じゃないの?
レイ:“神”の定義にもよりますね。
E:「最高の支配者」という定義もあるようです、“神”には。“道理”の定義は「ことわり。人の行うべき正しい道」のようです。
ツバメ:愛の道理は人類の最高の支配者という事かな。私はそう思うよ。
レイ:私もそう思います。Amor Vincit Omnia、さっそくツバメさんから教えてもらった言葉も使ってみたくなりました。
E:私は愛に関する事でよく涙を流します。
(沈黙。Eは真ん中の長椅子に腰かけ、愛に関する良い言葉が書かれた本を手にとる)