トップブレードのブラスト痕を消せ!
アイアンのフェース面には”ブラスト処理”がされている。
こんな処理だ。
ブラスト処理は正式にはサンドブラストと呼ばれる工程で研磨剤を含む空気をコンプレッサーによって圧縮させ対象物めがけて高速投射する工程を言う。対象物の表面は研磨剤によって細かい凹凸が出来ることからインパクト時のボールの滑りを抑制する効果がある。
例えばこのブラスト痕を見るだけで私はミズノ製なのか?遠藤製作所製なのか?三浦技研製なのか?佐々木製なのか?それとも中国製なのか?の判断が出来る位だ。
ミズノ養老製は比較的グレー色のブラスト痕が特徴でトップブレードまで回らせる。特に特徴があるのが遠藤製作所製のアイアン。遠藤製はブラスト痕が白くそしてトップブレードまで必ず回らせるがその回らせ方も特徴がある。
三浦技研製はアイアンヘッドにまずはブラストを施しその上からメッキ加工を行うのでこれも一目で分かる位かなり特徴がある。そして三浦製の最大の特徴はトップブレードまで”回らせない”ことだ。
さて、今回のこのアイアン!
このブラストはタイの遠藤製作所が製作した類似点と合致する特徴がかなり多い。ブラストの色、処理の仕方、そしてトップブレードの面取り具合などその多くが同社の特徴だ。
今回はそのブラスト処理されたトップブレードを消してもらいたい!との研磨依頼だ。
”そこで疑問が出てくる…”
ブラストはもともと滑り止め効果を狙った処理だ。トップブレードまで回りこませて何か意味があるのか?
このブラストがあるだけでトップブレードは太くそしてスッキリ見えないものだ。ただしこのブラストを綺麗に削除するには熟年の研磨技術が必要。強く磨けばメッキは剥げてしまい、弱く磨けば後はまだ残る。
では加工してみましょう!
これ以上磨けばメッキが剥げる一歩手前の状態で手を止めることがこの”トップブレードクリア”加工の見せ所だ。
さらにフェース面の境界性はココ!!っていうところにラインを引くのがメルサ流!ほんの少しだけフェース面に”ライン”が入り込む位で上から見た時にはちょうどよいと思っています。
「どうかな?」
何となくトップブレードからブラストが綺麗に消えるだけで全体的に輪郭がシャープに見えませんか?
「気のせい?(笑)」
ちなみに三浦技研製のアイアンを持っている方は”トップブレードクリア”に関して全アイアン標準装備です!
最後にあの疑問の答えだが…・
なぜメーカーは関係の無いトップブレードまでブラストを回り込ませるのか?
その理由はハッキリとは分からないがひとつ言えることはトップブレードを1本1本ブラストが回らないようにキッチリしたラインでマスキングをすることは結構手間の掛かる作業だ。
もしかしたらそれが最大の理由かもしれない。
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