【DLC開発】次はノーメッキヘッドへの成膜だ
ノーメッキウェッジの特徴はダイレクトな打球感とそれに相応した操作性がウリ。スピン量に関して言えば確かに理論的にはスピンが掛かる気もする…。
ウェッジのスコアラインはコンピューター制御による彫刻式のものが多くなった。これは1本1本彫りながらスコアラインを描いてく方式…。
昔は鍛造でスコアラインを一気に”スタンプ”する方式が多かった。
それでは”彫刻”とスタンプでは何が違うのか?
スコアラインの溝はルールで厳格に幅や深さや間隔、そして断面積と溝のエッジの鋭さまでも決められている。このルール内ギリギリを攻めることが出来るスコアラインは鍛造方式でスタンプするよりも彫刻で1本1本丁寧に彫った方が有利だ。
さらに言えば彫ったスコアラインは”彫りたて”が一番有利でありこの上からメッキで覆ってしまうと溝の深さやエッジの鋭さに関しては顕微鏡レベルで丸くなってしまう…。メッキはそれ自体も結構”厚さ”があって重量にすれば3g~5gもあるからだ。
最近ではスコアライン間にレーザーで小さな溝を作る方式もルールの隙間をくぐって人気だ。話はそれたがノーメッキが人気な理由はメッキに邪魔されない彫りたてのエッジが効いたスコアラインによるスピン性能と言うことだろう…。
良く「ノーメッキヘッドの錆びが気になるのでメッキ処理が出来ないか?」
こんな相談を受ける。またその逆に…
「メッキウェッジをノーメッキに出来ないか?」
この相談も多い。
まず「メッキウェッジをノーメッキに出来ないか?」この質問は技術的に簡単だがクラフト的にはお勧めではない。先ほどをお伝えした通りメッキはその自重が3g~5gもある。これはバランスで言えば1.5ポイントから2.5ポイント分に相当するがこれだけヘッドが軽くなるとかなり支障が出るものだ。
次に「錆びが気になるが…」の相談。これも技術的に可能だが今度はヘッドが相当重くなる。
それに関連して少し前にこんなブログを書いた
そのヘッドが完成してきた。
このヘッドは銅下メッキを施してあったのでノーメッキにしただけで5番は4g、PWは5gもヘッドが軽量化出来た。
実はこのヘッドはエトワス早川氏のヘッド…そう私の友人だ。
それでは各ヘッドの重量を見てみよう。
【5番】
【6番】
【7番】
【8番】
【9番】
【PW】
”相当軽くなったね…”
番手によっては純正重量よりも-1g以下になっているものも…。そこで-1g以上になっているものを全部研磨して全番手ほぼ-1gに統一することにした。
【5番】
【6番】
【7番】
もうこれはテストにうってつけだ…。
ここで行わない手はない!と彼と相談してこれをDLCブラックサテンへのテストサンプルヘッドとして成膜処理することに!
DLCのコーティングはメッキとは比較にならないほど薄い!!つまり色が変化してもこのノーメッキの特徴を保つ唯一の仕上げと言っても過言ではない。
そして上手くいけば軽量化を達成しながら
”視認性が良く”
”錆びを防ぎ”
”傷を防ぎ”
”グリーンで止まる”
そんなアイアンに大変身するはずだ。
今回はさらに複数本同時施工なので各番手の成膜クオリティも同時に確認出来る。私としてもこれは是非見ておきたい実験だ。
もちろん彼もこのテストサンプルに快く同意!
「俺のクラブで是非テストしてやってくれ!」
そんな感じだ。
これでメッキへの成膜、ノーメッキへの成膜、複数処理への成膜と3種類の確認が出来る。
問題なく進むことを祈るばかりだ。
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