”傷に打ち勝て!”DLC開発【テスト製作・前編】
これまでに多くのアイアン、そしてパターの再メッキを行ってきた弊社。
その相談の中で…
「黒いメッキは出来ますか?」
「黒いメッキは剥げますか?」
これらの相談はセットの内容だった。
現在多くのウッドやアイアンに使用されている黒いヘッドのその99%はIPもしくはPVDと言われるメッキとは違うコーティング手法だ。そしてそのほとんどが中国製で国内で修正もしくは再コーティング出来るところはゴルフクラブの場合ほとんどない。
メルサも負けじと再メッキ分野で黒いメッキを去年から採用、さらに独自の効果を加えたブルーブラックソニックを開発して現在までに人気のメッキとなっている。
ゴルフクラブは時に過酷な条件にさらされる。ベアグランドはもちろんのこと砂地でのショットなどソールやフェースは常に多くの摩擦と戦っている状態だ。
「黒はカッコ良いんですが剥げると気になるんですよね…」
そんな多くの意見がある以上”黒いヘッド”を敬遠する方はまだまだ多い。しかしよくよく考えてみたら、ドライバーは黒いヘッド、FWもUTも黒いがアイアンだけがまだまだシルバーのままだ。
”これってなぜなんだろう…。鉄だから??”
仮にアイアンに黒い塗装をしてみたら…
そう、理由は簡単でやはり過酷な条件下では表面硬度の柔らかい”塗装”ではもたないからだろう。そこで塗装よりはマシなIPやPVDコーティングの登場となった訳だかIPやPVDコーティングでさえもソールを中心にこのようになるのはすでにご存じの通り。
もちろんこれがすべて悪い訳ではない。このような剥げ方を楽しむのもひとつだ。
ウェッジの黒いヘッドをお使いの方ならすでにお分かりだと思うが屋外での使用時は反射を防ぎアドレス時の集中を手助けする効果がある。そしてスコアラインの一番下に白いラインを引けばフェースが向いている方向も一目瞭然だ。
このように黒いヘッドはすでに一定の市民権を得ているヘッド色だ。
”だからこそ”黒いヘッドで剥げにくいものを提案したい!”
最前線に立っている者としてそして多くの再メッキを手掛けてきたメルサだからこそ”剥げにくい黒”は昔から悲願の技術でした。
”剥げにくい黒とは?”
その道の多くの識者に聞きそして調べるうちに”ある技術”を知った。
そうDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングだ。これは簡単に言えばダイヤモンド並みの表面硬度を持った最先端のナノレベルコーティング技術。
しかしこれを単独の後加工で行うにはコストと言う壁が立ちはだかり技術面でも処理温度でゴルフ用のクロムメッキを破損させる恐れもあることを知った…。
”やっぱりダメか…”
それから数年が経ち技術も進み”低温”で処理出来ることを知った私はある会社を紹介して頂き担当者と意気投合…。
”僕もゴルフやります!長屋さん!とにかくやってみましょう!”
と言うことでいくつかあるDLCコーティングの成膜技術の中からゴルフ用硬質クロムを破損させないであろう成膜技術を選択!
テストコーティング用として先週この三浦技研のMG-R01ウェッジを送り出すことにした!(※試打ヘッドなので傷があります)
そして早くも第一陣が戻ってきました!(早っ!!)
やった~素晴らしい出来だ…(涙)
【被膜の厚さ2μmタイプ】DLCブラックサテン仕上げ
弊社ではこれをDLCブラックサテン仕上げと命名。
【被膜の厚さ1μmタイプ】DLCオーロラサテン仕上げ
さらにこちらはDLCオーロラサテン仕上げと命名。
ではまずヘッド重量を計測してみよう!
凄い!!ほとんど純正の重量と変化がない。変化量0.2g程度で色が変化してるっ!
さらにゴルフクラブらしくシャフトを装着して刻印にも色入れしてみた!
”どうかな?”
(※試打ヘッドなので傷があります)
やはりスコアライン1本目を白色にすると向きが良く分かりますねぇ~。ブラックの色合いもドス黒い黒ではなくてどちらかと言えば薄く透き通った品のあるブラックだ。恐らくこれは下地のサテン仕上げが大きく影響していると思われる。
そして被膜の厚さを薄くすることで誕生したオーロラ色!
さて、今日はここまで…。
長編になりそうなので明日の【テスト製作後編】に続きます。
【PXG GEN6 0311XF 10.5度】AIRスピーダーブラック
【PXG GEN6 0311XF 5W】AIRスピーダーブラック
【PXG GEN6 0311XF 19度/22度/25度】AIRスピーダーブラック
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