A fan of the Dvorak layout

A fan of the Dvorak layout

タイピングの記録と、dvorak配列に関する話題。

Amebaでブログを始めよう!

この記事はタイパー Advent Calendar 22日目の記事です。

 

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司っていう英語タイパーがいるんだけど、この人、以前はタイピング小説をブログに投稿していたのに、あるときからめっきり書かなくなっちゃったんだよね。俗にいう黒歴史ってやつだと思うんだけど、黒歴史になっちゃうってことはつまり、作品に自信持ってなかった証拠なんですよ。ま、その小心野郎が書いた真っ黒な小説を、今日の講義ではやるわけなんですけども。うん、なに、金払って大学来てるのに素人の小説を読ませられる義理はないって。君ね、普段は後ろの席でずっと突っ伏してるのに、こんなときだけ主張したってそりゃ通りませんよ。いや僕だってこんな小説の解釈やりたくないの。だけど教授にやれって命令されたんじゃ非常勤の僕は逆らえないんだから。許してちょんまげ。えっ、どうしても読みたくないから帰るって。単位いらないの。行っちゃった。どうも文学部でよく本読んでる学生ほど素人の書いた小説に今みたいな拒絶反応示すみたいなんだよね。ふう、また前置きが長くなっちゃった。では出席取ります。三宅くん。欠席。井上さん。欠席。あれっ、ちょっと待って誰もいないじゃないの。教室間違えたかしら。オホン、えー、ではまず一作目の『タイピストの夢の装置』から。テキストの11ページを開いてください。もう皆さん読んできてくださっているかと思いますが、念のためあらすじを説明しておきますと、多忙の人気作家がですね、まずおりまして、これが執筆速度を上げるために脳波入力装置を買ってきます。この装置なんですが、頭に被って使うものでして、えー、いわゆる、そう、ヘルメットみたいなものです。そしてこの作家、ここで思いついた。閃いたんですね。降りてきたんです。何を閃いたかというと、夢を言語化できるのではないかということをです。つまり、これを被って夢を見るとですね、夢の内容がですね、そのままパソコンの画面に文字になって出てくるんじゃないかと。それで、夢が小説になるわけなので、これを出版しようというわけなのです。要するにSFというやつです。これを書いたひとの名前、えーと司といいましたか、この人、筒井康隆に傾倒しちゃっているんです。日本文学史というのは筒井康隆が産声を上げたところから始まって、筒井のデビュー直後の作品を古典文学、絶頂期を中世文学、断筆以降を近現代文学でもって理解して、筒井が死んだら文学も終わると思ってるの。それだから今も『文学部唯野教授』の文体を必死に真似しようとして書いてるんだけど、全然上手くいってないから面白いよね。ま、本人の読書遍歴についてはこの辺にしておいて、さっそく作品解釈のほうへ行きましょ。ところでこの作品のテーマって何だと思います。ハイ、記録速度の極限化です。よく出来ましたプラス100点。君はもう学期末のレポート出さなくてよろしい。それで記録速度なんだけど、タイピングって、要は書くことなんだよね。大昔の人は棒で粘土板に文字を書いていて、文明が発展するとこれが葦とパピルスになって、かたや中国では何千年も前から筆が存在していて、ヨーロッパでは15世紀に活版印刷が始まって、そのあとは鉛筆やら万年筆やらタイプライターやらが立て続けに登場します。ちなみにこれ欧米の話ね。日本語ってのはこの辺見てもらえば分かるとおり、文字の種類が多すぎてタイプライターとワープロの開発・普及は遅れ気味だったの。それでそのタイプライターがワープロになって、ワープロがキーボードになるわけ。今だったらここへ音声入力を付け加えてもいいと思うんだけど、おれ、音声入力嫌いなんだよね。だって公の場所でそういう言葉検索できないでしょ。何が言いたいかというと、キーボードは筆記具、タイピングは記録行為ってことなんです。情報を記録するためには、記録方法と、記録媒体が必要。記録方法のほうは、キーボードでタイピングするとか、鉛筆で書くとか、プリンターで刷るとか、そういったもの。記録媒体は、鉛筆とプリンターなら紙だし、キーボードなら、これはワープロソフトってことになるのかな。ハードディスクかもしれない。おれ文系だから、そこんとこよく分からないんだよね。ところで学生諸君の中にはタイパーやってる人もいて、そういう人は大抵タイプウェルやってると思うんだけど、タイプウェルでタイピングするのは記録行為になるのかなあ。練習履歴が残る点では記録行為かもしれないけど、実際にはほとんど複写行為ですよ。ま、筆記具の歴史はこの辺でおいといて、作品のほうに戻りましょ。それでテーマは何だっけ。そう、記録速度の極限化でした。ここで作者が言ってる記録速度ってのは人間の頭の中のものを言語化する速度のことで、印刷機で印刷する速度のことじゃないから注意ね。キーボードの登場によって、人間はずいぶん速く記録できるようになりました。えっ、速記があるだろって。でも速記ってどちらかというと複写に特化した記録方法って感じがするんだよね。いまの日本で、普段から速記で文章を書いている人がどれだけいるかって考えると、やっぱりほとんどがペンかキーボードで書いてるだろうし、これだっていつほかの記録方法に取って代わられるか分からない。ええっ、タブレット端末にタッチペンで書く場合はどうなる、だって。キリがないなあ。ま、いずれにせよこの作者は脳波入力によって記録速度にさらなる革命がもたらされると考えてるんですよ。SFにしては時代考証が甘すぎるし、ここまで言ってきたような筆記具の歴史が全然踏まえられていないあたりがやっぱり素人なんだなって感じ。一発ネタを文体で煮込んでやれば小説になると思ってるんでしょうね。で、その一発ネタっていうのが、脳波入力装置によって夢を言語化するってやつ。ここ、完全に筒井の『パプリカ』なんだけど、著作権大丈夫なのかなあ。言語化された夢を小説にするって考え方と、主人公の見る夢の内容がハード・ボイルドってとこからも筒井臭がするし、ここまでくるともう個人崇拝の域だと思うんだけど、それでいてこの人、筒井の小説全部読んでないんだよね。

 

 

 

 

< 筒井康隆とワープロ >

執筆環境にいち早くワープロを取り入れた作家といえば、安倍公房が有名ですけれども、筒井康隆もそのうちの一人なんです。

 

筒井は1989年に『残像に口紅を』という小説を発表しました。昨年だったか、忘れてしまいましたが、お笑い芸人のカズレーザーさんが紹介したことで売上が激増して話題になりましたので、もしかしたらタイトルをご存じの方もいるかもしれません。

 

この作品は、章が進むにつれて使える文字が少なくなっていくという、いわゆるリポグラム(文字落とし)の手法で書かれています。これは例えば、章が進んで「あ」が使えなくなると、「愛」という概念も小説世界から消えてしまい、登場人物たちは誰も愛せなくなります。同様に「つ」が消えると主人公の「妻」が消え、「む」が消えると「娘」も消えてしまいます。こんなふうにして、消えゆく世界の中で主人公が奔走するというのがストーリーの大筋ですが、『虚人たち』をはじめとした筒井のメタフィクション・前衛小説の系譜や、筒井の断筆騒動なども頭に入れて読むと、より楽しめると思います。

 

筒井はこの作品を書くにあたり、どの文字をすでに消してしまったのか、どの文字をいま使うことができるのか、を把握する必要がありました。ここで、紙にペンの執筆方法ではとても無理だと判断し、ワープロを導入します。筒井は消した文字に対応するワープロのキーに赤丸を貼ることで、どの文字を消してどの文字を消していないかを把握し、執筆していったそうです。ワープロというツールなくしては誕生しえなかった作品、とまで言っていますね。またこれらのことから、筒井が使用している配列は、ほぼ間違いなくJISかなでしょう。

 

また、筒井は『悪と異端者』というエッセイ集の「ワープロについて」という章で、ワープロと変換機能について書いています。ワープロの変換機能の性能の低さを嘆き、不条理な変換ミスにいちいちツッコミを入れていくという内容で、少なくとも僕は読んでいて面白かったですし、変換に詳しいタイパーが読めば抱腹絶倒かと思います。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

 

以上、「タイピングと小説と私」と題した、筒井小説の露骨な宣伝でした。

 

以前の最適化記事から約3年が経ちました。

 

M親指打ちを除けば運指はほぼ変化していないので、はたして書く意味があるのかどうか分かりませんが、タイパー Advent Calendar 2018というのが開催されていて、皆さん興味深い記事を書かれていますので、Dvorak配列の最適化が興味深いかどうかはともかくとして、記念碑的に執筆することにしました。

 

Dvorak配列表(Wiki)を別窓で開きながらお読みください。

 

 

 

< はじめに >

まず、僕がDvorakで最適化をするようになったきっかけですが……

 

Dvorak配列を始めてそこそこ打てるようになったころでしょうか、エフォートさんのHPにあるQuvotaさんの運指表に「自分は最適化を(ほとんど?)使用していない」と書かれていた記憶があります。

 

それを見て、だったら自分は「とことん最適化してやろう」と思い、現在までDvorak配列の最適化を開拓してきました。また、「最適化したほうが絶対速くなる」という根拠のない確信もありました。

 

Dvorakはキチンとした設計(?)に基づいて作られているのだから、最適化せず標準運指で打ったほうが速いのではないか?

 

という意見もあるかもしれませんが、少なくとも、習得が容易かつローリスクハイリターンな最適化(PI・PU・JEなど)については、導入することで確実に速くなると思っています。

 

 

 

< 運指表 >

司の運指表 - ユーザー | タイピングのキーボード配置ならみんなの運指表 unsi.nonip.net/user/495

 

タイピングを始める前は我流でしたが、本格的に練習するようになってからは標準に矯正しました。その後、Qwertyで国語Rを打ったり、Dvorakに変更したり、Typeracerやタイプウェル英単語なんかを打ったりするうちに、最適化を習得していきました。特徴としては、M右親と、V右小ぐらいでしょうか。

 

DvorakはQwertyに比べて運指の自由度が低いです。Dvorak配列使用者には、いわゆる我流運指は存在しないのではないかと思えるほどです。Dvorakの設計思想が「左手に母音を集約させる」「中段に打鍵頻度の高い文字を集める」「交互打鍵重視」なので、運指の自由度が低いのは当然といえば当然ですね。

 

最近は速度がほとんど伸びなくなってきて、もっと大胆な最適化や運指改造に手を出したいのですが、それらは現時点でほとんど開拓し尽しているので、あとは純粋な(交互)打鍵速度とワード慣れで伸ばしていくしかないな……というお話でした。

 

 

 

※最適化は 文字列[Dvorak配列における最適化後の運指番号1(左小)~0(右小)] で表記します。

  例: tajitaji[81358135]

 

※考えうる全ての最適化を記載しています。適宜読み飛ばしてください。

 

※最適化箇所の文字列を赤色で強調しています。

 

※最適化の恩恵でアルペジオ打鍵になる文字列をオレンジ色で強調しています。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 右手編>

右手の最適化をまとめています。ここでいう右手とは、標準運指の右手担当範囲内において行われる最適化、という区分です。両手にまたがるものは下の「両手編」で。

 

01:Mを右親で打つ

テキスト中に出現するほとんどのMを右親で打っています。例外は後ほど。この最適化を導入した理由は、Mに絡んだ特定の文字列(MB、MD、MF)が同指打鍵で、打ちづらいからです。

 

Dvorakは右手の使用頻度が高く、さらに上中下段をまんべんなく使用するので、ただでさえ窮屈な右手がさらに窮屈になった感じは否めません。少なくとも導入以前より遅くなったという感覚はないので、このまま使用していきます。

 

admit[17648]

  →M右親導入によってDMがアルペジオ打鍵に。

 

comfortable[82672981703]

  →M右親導入の最大の誘因となった単語。

 

02:MBを右中→右人で打つ

Qweでいうと「MN」を上記の運指で打つことになります。いま調べたら、基本英単語にautumnという単語がありますね。はたしてQweで導入している人はいるのでしょうか。

 

-ember[38739]

  →基本英単語にはDecember、September、Novemberが入っている。

 

number[948739]

  →頻出単語。これを攻略できるのは大きい。

 

member[638739] ※未導入

  →memberやrememberのようなmが連続する単語では、指の入れ替えが忙しくなるため使っていない。

 

03:DGを右人→右中で打つ

Qweでいうと「HU」の最適化。基本英単語ではjudge、bridge、knowledgeの三単語だけ。

 

judge[34783]

 

04:Vを右小で打つ

記憶にある限りでは、導入するのにもっとも苦労した最適化です。Qweだと「。」を小指で打つということになります。なぜこんな運指をする必要があるのかと言うと、頻出する「ver」への対応のためです。

 

「ver」は標準運指では939となって、指の移動量、手の形の破壊度ともに甚大……。これを039としてやることによって多少マシになります。このほか「grave」「servant」といったような「R→V」の単語もこの最適化で加速できます。

 

右小を右薬の下に「潜りこませる」ような運指になるので、制御が難しく、同時に小指への負担も大きかったため導入してしばらくは小指の痛みに悩まされましたが、いまではすっかり慣れてしまいました。

 

この最適化には「右薬・右小どちらで打ってもよい状況が発生してしまう」というデメリットがあります。例えばabove、fiveなどですね。標準では右薬ですが、右小で打ってもとくに問題はありません。しいていえば右小は使用頻度がそこそこ高い「LS」を担当しているので、「V→R」「R→V」以外の文字列ではなるべく使いたくないところです。「V→L、L→V」と続く文字列ではとくにそうですね。このジレンマを解消するにはワード慣れの練習をするしかありません。

 

every[30394]

  →超頻出単語。verが含まれる単語には他にもever、very、over、neverなど英文における出現頻度が高いものばかりで、習得できればかなりの加速に。

 

servant[0390198]

  →基本英単語にはこのほかにserviceとserveがある。

 

invent[490398]

  →応用編。そこそこ出てくるNVをこの最適化によってアルペジオ打鍵にしてしまおうという試み。運指が窮屈になるのでかなり難しく、基本ZFを出した現在に至っても未だに安定していない。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 左手編>

ここでは左手の最適化をまとめています。右手に比べて難易度が低いものが多いです。

 

05:PI、PU、PYを左中→左人で打つ

Dvorak配列のPは左手母音群の真上にあるので、標準ではP絡みの打鍵のほとんどが同指打鍵になっています。これを最適化します。おそらく、Dvorak配列における最適化の中でもっとも簡単かつ効果が高い最適化です。多分ほとんどの人が取り入れているのではないでしょうか。なお、これを導入した時点で「PI・PU・PY」をそれぞれ逆にした「IP・UP・YP」も最適化可能になり、こちらも効果が高いです。

 

pick[3484]|ship[0743

 

put[348]|up43

  →upの直後にピリオドが来た場合は、そのまま左薬でピリオドを打ってしまえば、432のアルペジオ打鍵で打てる。

 

happy[71334]|typing[843497]

 

06:UIを左中→左人で打つ

Dvorakの左手部分には母音がギッチリと敷き詰められていますが、連続する母音に関わる最適化はこれだけです。

 

build[73407]、quick[23484]

  →quiはQweでいう「XFG」を一気に押し込むので少し難しい。

 

aquarium[12419436]

  →iuが含まれる単語は希少だが、UIを習得していればこちらも問題ないはず。

 

07:Jを左人で打つ

基本英単語で該当するものはobjectとsubjectの二つだけ。あとはjetとかjealousとかその辺りでしょうか。

 

object[274388]

 

08:Eの直後のピリオドを左薬で打つ

これは主にtyperacerやe-typingなどの短文種目で効果を発揮します。Qweでいうところの「DE」の最適化を「左中→左薬」でおこなうのと同じ運指です。英語がそもそもEの出現頻度が高い言語だからでしょうか、Eの直後にピリオドが来る頻度もそれなりに高い気がします。

 

there.[873932

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 両手編>

ここでいう両手は、標準運指の右手担当範囲内に左手が侵入すること、あるいはその逆のことです。

 

09:Xを左人・右人の両方で打つ

英語におけるXは、こちらのページにある文字頻度表では下から4番目、出現頻度は0.23%と低いです。Dvorakでは、そんな文字がQweでいうところのBの位置にあります。なんでそんなところに置きやがったんだという糾弾はさておいて、Dvorak配列を始めてしまった以上はこれを打たなくてはなりません。Xはホームポジションの中央にあるから、これは左右両方の人差し指で打ってよいだろうし、そうしたほうが速くなりそうだな、と考えて最適化しました。

 

基本英単語には、Xの含まれる単語が計19個あります。このうち、左人でXを打ったほうが「好ましい」単語が7個、右人が12個です。

 

さて、その「好ましい」の基準ですが、単語ごとに試行錯誤しながら運指を決めていったので、当の本人も把握していません。そこで今回、この19個の運指を改めて調べてみることにしました。

 

右手パターンA(5個)

anxious[1974240]、except[378348]、 sixteen[0478339]、sixty、excuse

  →xの直前、あるいは直後の文字とくっつけて、右手のアルペジオで処理。

 

右手パターンB(10個)

example[3716403]、expect[374388]、exercise、experience、explain、express

mix[647]、taxi[8174]、six、sixth

  →左手のアルペジオ(ex、ix)で処理できるが、その後の左手の運指が崩れるためやむなく交互打鍵で処理。ixの最適化については後述。

 

左手パターンA(4個)

box[724]、next[9348]、fox、textbook

  →左手のアルペジオ(ox、ex)で綺麗に処理できる。左手の運指も崩れない。

 

以上の3パターンに分類できました。なるほど……自分の運指はこうなっていたんですね。これを見た限りでは、Xは右手で打っている割合の方が高く、左手で打つのはアルペジオ打鍵で処理できてなおかつその後の運指が崩れない場合のみといった感じでしょうか。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 未導入編>

思いついたけれど導入を見送った、あるいは現在練習中の最適化たち。今後使用するかどうかは未定。

 

00:Wを右親で打つ

M右親打ちの応用。Mの右にあるWまで右親で打ってしまおうという試み。two、twice、watchなどそこそこ頻度が高く「TW(WT)」の同指が打ちづらい単語を攻略できます。これはかなり効果が高そうなので近いうちに導入します。

 

00:BGを右人→右中で打つ

Qweでいうところの「NU」の最適化。基本英単語にはBGが含まれる単語は存在せず、bigやbagなど、母音を一つ挟む形になります。指の移動距離を軽減できますが、手の形が崩れるので使いどころが難しいです。固定短文なら採用する価値アリ。

 

big758

 

00:Fを左人で取る

QweでいうところのYを左人で取る最適化。comfortableの突破手段として導入しようとしたんですが、難易度の高さから挫折。Qweではこの最適化はとっくに習得済みなのに、それと同じ位置にあるはずのFがなぜか押せない。不思議。

 

father[418739]、fat、far、fall、farm

  →FAをアルペジオ打鍵で打てるようになるので少し速くなる……が、手の形を崩してまでこのFAをアルペジオ打鍵にする必要があるのかどうか。FOやFEは指が短くて届かないので論外。

 

00:Iを右人で取る

QweでいうところのGを右人で取る最適化。これは完全に「like」一点特化です。標準では

 

右小[L]  左人[I](同指)左人左中[KE](アルペジオ)

 

とまあクソワードとはいかないまでも小便くらいはあるだろうという単語ですが、これを

 

右小右人[LI](アルペジオ)  左人左中[KE](アルペジオ)

 

こうしてしまいます。神ワードですね。

 

ただし右手の指を大きく開く必要があり、僕みたいな手のひら小さい勢には辛いものがあります。さらに、左右の人差し指の間隔が一瞬ではありますが1キーまで狭まるので、接触事故の可能性もあります。

 

タイプウェル英単語には「IKE」の文字列を含む単語がおそらく数単語しかないので効果は薄いですが、エタイやTyperacerだとlikeは頻出するイメージがあり、そちらではある程度の効果が見込めそうです。

 

これも「TWの同指に限ってWを右親で打つ」と合わせて近いうちに導入します。

 

00:CTを右中→右人で打つ

Qweでいうところの「KI」の最適化の逆バージョンです。「CT」を含んでいる英単語は、基本英単語だけを見ても22個(そんなにあったのか)もあるので、これを習得できれば大幅な加速が見込めそうです。ただ、「右人を一つ右側に寄せる」という動きが最適化によって得られる加速以上の減速を孕んでいそうなので、これについてはよく検証してから導入したいと思ってます。

 

action[187529]

  →最適化にともなう減速がなさそうな単語の例。expect、subject、pictureなど、CTに右手子音が絡んでこない単語は恩恵がありそう。

 

fact[7187

  →減速がある単語の例。Qweでいう「I→K」の同指がなくなるかわりに「Y→K」の長距離同指が発生してしまう。CTの周辺に右手子音(F)があるのが原因。

 

00:IXを左中→左人で打つ

Xの最適化のところで紹介したsix、sixthなどに効果抜群な最適化です。Qweでいうと「GB」を上記運指で打つことになります。これは少し試してみたのですが、思った以上に手の形が崩れてしまったので、導入を見送りました。やはり、使用頻度が一番高いEを担当している左中では、あまり無茶な最適化はしないほうがよさそうです。

 

 

 

< おわりに >

ここまで、僕がDvorak配列で導入している最適化を見てきました。20個くらいあるかなと思っていましたが、数えてみればたった十数個でしたね。運指表のところで述べたように、Dvorakは運指の自由度が低いのです。

 

この記事を最後まで読んで、まさかDvorak配列を始めてみたくなった人はいないかと思いますが、Dvorak配列は超高速域においてはQwerty配列に劣っている可能性が高いです。配列変更の手間や、ショートカットキーが変更されてしまうといったデメリットも見過ごせません。300kpm前後の打鍵速度で使用する場合や、基本英単語でZJが出せればそれでいいといった使い方なら、あるいは優れているのかもしれませんが、もしあなたが英語タイピング速度をどこまでも際限なく伸ばしたいと思っているなら、残念ですがDvorak配列はオススメできません。最新の効率的な英語配列なり、速記タイプなりを使いましょう。

主にTwitterを拠点としてタイピング活動を続けているタイパーの一人、寿司@Dvorak(以下、寿司)という人物の言動が、今年の4月を境に非常に不安定になってきているという報告を受け、今回我々はその原因を突き止めるべく調査に赴いた。

 

 

寿司は2015年の6月末に競技タイピングを開始した。ほどなくして母語である日本語を投げ捨て英語タイパーへと転向し、配列をQwertyからDvorakに変更した。それからは四六時中タイピングに明け暮れ、1年2か月後の2016年9月にはタイプウェル英単語で総合ZGを達成するなど、それなりの伸びを見せていたが、2017年に入ってからは目立った活躍もなく、記録も伸び悩み、参加すると意気込んでいたinterstenoオンライン大会も欠場し、かねてからの趣味であった読書に没頭していった。

 

 

寿司の競技本能を再び呼び起こしたのは、競技は競技でもプログラミングであった。AtCoderのA問題を解くうちにプログラミングの虜になり、それからは四六時中プログラミングに明け暮れ、2018年3月にはAtCoderのRatingで緑を獲得するなど、それなりの伸びを見せていたが、4月に入ってからその言動が突如として支離滅裂になり、4月13日のツイートの後、失踪した。

 

 

この失踪の理由について、寿司本人は後のインタビューで「就職活動が忙しく、とてもタイピングやプログラミングにまで手が回らなかった」と話している。しかし調査結果によると、寿司の就活でのエントリー数は大したものではなく、むしろ昨年よりも自由に使える時間が多かったのではないか、我々がそう訊ねると、寿司は「タイピストとしてタイプライターを打鍵する仕事がなかなか見つからなかったので、想定していたより時間がかかってしまった」と答えた。

 

 

寿司がTwitterに再び姿を現したのは1か月後の5月9日である。その後しばらくはタイピングとプログラミング関連のごく普通のツイートをつぶやいており、正気を取り戻したかのように見えたが、6月10日のABCコンテストのブログ記事投稿を境にして、またも意味不明な言動が目立つようになり始め、しだいにツイートの間隔が広がっていくと、7月4日のツイートの後、失踪した。

 

 

その後は8月1日、9月11日、11月1日と、1~2か月に1度という、極めて低い頻度での投稿が続いていたが、11月20日のツイートを皮切りにそれまでの投稿頻度を取り戻し、現在に至っている。

 

 

実に4か月以上にもおよぶ第二の失踪期間について、寿司は「何事もなく順調に就職活動を終えることができたので、4月から始まる新生活に向けて自分磨きをしていた」などと供述しているが、実際には寿司の就活は満身創痍だったようで、完全に精神を摩耗しきってしまい、その回復のために四六時中読書に耽っていたことが、後の調査から明らかになっている。

 

 

今後について、寿司は「近いうちに競技プログラミングを、それなりに温かくなってきたらタイピングを再開したい」と述べているが、その真偽は不明である。