Dvorak配列で最適化 最新版 | A fan of the Dvorak layout

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タイピングの記録と、dvorak配列に関する話題。

以前の最適化記事から約3年が経ちました。

 

M親指打ちを除けば運指はほぼ変化していないので、はたして書く意味があるのかどうか分かりませんが、タイパー Advent Calendar 2018というのが開催されていて、皆さん興味深い記事を書かれていますので、Dvorak配列の最適化が興味深いかどうかはともかくとして、記念碑的に執筆することにしました。

 

Dvorak配列表(Wiki)を別窓で開きながらお読みください。

 

 

 

< はじめに >

まず、僕がDvorakで最適化をするようになったきっかけですが……

 

Dvorak配列を始めてそこそこ打てるようになったころでしょうか、エフォートさんのHPにあるQuvotaさんの運指表に「自分は最適化を(ほとんど?)使用していない」と書かれていた記憶があります。

 

それを見て、だったら自分は「とことん最適化してやろう」と思い、現在までDvorak配列の最適化を開拓してきました。また、「最適化したほうが絶対速くなる」という根拠のない確信もありました。

 

Dvorakはキチンとした設計(?)に基づいて作られているのだから、最適化せず標準運指で打ったほうが速いのではないか?

 

という意見もあるかもしれませんが、少なくとも、習得が容易かつローリスクハイリターンな最適化(PI・PU・JEなど)については、導入することで確実に速くなると思っています。

 

 

 

< 運指表 >

司の運指表 - ユーザー | タイピングのキーボード配置ならみんなの運指表 unsi.nonip.net/user/495

 

タイピングを始める前は我流でしたが、本格的に練習するようになってからは標準に矯正しました。その後、Qwertyで国語Rを打ったり、Dvorakに変更したり、Typeracerやタイプウェル英単語なんかを打ったりするうちに、最適化を習得していきました。特徴としては、M右親と、V右小ぐらいでしょうか。

 

DvorakはQwertyに比べて運指の自由度が低いです。Dvorak配列使用者には、いわゆる我流運指は存在しないのではないかと思えるほどです。Dvorakの設計思想が「左手に母音を集約させる」「中段に打鍵頻度の高い文字を集める」「交互打鍵重視」なので、運指の自由度が低いのは当然といえば当然ですね。

 

最近は速度がほとんど伸びなくなってきて、もっと大胆な最適化や運指改造に手を出したいのですが、それらは現時点でほとんど開拓し尽しているので、あとは純粋な(交互)打鍵速度とワード慣れで伸ばしていくしかないな……というお話でした。

 

 

 

※最適化は 文字列[Dvorak配列における最適化後の運指番号1(左小)~0(右小)] で表記します。

  例: tajitaji[81358135]

 

※考えうる全ての最適化を記載しています。適宜読み飛ばしてください。

 

※最適化箇所の文字列を赤色で強調しています。

 

※最適化の恩恵でアルペジオ打鍵になる文字列をオレンジ色で強調しています。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 右手編>

右手の最適化をまとめています。ここでいう右手とは、標準運指の右手担当範囲内において行われる最適化、という区分です。両手にまたがるものは下の「両手編」で。

 

01:Mを右親で打つ

テキスト中に出現するほとんどのMを右親で打っています。例外は後ほど。この最適化を導入した理由は、Mに絡んだ特定の文字列(MB、MD、MF)が同指打鍵で、打ちづらいからです。

 

Dvorakは右手の使用頻度が高く、さらに上中下段をまんべんなく使用するので、ただでさえ窮屈な右手がさらに窮屈になった感じは否めません。少なくとも導入以前より遅くなったという感覚はないので、このまま使用していきます。

 

admit[17648]

  →M右親導入によってDMがアルペジオ打鍵に。

 

comfortable[82672981703]

  →M右親導入の最大の誘因となった単語。

 

02:MBを右中→右人で打つ

Qweでいうと「MN」を上記の運指で打つことになります。いま調べたら、基本英単語にautumnという単語がありますね。はたしてQweで導入している人はいるのでしょうか。

 

-ember[38739]

  →基本英単語にはDecember、September、Novemberが入っている。

 

number[948739]

  →頻出単語。これを攻略できるのは大きい。

 

member[638739] ※未導入

  →memberやrememberのようなmが連続する単語では、指の入れ替えが忙しくなるため使っていない。

 

03:DGを右人→右中で打つ

Qweでいうと「HU」の最適化。基本英単語ではjudge、bridge、knowledgeの三単語だけ。

 

judge[34783]

 

04:Vを右小で打つ

記憶にある限りでは、導入するのにもっとも苦労した最適化です。Qweだと「。」を小指で打つということになります。なぜこんな運指をする必要があるのかと言うと、頻出する「ver」への対応のためです。

 

「ver」は標準運指では939となって、指の移動量、手の形の破壊度ともに甚大……。これを039としてやることによって多少マシになります。このほか「grave」「servant」といったような「R→V」の単語もこの最適化で加速できます。

 

右小を右薬の下に「潜りこませる」ような運指になるので、制御が難しく、同時に小指への負担も大きかったため導入してしばらくは小指の痛みに悩まされましたが、いまではすっかり慣れてしまいました。

 

この最適化には「右薬・右小どちらで打ってもよい状況が発生してしまう」というデメリットがあります。例えばabove、fiveなどですね。標準では右薬ですが、右小で打ってもとくに問題はありません。しいていえば右小は使用頻度がそこそこ高い「LS」を担当しているので、「V→R」「R→V」以外の文字列ではなるべく使いたくないところです。「V→L、L→V」と続く文字列ではとくにそうですね。このジレンマを解消するにはワード慣れの練習をするしかありません。

 

every[30394]

  →超頻出単語。verが含まれる単語には他にもever、very、over、neverなど英文における出現頻度が高いものばかりで、習得できればかなりの加速に。

 

servant[0390198]

  →基本英単語にはこのほかにserviceとserveがある。

 

invent[490398]

  →応用編。そこそこ出てくるNVをこの最適化によってアルペジオ打鍵にしてしまおうという試み。運指が窮屈になるのでかなり難しく、基本ZFを出した現在に至っても未だに安定していない。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 左手編>

ここでは左手の最適化をまとめています。右手に比べて難易度が低いものが多いです。

 

05:PI、PU、PYを左中→左人で打つ

Dvorak配列のPは左手母音群の真上にあるので、標準ではP絡みの打鍵のほとんどが同指打鍵になっています。これを最適化します。おそらく、Dvorak配列における最適化の中でもっとも簡単かつ効果が高い最適化です。多分ほとんどの人が取り入れているのではないでしょうか。なお、これを導入した時点で「PI・PU・PY」をそれぞれ逆にした「IP・UP・YP」も最適化可能になり、こちらも効果が高いです。

 

pick[3484]|ship[0743

 

put[348]|up43

  →upの直後にピリオドが来た場合は、そのまま左薬でピリオドを打ってしまえば、432のアルペジオ打鍵で打てる。

 

happy[71334]|typing[843497]

 

06:UIを左中→左人で打つ

Dvorakの左手部分には母音がギッチリと敷き詰められていますが、連続する母音に関わる最適化はこれだけです。

 

build[73407]、quick[23484]

  →quiはQweでいう「XFG」を一気に押し込むので少し難しい。

 

aquarium[12419436]

  →iuが含まれる単語は希少だが、UIを習得していればこちらも問題ないはず。

 

07:Jを左人で打つ

基本英単語で該当するものはobjectとsubjectの二つだけ。あとはjetとかjealousとかその辺りでしょうか。

 

object[274388]

 

08:Eの直後のピリオドを左薬で打つ

これは主にtyperacerやe-typingなどの短文種目で効果を発揮します。Qweでいうところの「DE」の最適化を「左中→左薬」でおこなうのと同じ運指です。英語がそもそもEの出現頻度が高い言語だからでしょうか、Eの直後にピリオドが来る頻度もそれなりに高い気がします。

 

there.[873932

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 両手編>

ここでいう両手は、標準運指の右手担当範囲内に左手が侵入すること、あるいはその逆のことです。

 

09:Xを左人・右人の両方で打つ

英語におけるXは、こちらのページにある文字頻度表では下から4番目、出現頻度は0.23%と低いです。Dvorakでは、そんな文字がQweでいうところのBの位置にあります。なんでそんなところに置きやがったんだという糾弾はさておいて、Dvorak配列を始めてしまった以上はこれを打たなくてはなりません。Xはホームポジションの中央にあるから、これは左右両方の人差し指で打ってよいだろうし、そうしたほうが速くなりそうだな、と考えて最適化しました。

 

基本英単語には、Xの含まれる単語が計19個あります。このうち、左人でXを打ったほうが「好ましい」単語が7個、右人が12個です。

 

さて、その「好ましい」の基準ですが、単語ごとに試行錯誤しながら運指を決めていったので、当の本人も把握していません。そこで今回、この19個の運指を改めて調べてみることにしました。

 

右手パターンA(5個)

anxious[1974240]、except[378348]、 sixteen[0478339]、sixty、excuse

  →xの直前、あるいは直後の文字とくっつけて、右手のアルペジオで処理。

 

右手パターンB(10個)

example[3716403]、expect[374388]、exercise、experience、explain、express

mix[647]、taxi[8174]、six、sixth

  →左手のアルペジオ(ex、ix)で処理できるが、その後の左手の運指が崩れるためやむなく交互打鍵で処理。ixの最適化については後述。

 

左手パターンA(4個)

box[724]、next[9348]、fox、textbook

  →左手のアルペジオ(ox、ex)で綺麗に処理できる。左手の運指も崩れない。

 

以上の3パターンに分類できました。なるほど……自分の運指はこうなっていたんですね。これを見た限りでは、Xは右手で打っている割合の方が高く、左手で打つのはアルペジオ打鍵で処理できてなおかつその後の運指が崩れない場合のみといった感じでしょうか。

 

 

 

<Dvorak配列で最適化 未導入編>

思いついたけれど導入を見送った、あるいは現在練習中の最適化たち。今後使用するかどうかは未定。

 

00:Wを右親で打つ

M右親打ちの応用。Mの右にあるWまで右親で打ってしまおうという試み。two、twice、watchなどそこそこ頻度が高く「TW(WT)」の同指が打ちづらい単語を攻略できます。これはかなり効果が高そうなので近いうちに導入します。

 

00:BGを右人→右中で打つ

Qweでいうところの「NU」の最適化。基本英単語にはBGが含まれる単語は存在せず、bigやbagなど、母音を一つ挟む形になります。指の移動距離を軽減できますが、手の形が崩れるので使いどころが難しいです。固定短文なら採用する価値アリ。

 

big758

 

00:Fを左人で取る

QweでいうところのYを左人で取る最適化。comfortableの突破手段として導入しようとしたんですが、難易度の高さから挫折。Qweではこの最適化はとっくに習得済みなのに、それと同じ位置にあるはずのFがなぜか押せない。不思議。

 

father[418739]、fat、far、fall、farm

  →FAをアルペジオ打鍵で打てるようになるので少し速くなる……が、手の形を崩してまでこのFAをアルペジオ打鍵にする必要があるのかどうか。FOやFEは指が短くて届かないので論外。

 

00:Iを右人で取る

QweでいうところのGを右人で取る最適化。これは完全に「like」一点特化です。標準では

 

右小[L]  左人[I](同指)左人左中[KE](アルペジオ)

 

とまあクソワードとはいかないまでも小便くらいはあるだろうという単語ですが、これを

 

右小右人[LI](アルペジオ)  左人左中[KE](アルペジオ)

 

こうしてしまいます。神ワードですね。

 

ただし右手の指を大きく開く必要があり、僕みたいな手のひら小さい勢には辛いものがあります。さらに、左右の人差し指の間隔が一瞬ではありますが1キーまで狭まるので、接触事故の可能性もあります。

 

タイプウェル英単語には「IKE」の文字列を含む単語がおそらく数単語しかないので効果は薄いですが、エタイやTyperacerだとlikeは頻出するイメージがあり、そちらではある程度の効果が見込めそうです。

 

これも「TWの同指に限ってWを右親で打つ」と合わせて近いうちに導入します。

 

00:CTを右中→右人で打つ

Qweでいうところの「KI」の最適化の逆バージョンです。「CT」を含んでいる英単語は、基本英単語だけを見ても22個(そんなにあったのか)もあるので、これを習得できれば大幅な加速が見込めそうです。ただ、「右人を一つ右側に寄せる」という動きが最適化によって得られる加速以上の減速を孕んでいそうなので、これについてはよく検証してから導入したいと思ってます。

 

action[187529]

  →最適化にともなう減速がなさそうな単語の例。expect、subject、pictureなど、CTに右手子音が絡んでこない単語は恩恵がありそう。

 

fact[7187

  →減速がある単語の例。Qweでいう「I→K」の同指がなくなるかわりに「Y→K」の長距離同指が発生してしまう。CTの周辺に右手子音(F)があるのが原因。

 

00:IXを左中→左人で打つ

Xの最適化のところで紹介したsix、sixthなどに効果抜群な最適化です。Qweでいうと「GB」を上記運指で打つことになります。これは少し試してみたのですが、思った以上に手の形が崩れてしまったので、導入を見送りました。やはり、使用頻度が一番高いEを担当している左中では、あまり無茶な最適化はしないほうがよさそうです。

 

 

 

< おわりに >

ここまで、僕がDvorak配列で導入している最適化を見てきました。20個くらいあるかなと思っていましたが、数えてみればたった十数個でしたね。運指表のところで述べたように、Dvorakは運指の自由度が低いのです。

 

この記事を最後まで読んで、まさかDvorak配列を始めてみたくなった人はいないかと思いますが、Dvorak配列は超高速域においてはQwerty配列に劣っている可能性が高いです。配列変更の手間や、ショートカットキーが変更されてしまうといったデメリットも見過ごせません。300kpm前後の打鍵速度で使用する場合や、基本英単語でZJが出せればそれでいいといった使い方なら、あるいは優れているのかもしれませんが、もしあなたが英語タイピング速度をどこまでも際限なく伸ばしたいと思っているなら、残念ですがDvorak配列はオススメできません。最新の効率的な英語配列なり、速記タイプなりを使いましょう。