2023/3/15-21の1週間、池部楽器のコンセプト店舗イケシブとRAYの共同企画「アイドル楽曲クリエイターの足元」が開催された。アイドル楽曲クリエイターの足元=エフェクターボードにフォーカスしつつ、アイドル楽曲制作の妙と機材の有機的関係を探る的なイベントで、エフェクターボードの展示、4回のトークイベントを中心に濃密な1週間を過ごした。キックオフ、クローズイベントではRAYの無料ライブも行った。

 

 

イケシブは「脱楽器店」をコンセプトとした池部楽器の新時代旗艦店で、ただ楽器を置くだけでなく、これまで楽器店と馴染みの薄かった異分野とコラボしつつ、ボーダレスな情報発信、新しい客層へのリーチを目指している。これまでの楽器店ではまず存在しなかった店舗内イベントスペースや配信スペースを中心に、楽器×?????なエンターテイメント展開をしている楽器店といえる。

 

一方でRAYはアイドル×?????の異分野融合をコンセプトの一つとしているアイドルグループで、これは楽曲レベルではもちろん、活動スタイルレベルでも積極的にライブアイドルシーンに閉じない動きを画策していく思いが込められている。

 

これまでアイドルに馴染みのなかった楽器店ユーザーにRAYを知ってもらいたい、逆に、これまで楽器店に馴染みのなかったアイドルファンに楽器店に足を運んでもらいたい、そうした双方の思いが重なり実現した企画だった。

 

 

 

画像の通り、相当に気合を入れてイケシブ側が挑んでくれたことが一目してわかる。ただ機材展示するだけでなく楽器を持ったメンバーパネルの展示でRAYとコラボする意味も持たせてくれた。エフェクターボードの展示はよく分からなくても何か楽しい、とはいうものの、やっぱりよく分からないものなのでそれを補填する企画が4回のトークイベントだったとも言える。

 

トークイベントについては楽器に詳しい人にも詳しくない人にも楽しめるような粒度の内容にする必要があると、当初からイケシブとは話していた。コントロールが難しい話題、かつ司会として適任と思う外部の人も思いつかないので、自分が引き受けた。エフェクターボードにはその人の人柄や音楽観が宿ると思っていて、音楽遍歴、音楽観などから少し遠回りしつつエフェクターボードの解説、実演へ繋げ、誰にでも、少しでも面白いと思ってもらえるような台本を整えた。全く得意な役回りではないので至らない点も多々あったものの、登壇者が皆魅力ある話題を展開してくださったこともあり、音楽機材への抵抗感、ハードルを下げるトークをできていたのでは、できていればいいなと思っている。どの登壇者からも「音楽は自由」というマインドを受け取れたことも良かった、音楽や楽器の演奏は、肩肘はらず、自由にやっていいものだ。

 

一連の企画はRAYメンバーも積極的に関わった。キックオフ/クローズイベントでの無料ライブ、トークイベントへの登壇、トークイベント後のレジ打ちイベントなど。RAYとコラボする意味を持たせたかったのはもちろん、RAYメンバーの参加が楽器店や楽器とのハードルを下げるきっかけになればいいなという思い、RAYメンバーもエフェクターはじめ楽器に明るいわけではないので一線のクリエイターと会話する中で彼女たちにとっても楽器や機材が身近になる経験になればいいといった思いからきている。

 

 

 

双方手探りでとても大変なイベントではあったが、総体として双方にプラスの結果が得られたと思う。僕はライブアイドルはいわゆるアイドル界隈に閉じない動きをどれだけ作れるかが今後成長や生き残りのキモになると思っている。アイドルカルチャーに敬意や思い入れがあるからこそカルチャーを大事にしたいが、それを守るためには、違った動きをしていかないといけないと思っている。アイドルグループの成長の形、青写真、方法論を僕は知らない、武道館の次を誰も描けていない、その先の轍を切り開いて行きたく、今回のイケシブ企画は、RAYとRAYメンバーにとって大きな経験値を積めたと思っている。

 

アイドル楽曲クリエイターは、自分のオリジナルワークス(バンド)を名刺がわりに持ちながら、それを生み出す能力値で別の仕事を生み出しているが、アイドルにもそういうやり方が定着してもいいのではとも思った。例えばRAYであれば、もちろんRAYとしてのグループ活動に注力しつつ、「RAYとコラボすることでこんな企画ができます」という能力値で仕事を取ってくるような。アイドルと企業のコラボというと「アイドル」という肩書きやブランド力を貸すだけの形が普通だが、そうではなくもっと有機的、生産的、クリエイティブなコラボのイメージ。そんな新しい方法論も切り開いて行きたい。

 

RAYとのコラボで御社に刺激的な企画をご提供します。仕事の依頼お待ちしています。

 

最後に、企画に関わってくださった全てのイケシブのスタッフさん、皆様の熱意、誠意、実行力の全てに感謝いたします。