「星の言葉のひとかけら」マルデク編 グリーンスリーブス幻想曲~ウィルへルム卿と王女ヘレナ | 銀河の渚 Dreamscape

銀河の渚 Dreamscape

地上に舞い降りた天使 
かすかに聞こえる羽音
羽が風に舞うその瞬間
Dreamskape 
プロローグ

(写真:ルパート・エベレット~イメージ 大学校で魔術学を教える ウィルヘルム卿)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウィルヘルム卿は

その青年が

医官ジャドと一緒に

この星へ姿を現した時から

ずっと注目していた。

 

 

時々、ふたりが

人目を避けて

会っていることも

知っていた。

 

 

そしてヘレナは、

昨夜、舞踏会で出会った

ユリウスの友、

テセウスのことが、

とても気にかかっていた。

 

 

ユリウス以外の若者に

心惹かれたのは

これが初めてだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真:EXO カイ~イメージ ユリウスの学友テセウス)

 

 

 

 

 

 

そして王女ヘレナと

黒魔術の出会いは、

些細なことから始まった。

 

 

いつもつれない

ユリウスの心を、

ただ単に

つかみたかったのだ。

 

 

噂で、愛が成就する

魔法があると聞いて、

魔法を習いたいと

思ったのだ。

 

 

それである日、

父である王に言った。

 

「白魔術は無害で、

とても有益なものだと

聞いています。

私に魔術を

勉強させてください」

 

 

そして選ばれた特別講師が、

大学校で魔術を教えていた

ウィルヘルム卿だった。

 

 

最初に会ったとき、

ウィルヘルム卿は

王女の顔を見るなり

言った。

 

 

「何か、お悩みが

あるのですね。

お顔に書いてあります。

 

どんなお悩みなのか、

当てましょうか?」

と、ウィルヘルム卿は

王女ヘレナに言った。

 

「恋の悩み・・・、

違いますか?」

 

 

王女は驚いたのだが、

もっと驚いたのは

その後だった。

 

 

「王女さま、

一日遅れましたが、

私からのささやかな

誕生日祝いの

プレゼントです。

お受け取りください」

と言って、

ウィルヘルム卿は

王女ヘレナに、

淡いピンクの輝きを放つ

ダイヤモンドの

指輪を贈った。

 

 

王女は一目で

その指輪が気に入った。

 

「これはもしかして、

ピンクダイヤモンドの

魔法の指輪か?」

 

 

「そうです」

 

 

「王女さまの恋が、

完全無欠の

“永遠の愛”となるように、

私が特別な魔法を

かけておきました」

 

 

「それは、

どういうことだ?」

 

 

「王女さまの愛は、

“永遠の愛”ゆえ、

王女さま以外の愛を

選ぼうとすれば、

その方は運命から

必ず報復を受けます」

 

ウィルヘルムは

にこやかな笑みを浮かべ、

なおも続けた。

 

「この指輪を

身につけていれば、

王女さまの愛する方は、

他のかたと結ばれることは、

決してありません。

王女さまへの裏切りは、

命でしか

償えないからです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真:ヘレナ・ボナム・カーターとケアリーエルウェス~イメージ 王女ヘレナと明けの明星ユリウス)

 

 

 

 

 

 

 

 

★日本ブログ村ランキングに参加しています。

記事を書くとき、とても励みになりますので

ポチッとクリック、よろしくお願い致します。

   ↓   ↓   ↓

にほんブログ村 小説ブログ SF小説へ
にほんブログ村
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イベントバナー

 

 

 

イベントバナー