ミステリー小説「シャーマンの末裔」第7章 ハングリー・スパイダー 第3話 管理人レイの過去 | 銀河の渚 Dreamscape

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地上に舞い降りた天使 
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プロローグ

 

義兄弟

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帝王が持つ、

孤島の別荘の管理人レイは

数年前から帝王が社長を務める

大手芸能事務所の

かつては練習生だった。

 

 

18才で田舎から

大学進学のため

大都会へ出てきた青年は、

街中でスカウトされ、

オーディションを受け

練習生となった。

 

 

彼はまれに見る美青年で

背が高かったから、

事務所はモデルとして

売り出そうとした。

 

 

彼は最初に受けた

ファッションショーのモデルの

オーディションで、

その当時、ファッション界のドンと

呼ばれていた、

ある有名デザイナーの目にとまり、

大抜擢されたのだが、

それが彼の不幸の始まりだった。

 

 

彼はその当時、

練習生になったばかりで、

ショーのウォーキングさえ

まだ身につけていなかった。

 

 

彼はランウェイをただ歩けば

それで良いと思っていたのだが、

そうではなかったから、

ショーを壊したとして、

先輩モデルたちは彼に辛く当たり、

バカにした。

 

 

しかし大御所は、

彼を気にいり、それからも

小さな仕事をくれたのだった。

 

 

そしてある大きなオーディションの

オファーが舞い込んだ。

 

 

大御所デザイナーが立ち上げる

若者向けの新ブランドの

専属モデルの仕事だった。

 

 

最後に残った候補者は、

彼と有名アイドルの少年だった。

 

 

大御所は実はゲイで、

それをカミングアウトしていた。

そして最後のオーディションは、

まだ正式なデビューもしていない

無名の青年にとって、

その大御所の愛を

受け入れるかどうかの

選択に等しかった。

 

 

田舎出身で、

厳格な家庭に育った彼は、

大御所の愛を

受け入れるという選択肢は

初めから無かった。

 

 

そして大御所の愛を拒むということは、

どういう結果をもたらすのかを、

その頃の彼は、

全く理解していなかった。

 

 

その結果、彼は

出発の時点で、

成功とは無縁の道を

進むことになったのだった。

 

 

事務所の社長である帝王は、

完璧主義者で、

別荘の管理人さえも

美しい別荘を飾る

調度品のように考えていた。

 

 

かつて練習生だったころのレイを、

帝王は知っていたし、

その才能も認めていた。

しかし帝王の寵愛をうけるには、

レイは身長が高すぎた。

 

 

帝王は長身だったのだが、

レイは帝王よりも

身長が高かった。

 

 

しかし別荘を飾る調度品としては、

最高の存在だった。

 

 

この島へ送り込んだ

帝王の罪人たちは、

この島で最後の審判を

受けることになるのだが、

帝王が罪人に用意した

最後の関門で、最大の罠は

実は管理人レイなのだった。

 

 

優しく、

何でも云うことを聞いてくれる、

絶世の美青年レイに、

帝王のお気に入りたちは

離島に捕らわれている孤独と

絶望感に耐えきれず、

救いを求め、例外なく

恋に落ち、最後の罪を

犯してしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

哀しい目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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