創作ファンタジー ミステリー小説「聖なる者」第1章 王女ルナの恋 第25話 | 銀河の渚 Dreamscape

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地上に舞い降りた天使 
かすかに聞こえる羽音
羽が風に舞うその瞬間
Dreamskape 
プロローグ

 

 

(写真:ガオ・タイユー ~大尉イメージ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リールイは、

この堅牢な軍事施設と、

秘密の研究所を

ずっと護り続けてきた大尉を

甘く見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それほどの学歴もなく、

それほどの野心もない人物だから、

長年ここにくすぶっていられる、

と、思っていた。

 

 

実はその逆だった。

大尉は学歴も、それなりの教養もある

軍人としては珍しい人物だった。

望めば、この施設勤務を足がかりに、

いくらでもエリートコースを

歩めたのだが、彼は望んで

ここに残っていた。

 

 

両親と引き離され、

たったひとりでこの施設へ

送られてきた少年は、

まだ6才だった。

 

 

目に涙をため、

必死に泣くのを

こらえている姿は、

やはり見ていて

心が痛んだ。

 

 

重罪人だというが、

どこが重罪人なのだろう・・・?

と大尉でも思った。

 

 

しかし月日が経つにつれ、

だんだん考えが

変わっていった。

 

 

ある時、不意に

この子は、毒だと

思うようになったのだった。

 

 

この子は、

存在そのものが

毒だと思った。

 

 

少年は、驚くほど

不思議な美しさに

満ちていて、

見ているだけで

引きつけられる

何かがあった。

 

 

マルクスは、

「宗教は民衆のアヘンだ」

と云ったのだが、

まさしく少年は

アヘンそのものだった。

 

 

それは女性に感じる欲望とは、

また違うのものなのだが、

少年はいつの間にか心に侵入し、

渇きにも似た感情を

心にもたらしていた。

 

 

大尉はいつしか、

この少年から

離れられなくなっていた。

 

 

この少年には、

誰も触れさせたくない、

と云うのが本心だった。

 

 

だから治療で

少年に平気で触れる主治医は

大嫌いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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