☆派遣戦隊 チケレンジャー☆ -2ページ目

act3 North Areaとクレーマーズ(前)

チケレンジャー候補生クリアとしてNorth Areaで研修を桃花さんと菜花さんから受け、少しずつ仕事を覚えて来たある日。そいつらは現れた。

訓練生から緊急事態を告げるアラームが鳴った。人で混み合うNorth Areaで駆け付けると既に暴れ始めている最中だった。
「客を信用しないのか!」「そんなの知らねえっつってんだろ!!?」
訓練生に食ってかかる母親娘(おやこ)がいた。
「ダメだわ、既にクレーマーズに支配されてる。」様子を見ていた菜花さんが言った。「このままだと完全にモンスター化するね。しっかしこんなの久しぶりに見たなぁ」桃花さんはそういいながら何故か笑って続けて言った。「でもこの程度なら変身するまでもないね。」
 「洗脳解く位なら…」菜花さんが何か言おうとした瞬間
「どうかなさいましたか?!」キナリさんが飛び出して来た。
「あちゃ~来ちゃったかぁ。。。」「仕方ないね。桃花、変身しようかぁ。」桃花さんと菜花さんは呆れていた。
私には訳がわからなかった。キナリさんはチケレンジャーホワイトとしてNorth Areaを統括しているのに…?
その疑問はすぐに解決した。

act2 ピンクとイエロー

「カラーも5色あるしまだ正式ではない候補生だからエリア研修を受けなさい。」レイヴンさんは私に新しいウェアを手渡しながら言った。
新しいウェアは全体の配色やデザインはあまり変わらないが訓練生よりチケレンジャーが来ているデザインに多少近付いた。
歩く度にひらひらしたスカートのプリーツがなくなり、ブーツの下にニーハイを履くようになった。
新しいウェアに身を包み1番忙しいNorth Areaでの研修が始まった。
9人の訓練生が働く背後にチケレンジャーはいた。いつも背後にいるけれどあまり関わることのない彼女たちは笑顔で迎えてくれた。
「今日からまたよろしくねクリアちゃん☆」
North Areaに着くなり真っ先に声をかけてくれたのがチケレンジャーピンクこと桃花さん。いつまでもつかめない不思議な人だ。
 …クリアちゃん?私は透なんだけど…?そう思ったのは私だけではなかったようで。。。
「なぁにクリアって?」とチケレンジャーイエローの菜花さんが後ろからやってきた。彼女は小柄で大人っぽい。
「だって候補生だから色ナシでしょ?新入りでもチケレンジャーなんだから。透ちゃんだしクリアでしょ☆」
「なるほど。確かに。」いきなりやってきて納得しているのはNorth Area責任者のキナリさん。ぽやんとした頼りなさげな人だ。
「じゃあレイヴンさんにも伝えとくねん♪」そう言って早速内線を手にした桃花さんの横にいた菜花さんが「よろしねクリアちゃん。」と笑っていた。
どうやらとても歓迎されているようで安心した。

act1 クリア誕生

 「透さん。」

通りすがりに呼び止められた。あまり一緒に仕事をすることのない方だが、その低い声と独特の話し方ですぐわかった。


 「レイヴンさん。お疲れ様です。最近忙しそうですね。」レイヴンさんはこの会社の責任者。私たちの仕事は主にイベントの運営補助と警備で日々様々な現場で働いている。


 「うむ。実はクレーマーズの活動が活発になってきてチケレンジャーの負担が大きくなってしまったのだ。」


-チケレンジャーとは主にイベントのチケットや販売などお金を扱う仕事をしている方たちだ。特に最近はベースボールの試合のチケットを販売している。私はチケレンジャーの訓練生として正体不明のクレーマーズについて分析し、戦いの補助をしているのだ。-


 「そこで君にお願いがあるのだ。」レイヴンさんはいつになく真剣な顔をしていった。


 「訓練生からチケレンジャー候補生として昇格するからチケレンジャーの一員になってくれないか?」


-あまりに突然のことで私は頭が真っ白になってしまっていた。