act1 クリア誕生
「透さん。」
通りすがりに呼び止められた。あまり一緒に仕事をすることのない方だが、その低い声と独特の話し方ですぐわかった。
「レイヴンさん。お疲れ様です。最近忙しそうですね。」レイヴンさんはこの会社の責任者。私たちの仕事は主にイベントの運営補助と警備で日々様々な現場で働いている。
「うむ。実はクレーマーズの活動が活発になってきてチケレンジャーの負担が大きくなってしまったのだ。」
-チケレンジャーとは主にイベントのチケットや販売などお金を扱う仕事をしている方たちだ。特に最近はベースボールの試合のチケットを販売している。私はチケレンジャーの訓練生として正体不明のクレーマーズについて分析し、戦いの補助をしているのだ。-
「そこで君にお願いがあるのだ。」レイヴンさんはいつになく真剣な顔をしていった。
「訓練生からチケレンジャー候補生として昇格するからチケレンジャーの一員になってくれないか?」
-あまりに突然のことで私は頭が真っ白になってしまっていた。