バスに乗って1時間ほど。宿泊するホテル、

Hotel Palacio de Aiete(ホテル パラシオ・デ・アイエテ)★★★★

に着いた。

 

こちらもブルゴスのホテル同様、衛生的で、アパホテルなどに比べたら全然良いが、ホテルカールトンの五つ星とは、ものすごく開きがある。

部屋からおわかりいただけるかと。

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ホテルに荷物を置き、一行がバスで旧市街まで行くというので、そこまでは乗せてもらった。

バルがひしめく旧市街は、モンテウルグルという丘の下にある。

地形は、ぬいぐるみ的なくまさんの顔をイメージしてもらえたら。

サンセバスチャンの街は、2つの丘があり、左耳部分がモンテイゲルド、右耳部分がモンテウルグル。旧市街は、右耳の下のあたりにある。

ホテルは、左耳の下あたり。

 

 

 

バスで10分ほどで、旧市街地に到着。

そして僕はここで皆さんとバイバイ。

 

 

昼も大して食べていないのに、不思議と全然お腹が空かない。

サンセバスチャンは、バル巡り、つまり1軒で終わりにせず、2軒3軒と行くものらしい。

予習した店が15軒くらいあるので、ひと通りチラ見して、2軒に絞ろう。

 

 

 

 

あ、早速、予習したところ、

SIRIMIRI(シリミリ)だ。

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シリミリというのは、バスク語で霧雨。

年がら年中雨模様なサンセバスチャンでは、雨も嫌なものという感覚がなく、人々は「シリミリ~!」と言い合っている。

 

 

 

 

さて。「ピスケー湾の真珠」と謡われる高級避暑地、サンセバスチャンだが、そのピスケー湾へ。

20時前と思えない陽射し。みんな楽しそうに、海辺で黄昏ていたり、泳いだりしている。

 

 

 

 

 

 

海辺の街ということで、16世紀までは海洋貿易で栄えていたようだが、スペイン独立戦争(1813年~)の際、ナポレオン軍と英国軍の攻防地となり、街の大半が焼き尽くされたそう。

その後、19世紀にハプスブルグ家の王妃マリア・クリスティーナが好んでここを保養地とし、それ以降、高級避暑地として今の形になった。

日本でいう葉山や軽井沢といいたいが、欧米かぶれの僕からすると雲泥の差。

 

 

 

 

あの森森しいのがモンテウルグル。

てっぺんにはキリストの巨大像がそびえる。

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ほらね、本当に海と目と鼻の先に旧市街があるのだ。

超夜型のスペイン人、20時頃からようやく夕飯(スバラシイ!)。超賑わっている。

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サンタマリア教会の階段にみんなたむろしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

CASA VERGARA(カーサベルガラ)

聞いたことがありそうで、なかった。

Bar Bergara(バル・ベルガラ)とGanbara(ガンバラ)と混同した。紛らわしい。

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ここはブックマークしていた老舗洋菓子店、

Otaegui(オタエギ)。

1886年創業、マリア・オタエギさんがおばあさんの伝統レシピを継承しているそう。

パンチネタという、サクサクパイ生地にカスタードの入ったお菓子は、ここ発祥でバスクの伝統菓子となったそう。

この下段左のがそれだね。

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なんか、肉眼で見たときそんなに惹かれなかった(日本にあるレトロベーカリーで、レトロ、なつかしさにあぐらを掻いて、マーガリンや添加物たっぷりのパサパサパンを平気で売っている店に似た感覚を覚えたので)が、

改めてみると美味しそうかも。

 

 

店の前に、欧米のツアー団体がいて、添乗員さんが僕が上述したような説明をしている。

やはり有名なのだ。

 

 

 

買えばよかったかもなぁ。

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オタエギの外観。

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そして、行きたかった店、Bar Sport(バル・スポーツ)。

さすが、超混んでいる。

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こちらは、とってもスタッフの感じがよいことで有名で、何よりウニの殻丸ごとのウニクリームピンチョス、カニのほぐし身を詰めたカニ味噌ソースのクレープなど、独創的ながらとてもそそられるメニューが多いのだ。

なのだけれど、チラっと覗いたところ、見覚えのある顔、ツアー客のご夫婦が白ワインを飲んで顔を赤くしていたので、スーッと通過した。

 

ツアー利用しておきながら、面倒な奴ですみません。

努めて海外では、日本人と戯れたくないのだ(あちらも別に戯れたいなんて言っていないけど)。

 

 

 

 

 

おおぉ、ここは気のいい兄弟で切り盛りするTAMBORIL(タンボリル)だね。

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憲法広場。21時頃になり、少し暗くなってきた、

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あぁ、ここが先ほど触れたGANBARA(ガンバラ)だな。

焼ききのこに卵の黄身を落としたものが有名な超人気店。

ただ、こちらは添乗員さんが皆にオススメしており、案の定ツアーの女性団体が軒先にいらしたので、小走りに通過(我ながら、どんだけ)。

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ただ、ここだけはたとえ人が押し寄せていても入らないといけない。

サンセバスチャン1有名な、Gandarias(ガンダリアス)。

超賑わっている。あとで来よう。

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ここも知ってる。LA CEPA(ラ・セパ)。

生ハムが美味しいらしいが、昼に最上級の生ハムを堪能したので、パス。

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どうしてもこれを食べずに帰れないものを、万が一にも売り切れで食べ損ねないようにと、食べる順序は最後がよかったが、先に訪れることした。

 

 

ここで、どーーーーーーーーしても強く言いたいこと。

食べる予定のものは、いわゆるバスクチーズケーキだが、「はいはい、バスチーね!ローソンにもあるよね、好きだわ~~」なんて思って欲しくないのだ。

違うし、そもそも前提からして違うし。

多分日本人の99.999999%が、知らずして”バスクチーズケーキ”なるものを食べている気がする。

 

そもそも、”バスク”がどこなのか?どこの地名か?というか地名なのか何なのかさえ分からず、馬鹿の一つ覚え的にバスチーバスチー言っている人ばかりだろう。

いまや、日本中のカフェというカフェにあるもんな。

ショートケーキ的生菓子よりは日持ちがするし、かといって従来のチーズケーキのベタな味(ベイクドとレアそれぞれ、想像のできる味)には飽きたし、という作り手と消費者の思惑と嗜好にジャストマッチしたのだろう。

 

それは、ここバスク地方のサンセバスチャンにある、La Vina(ラ・ヴィーニャ)という店発祥なのだが、だからって、そこから広まって、サンセバスチャン一帯でバスクチーズケーキが売られている、ということはない。

今も、この形状のチーズケーキは、ここでしか売られていない。

あと、バスクチーズケーキと、オリジナル(本家)は称していない。

それがなぜ日本で流行ったのか。

6年ほど前にできた、GAZTA(ガスタ)という、白金高輪に店を構えるバスクチーズケーキ専門店があるが、こちらの女性オーナーシェフが、このラヴィーニャのチーズケーキに惚れ込み、オーナーのサンティアゴ・リベラさんに修行を頼み込み、そのレシピを持ち帰り店を出したところ、爆発的に人気が出て、その後、他の店も次々と真似をしたのだ。

 

 

 

 

はー、これくらいにしておくが、なので、今回旅に行く前に「バスチー食べてくるの?いいなぁ。」と友人に言われると、いろいろちげーよ!!!と思い、かといって上の説明をするのも面倒だしうんざりされるだけだろうしと、フラストレーションを抱えていた。

 

さて。着いたぜ!

超並んでるwww

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行列は、あってないようなもの、と学んだ。

だが、(日本人は全くいないが)並ぶのが当然、と思う欧米の観光客が多いのか、列ができてしまっているので、店員さんが中から出てきて、”カモンカモン(いいから入って)”とジェスチャーをした。

僕も、我先にと入った。

 

 

 

 

 

これやで!!!

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目の前でどんどん焼き上げられては、どんどん売れていく。

チーズケーキ専門店ではなく、ここもあくまでバルなのだけれど、ほぼ全員がチーズケーキを買っている。

イートインとテイクアウトと相当迷ったけど、1人2ピースなのと(1個のボリュームも重さもすごい)、ゆうて飯の前にチーズケーキというのもな、と、テイクアウトすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

↑「Take a way(持ち帰りで)」と言う、いかにも美人の欧米人の声がするが、実際激美人だった。

なぜそんなことを覚えているかって?

 

声を掛けてきたのだ。彼女から。

 

 

「(英語)ねぇ、あなた日本人よね?

私、10月に日本に行くのよ。お寿司が食べたくて、美味しいお店教えて!」

 


テイクアウトしてお会計をする前だったので、

ちょっと待っててね、と伝えてから、こりゃあ大変だ、と思った。

全力でいい店を教えてあげたいが、あいにく僕は鮨屋にあまり行かない。高級鮨店に一緒に行こうと言ってくれる、その域の人がほぼいないからだ。

僕の数少ない訪問店はいずれも激激美人のセレブ友人の行きつけ。予約も数か月待ち&一見さんお断り。

とはいえ、その辺のゴミみたいな店をこの美人さんに教えたくはない。

 

 

僕「よし竹と、とみ田がいいと思う。ちょっと高いけど(1人6万とかする)、どちらもホスピタリティもすごいし、本当に美味しい。」

 

激美人「高くて全然いいわ。」



6万なんて!とも彼女は思わないと思う。見てわかる。本当にいくらでもよさそう。

 

ググってあげて、僕のスマホを撮るように伝えた。

彼女は嬉しそうに「絶対行くわ予約して。ありがとう。あなた、名前は?」

 

僕「四郎です。」

 

「四郎ね、私、エミリーよ。いい旅を。ありがとう!」

 

 

 

 

興奮で、チーズケーキの写真が全然ちゃんと撮れなかった笑


 


焼き目が強いのと、中のトロトロが、いわゆる日本に広まったソレと同様、ここのチーズケーキの売りだが、そもそも生地の卵色がすっごく強い。

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熱々の焼きたてチーズケーキが、ずっしりとすっごく重い。

それを抱えつつ、先ほどのガンダリアスへ。

 

 

 

 

 

超超混んでいたが、もう上手にカウンター席を確保する術も覚えた。

スポッと、隙間にはまった感じで僕は、オーダーをした。

 

 

「Solomillo(ソロミーリョ)のピンチョスを1つ下さい(スペイン語で)」

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ここも、ウニクリームのピンチョスがあるね。

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オーダー後に作ってくれるから、しばしウェイティング。

 

 

 

 

 

 

きたきた!!

サンセバスチャン1の人気店の1番人気。

青唐辛子が乗って、岩塩が振りかけられている。

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ヒレ、やわらか~い!

レア目だけど、くさみもなく、シンプルだがガツンと肉の旨味が強くて岩塩で十分。

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2口で終了。儚い。

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この光景、予習でたくさん見たなぁ。

BS世界ふれあい歩き、石原さとみとdancyu植野さんのBS旅番組、そして超近々、偶然にも橋下徹&松井一郎コンビがYouTubeでこちらを訪れていた。

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まさかの、1個で退店。

 

 

ラヴィーニャとガンダリアス、目と鼻の先にある。

 

 

 

なぜラヴィーニャ前に戻って来たって、このチーズケーキ、どうにもホテルまで待てず、というか、明日こそ食事量マックスの日なので明朝からチーズケーキを食べる気にはならず、とはいえ、日中バスに持ち込んで食べるとか、明日の夜食べるのはスケジュール的にも腹具合的にも絶対無理で、ならば、もう今、店の軒先で1ピース食べてしまい、残りはホテルで今宵食べて寝ようと思ったのだ。

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よってもって、開封。

おおお。

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とろんとろんなのに崩れていない。

やはり店内でゆっくり(といっても立ち食いだけど)食べたかったなぁ。

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2個www

フォークで、立ち食いするのが切ないが、いただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

多分、チーズも、卵も生クリームも、日本のそれと違うのだろうな。

日本でよく見るアレ、バスクチーズケーキに似ているものの、本物はやはり格が違った。

軽さはゼロなので、甘味は抑えられているものの、甘いの無理な人は量的に無理だろう。

しかし、うますぎる。

 

 

 

数秒で、無心で。

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予定通り、1個で何とかとどめて、再びコンチャ湾へ。

 

 

 

有名な、コンチャ湾の夕陽。

21時半にようやく、夕陽。

ため息が出るね。

 

 

 

 

 

 

で、ちょうどタクシー待ちをしていたツアー参加者ご夫婦とタクシー相乗りをし(避けたくせに、そういうときだけ、虫がいい僕!)、ホテルへ。

ゆっくり風呂に入り、さて、再び開封。

 

 

 

美味いなぁ。

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ほんっとうに美味いなあ。持ち帰れないもんな。

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この日の飯は、牛ヒレピンチョスだけでチーズケーキ2個食いになったが、全然いい。

ここでしかできないことをする、それを叶えたのだから。

 

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