見た目がうっほー美味しそうとか、そんなことは分かってる、そんな軽薄な感想はやめてほしい。
オムライスは黄色の色味とオーバルなフォルムという見映えがいいからか、いかに見映えよく作るかに焦点が置かれがちな気がする。
半熟とろとろ系は、ナイフをパッカーンと入れるパフォーマンスを楽しむもの、薄焼き卵で包み込み系は、昔ながらのレトロ郷愁楽しむものと相場が決まっている。
だが、前者はとろとろというか半生グジュグジュで、見映えのために大量の卵を使っているため、生煮えなスクランブルエッグを大量に口に運ぶことになる。絶対みんな途中で胸焼けしているはずだ。
後者は、レトロにあぐらをかいているというか、卵はパッサパサ、ライスはケチャップド直球の文字通り「ケチャップライスです!」になりがち。
あと、安いハムと瓶詰めマッシュルームが使われていることが多く、安い味がする。
そんな中、Unityのオムライスはというと、
見た目はとても美しくきめ細かで気泡もなく、包み込む系なのに、どこまでも均一な生地は火が通っているのにしっとりとして、ライスとぴったり一体感。ベランとだらしなく剥がれることもない。
何よりライスが、ケチャップライスであってそれでない。
聞けば、中のライスに使うものはケチャップから手作りしているそう。だからかツンとした酸味やきつい甘さはなくまろやか。
それでいて、僕の大好きなスパイスカレーのようにスパイスが効いている。どこにでもあるオムライスの味ではなく、前衛的な味がする。
チープな添加物まみれハムの姿はなく、代わりにしっとり鶏ハムが入っている。
冷製かぼちゃポタージュも、この季節、ドロドロ系だとオムライスの邪魔をするだろうが、冷製に合うようにかサラッと喉越しがいい。なのに、水っぽいとは無縁でしっかりかぼちゃとミルクが効いている。
アイスアメリカーノとよく合いますよと店主さん。ヤァ、本当に。
チーズを追加トッピングしたがこれまた大正解。
卵ともライスとも乖離することなく、ぴたっと糊の代わりになって、まるでお好み焼きかもんじゃのチーズ系をいただいているよう。
ラペも、これはオレンジか何か入っているのかな、よくあるビネガーのきつさより、爽やかな柑橘が立っている。
食べかけですみません。
チーズと混ざった美味しい部分。
カフェや飲食店で、以下を満たすところは少ない
①衛生的で(例えば御手洗い、卓、食器、床、いずれか或いはいずれも不衛生な店も多い)
②美味しくて、さらにここでなくても他にある、ではない唯一無二感があり(バスクチーズやプリンもオムライスもどこにでもあるが、ここじゃなくてもいい店は多い
③空間が心地よく(空調、音楽の合っていること、インテリア)
④多少長居しても、店員同士ヒソヒソしたりなどの圧を感じず(なら爽やかに直接伝えてほしい。店員同士の会話や店主の不快感は割と聞こえる伝わるもの)
⑤店主他店員さんとの会話が楽しい、他愛ない会話だけでもいいが、もう一段落高尚な会話ができるとなお豊かな気持ちになる(他愛ない会話でさえ的外れで主旨が伝わらずガッカリすることもある)
そんな中、こちらには強い気概を感じている。
ありがとう。また、すぐに。