「22歳の女の子を連れて行って、うわぁと喜ばせる、そんな店としてちょうどいいところ」


先日、僕がラスに行ったと伝えたところ、有名イタリア料理の若いシェフがこう返した。



うん、すっごくよく分かる気がする。


決して悪い店とは思わないが、そのままの意味。




自家製モッツァレラ。

これが1番美味しかった、と、先のシェフが言っていたが、それも同感。




市販のモッツァレラとまるで違うが、もちろんブラータでもない、例えるならわらび餅のような食感だった。

げんこつ大で欲しかった。








ランチからスパークリングってなんかオシャレだね。普段昼から飲まないけど。




この店の真髄は、フォアグラのクリスピーサンド。大々的には語られていないが、どう考えてもハーゲンダッツのそれをパク…いや、インスピレーションを得たのだろう。



紙包に入って、見た目はまさにハーゲンダッツ。

グリーンなのでピスタチオ(季節によるらしい)コーティングがされているのだろう。





が、僕はこれ。




生ハムと季節野菜のブルスケッタ



見た目通り。

無難に美味しい。



絶対そっちの方がいいわ、俺もそんなフォアグラ好きじゃない、と友人。



改めて思うのだが、フォアグラって、心から好きで好きで食べたくてたまらない!、という人、いるのだろうか。

かつて…どこだったかなぁ…遥か昔行ったマダムトキだったか、どこかまるで忘れたが、勇気を出して食べたらとても美味しかった記憶がある。

だがそれはあくまで、生臭さや癖がほぼなく、中はほんのりレアだが上手に火入され、表面がキャラメリゼされていたからだろう。

その後も(苦手を言いづらい同席者の場合)数度トライしたが、もう癖と生臭さ、なのに無駄にボリュームがあり、我慢して飲み込んだ。






イサキの炙りを、ナスとカシュナッッ、タプナードのピューレ、左の橙色はカボチャ



鮮魚とナッツのアクセント、野菜をソースにするのはいいよね


でも1番感動したのは、この写真を見ただけで冒頭のシェフが「あ、イサキ。」と言ったこと。



「真の」料理人であれば当たり前の能力なのかもしれないが、平素、何を己が食べているか、調味料は愚か食材もわからず嬉しそうに汚げに口に運ぶ人たちにうんざりしているだけに、本当に感動した。




ワインも進む。

しかし、昼だからか全然酔わない。







なんだこれ?と思ったら、羊ラグーをパテのようにしたものを、自分でほぐしてボロネーゼを作るのだそう。







これはかなり羊羊していて、羊そんなに得意ではない人は無理かもしれない。

ソースみたいなものは、羊の旨味だそう。






僕は無類の羊好きなので、これは気に入った。

ミンチが粗くなり、肉を食ってる!という感じがしてよい








鮎ときゅうりのエクラゼ



うざくみたい、と友人が言っていたがまさに。


涼しげではあるが、なんか突然和食感、瓜をジュレにする必要性もあまり感じなかった。

鮎は塩焼きかコンフィがいいな。






フォアグラがここにも!

もちろん事前に伝えてパスしたが、普通は中にどろっとフォアグラが入っているそう



僕はきのこたちだった。

でも、そもそも鴨がとても固くゴリゴリして、切るのも咀嚼するのも大変、旨味もなく、無駄にゲンコツ大に大きくフリットにされ、かなり腹が膨れた。

あと、赤ワインソース、マデラソースは鴨に合わせがち、合わせやすいのだろうが、肉汁もほぼ出ないゴリマッチョな肉質なので全然ソースと絡まなかった。






クリームチーズのアイスとゴーフル、ブルーチーズは美味しかった。








ただ、とても安いので、自分ではホテルやらフレンチやらを知ってグルメを称する、まだ舌の青い女性にはオススメ




僕は老紳士ソムリエの一言にムッとしたので、もう行かない。




ただ、友人とのランチはとても楽しかった。
次が待ち遠しい。