好きではないのに無理して相手に合わせて行く、というのは相手にも失礼だし誰も得をしないと思うタイプなので絶対しない。



なので、この日ももちろん自分が望んで代打を引き受けたのだが、荒巻先生じゃなければ行かなかったと思う。



いかんせん、ついぞ最近まで「きりゅう٩( ᐛ )و?」くらいの感じだったのだから。




というわけで、渡欧で行けなくなった先生の代わりに。




想像通り、品のいい高齢の客層の中、渋く太い来生さんの声が響く。



誰もが知っているシルエット・ロマンスはやらず、セカンドラブはセトリに入っていた。

知らなくてもどれも来生たかお、安定感がある。




MCが長いことが欠点と自虐されていたが、僕としてはこの時間が1番視座が養われるものだった。


ー閑静な郊外西東京に居宅を構え、明日の天気を見て「あぁ、雨か、洗車は見送ろうかな。」と窓の外に目をやり、すぐに思い直す。

「なにを、当たり前に明日があると思っているのだろう。天気予報など、関係なくなるかもしれないのに。」ー



ニワカが論ずるのは失礼だが、非常に文学にも造詣が深く、教養溢れる様が、穏やかな語り口から感じ取れた。




東大阪の司馬遼太郎記念館を訪れたときの感動と重なった。


先生、ありがとう。