少なくとも僕が駅から野暮用先まで歩いた30分の道のりに、洒落た店など一つもなかった。
この店を知ったのは、
Googleマップである。
地図上、この辺蕎麦屋以外ないなと思っていたところ、突如代官山中目黒感のあるカフェを見つけたのだ。
地図くるくるをしていたのが、ちょうど東京のカフェ、砂糖まみれのテーブルを自ら拭く羽目になっていた時だったので、クサクサ解消になればと、事前に電話してみた。
すると予想外の展開。
訪問日に営業しているか確認したかっただけなのに、店主と思しき男性、店のコンセプトやメニューなど、申し訳なくなるほど丁寧に説明してくれた。
それも、
「中目黒や代官山にありそうなコーヒーロースタリーをイメージして作りました。」とのこと。
まさにだった。
店内も一階二階とかなり広くて清潔で、ガラス張り一面の窓から西陽が注いでいい雰囲気。
予習通り、自家製チャイとキャロットケーキに。
こちら、食器も所謂映えカフェのそれではない。
ここに来る人でわかる人どれだけいるのだろうか↓(さすがにわかるか)。
キャロットケーキは、あちこち食べ歩いているが実に難しい焼き菓子だと思う。
さっくり感を出すとボロボロ溢れるし、しっとりさせすぎると重くなる。
こちらのも、まさにさっくりなのだけどボロボロ感があり、一方でムキュムキュとした文字通り「スポンジ」ぽい食感で、そこは残念だった。
(好みの問題なのは自明なので都度言わないが)
チーズフロスティングではなく生クリーム(ホイップじゃないだけ素晴らしいが)なのも残念。
一方でチャイは感動した。
すごい。
スパイスカレーの店で出るそれに近い。
恵比寿のurnchaiにも負けず劣らずな強いスパイス感。
丁寧にオーダー後潰したであろう粒々が底に残っていた。やぁこれは美味い。
書き物も充実。
往復の新幹線とこちらで、ほぼやるべき書き物が終わった。遠征のいいところ。
ガードレールが、りんご。
電話で丁寧がすぎるくらいだったオーナー、実に若く、もう1人の女性スタッフと美男美女すぎるコンビだった(目当てで来る人も多そう)。
オーナー、その元ギャル男ぽい見た目と裏腹に、老齢女性にも「お口に合いました?」と優しく語りかけ…たもんだから、行列にも気づかず長話を始める同人に対しても、優しく対応していた。
そんな微笑ましい光景に気を良くした僕、アルカイックスマイル(→( ◠‿◠ )これな)のまま帰り際、「先日電話した者で…!」と鼻息荒くチャイの感動を伝えようとしたところ
「あ、はい。ありがとうございます。またー。」
恐ろしく塩だった。
オーナーは悪くない。
窓際に座っておきながら陽射しが嫌すぎてあからさまフード被りぱなしだったからか何なのか不明だが、僕以外には優しかったので悪いのは僕である(もう長野市来ないからいいもん)。
でも、チャイ美味かったなぁ。