そんな1人、萌さんのレイヤーケーキ。
バレンタインバージョン。
いちごと薔薇の混ぜ込まれたバタークリームに、レモンとクリームチーズのクリームが添えられている。
バタークリームって、かつて老舗洋菓子店でよく使われていたが、くどくてもたれるから嫌われがちで最近はあまり見なくなった。
かの洋菓子舗ウエストも、エンゼルケーキ(杏ジャムとバタークリームの)を時代のニーズに合わないからと終売させてしまった。
(悲しすぎてレターを書いたな、そういえば)
けど、萌さんのこのバタークリームは全くくどくなく、けどしっかり濃厚、そして湿度の高い生地としっかりピッタリくっついている。
思うが、くどいバタークリームって、バターが悪いのではなく、ファットスプレッドや乳化剤や悍ましいほどの添加物が入っているからかと。
長野名物牛乳パンも、純粋なバタークリームで作られたものを見たことがない。
しかし、美しく美味しい( ◠‿◠ )
そしてこちらに通う1番の目的。
視座が養われすぎる萌さんとの会話。
食に関するお話が多かったりするが、文化や、互いの感じたことを意見交換する時間は何ものにも変え難い。
この日も、チョコレートブランド飽和時代を僕が憂うと(映えれば、そして服飾と同じくブランド価値さえ感じられたらそれで良しの世相に辟易としていると)、こう返してくれた。
「チョコレートには、プレミアムブランドとラグジュアリーブランドがあって、前者はクオリティで売っていて、車で言うとLEXUSのようなもので。一方で後者はブランドで売っていて、車で言うとランボールギーニとかかな…宝石ならエルメスとか。ピエールマルコリーニもすっかりブランド重視な感じになってしまったけど、それでもあの価格で質とラグジュアリー感をバランスよく維持できているのは企業努力だし、やはり美味しいと思います。」
知識が一つ増えてよかった〜、なんてそんな軽薄な感動では済まないものがあった。
いつも本当にありがとう。