「なんでここにしたの?」


3皿目をつつきながら、他愛無い感じで友人が聞いてきた。


僕「……。なんでだっけ?わざわざ池ノ上にしたのもよくわからないな。」


友人「てか、イタリア料理好きすぎじゃない?笑」


僕「確かに…前回はmalca、その前はアルテレーゴ…全部イタリア料理だ。や、確かに好きだけど完全にたまたまだわ。」




この友人とどこかに行くときは、僕が決めるパターンと半々。
食事中一切飯の感想を言わず食べ進めるし、トータル2桁だろうと払えるだけの資力はあるものの、絶対酒も飯もよく分からず食べているだろうけど、何故だかいつも絶妙にいい店を選んでくるやつ。なので、お任せしてもいいと思っている。


けど、今回は僕チョイスでこの店に。



見た目はイタリアンの大衆食堂のようだけど、きちんとコース料理。
本場感の強いアジアはノーサンキューだけど、本場感強い欧米はカモンベイベーな僕。

とはいえ、本場感強いイタリア料理って想像つかないな。




まずプレートが本場感全開、ということかな?





先に言っておくと、この店で1番印象に残ったのはプレート。






生ハム。

ミモザの花に見立てた感じのパラパラはピスタチオ。




スタッフさん皆若いのだが、説明がとても丁寧。

そういうの苦手な人は不向きかもってくらい長い(僕は好きですよ)。


なお、2人ドッペルゲンガーのように瓜二つな方がいる。兄弟か親族か尋ねたら


「よく言われるんですが他人なんですよ。」


とのこと。ひぇぁ。







次も皿が美しい。

青って食欲減退効果のある色な気がするが(いつまでも痩せないダイエッターさん向けに、青い皿はよく勧められている)、全然そんなことないね。



ただ、不覚にもなんだったか忘れた。

イカだったか、鮮魚のカルパッチョだったか。







この店で2番目に感動したもの。

パン。

業務用パンを平気で「焼きたてでーす」と謳って出す店が9割5分の中、自家製、それだけで素晴らしい。



そして思い出した。


僕、パンが自家製の店で探したのだ。



超高加水で、中はもちゅむちゅ。外のクラストはガリザク。

片方は蕎麦粉を使った香ばしいものだった。



高加水なのもあり、かなりお腹に溜まる。

分かりつつお代わりし、友人の分も合わせて5個食べた。

なお、今回は僕が勝手にもぐもぐと食べ狂ったが、僕が食うことを期待して残したり、あまつさえなすりつけてくる系の女性は苦手だ。





かぼちゃのクレマカタラーナ。

この店の売りだとか。

バルサミコの甘味とかぼちゃが合っていたが、かぼちゃはまぁ美味いよね。







トマトソース、ではなく。



赤ワインと鰻。

珍しい。

それに合うようのパスタチョイスだろうが、いろいろ想像豊かな僕はこのパスタの形状苦手かもしれない(ごめんなさい)。

ならタリアテッレくらい平打ちがいい。






と思ったらきた。

ただ、何のソース何の肉だったかは忘れた。








ぷしゅー。

豚さんぷしゅー。








おかわりパンとともに、豚肉。









かぼちゃとバルサミコ被りな感じがするのと、肉質がそんなにと思ってしまった。







やはりプレートが…というかよく見たら前菜と同じ?

それはそれでどうなのだろう(洗ってないとかそやことではなく、料理と皿の組み合わせを思考するのも料理人のセンスの一つだとすると)。






パネットーネ。

これは美味しかった。

クリスマス過ぎて食べるパネットーネは初めてだが、これも売りとのこと。




なんか辛口めになってしまったが、店のせいとか、何でも相手のせいにしてはいけない。
百名店だし、アルテレーゴの松本さんともシェフは懇意で、おそらく同じ静岡のあの鮮魚店から卸しているようだし、接客は丁寧だし、きっと素晴らしい店なのだと思う。
飯に集中せず喋り倒しだったのがいけないのか、何なのか、でもやはりアルテレーゴやmalcaと比べると(価格が3倍4倍違うのもあるが)一皿一皿が印象に残らなかった。


次は決めてもらおう。
そうそう、1番この日感動したのは飯より何より…


店までのGoogleマップナビで電池1%になった僕が、全メニューの撮影を友人に頼んだところ、「めんどくせぇよ。」と言いつつ、瞬時に最寄りのコンビニに充電器があることを調べて取りに行ってくれたこと。

そういう機転が効く人は尊敬する。
ありがとう心から、ごちそうさま。