「んぅぅぅぅうぅ…!!」


僕「え、今、うなり声聞こえたんだけど…(引く)」

「拾うな、声を拾うな!」


歩き食べしているドウナツが美味しすぎて、無意識にうなり声をあげる、まるで上野恩賜公園のクマと歩いているみたい、それがパイセン。


そんなわけで、久々敢行、パイセンと僕のスイーツツアー2024冬!




この日1軒目(写真なし)は、表参道ブレッドワークス。
cicadaやクリスクロスなど、タイソンズカンパニー系列の店が集まるエリアのパン屋。チェーンながら素材選びに信頼がおける(その意味でザシティベーカリーと似ている)。


こちらの全粒粉チーズビスケットが美味すぎて、パイセンに食べてもらおうと1軒目に選んだ。
もちろんパイセンは、これだけでなくブルックリンドーナツと、土産用にチョコレートクッキー、塩バターブレッドを。


「んぅぅぅぅうぅぅ!」


店を出て青学方面に歩きつつ、先のうなり声が発せられた。


僕「もう食べたの!!味わってる?全粒粉だよ、わかる?ブルックリンドーナツはわかる?」


パイセン「味わってるよぉ!(怒)ん、安っぽくないシナモンの匂いがする。ん、んぅぅぅぅう!」


僕(絶対全粒粉が何かとか、ブルックリンドーナツがどんな意味とか、わかってないな。そして相変わらず作り手が聞いても1ミリも喜ばなそうな感想ばかり笑)



兎にも角にも、その後ズンズン歩き、パイセンを百軒店(ひゃっけんだな)へと案内した。




僕「ある意味歌舞伎町よりディープだと思うけど、右左チロチロ見て通過しましょう。」



パイセン「大丈夫!指さしたりしないから!」



僕「当たり前だわ!」




むくれてらっしゃるが、パイセンには、前科がある。

かつて吉原のソープ街で店前に立つカタギじゃない方を面前に「え〜この店の名前、エーゲ海だってー!うっほー!」と声を出し指さしてまわった前科。

それから、歌舞伎町大久保公園の立ちんぼに驚き眼で「あ、あれもソレか!」と指さした前科。


しかも吉原に至っては、嗜(たしな)めた僕に対し「あんなの、襲ってきたって、こわかないやい!こうしてこうして…(パンチングポーズ)」とか無邪気に反論した前科もある。




そしてパイセン、アングラ感度がゼロすぎて、僕が耳打ちするまで、どこがディープな場所かもわからず、ズンズンスルーする純粋無垢さ。

ホント、見た目も中身も上野のくまさんである。





そんなパイセンなので、今回の最終目的地ショートケーキカンパニーに着いた時、ただごとじゃないアングラ臭のあんちゃん2人が階段を上がって行ったことに対し僕が驚いたにも関わらず、



「え。僕そんな他の客、普段気にしてないからなぁ。スイーツ男子とかいるし、それじゃない?」



と無邪気にのたまった。





※ちなみにそのあんちゃんらは、僕が前夜観た「DIVA」というフランス映画に出てきたベトナムマフィアに瓜二つだった。




いやいやいやいや…。

と階下でパイセンに説明し、その後2人で階段を上り、同スイーツ店の並びに"ザ、アングラ!"な空気ぷんぷんの扉があるのを見て、2人して「なぁんだ(あの2人はこっちの店か)。」と声を出した。




が、スイーツ店の扉を開けた瞬間



僕等「…じゃなかった。」




…先ほどのあんちゃん2人がおり、座してケーキを選んでいたのだ。




この日一番パイセンと以心伝心した瞬間だった。



なお、あらかじめテーブル席を僕が指定した(テーブルは多めにチャージ取られるが少し広い)ので、パイセンはテーブル席を予約してくれていたが、何故か店員にカウンターへと案内された。

が、そこもこの日一番パイセンと以心伝心。


「カウンターで大丈夫です!むしろカウンターがよかったです!」











さて。



こちら、ごく最近できた歌舞伎町スイーツ店。


繁華街のスイーツ屋なんて、映えだけで不味いに違いないと失礼ながら思っていたのだが、インスタとテレビ(アド街に出ていた!)で、ジャージー牛の生クリームを使用していると知り、気概ある店と踏んで訪問したのだ。








僕らが座る予定だった席が向こうに。

そしてその真横には…





1人で来ようと思っていたが、この量を美味しく(罪悪感とか、腹さすりながらとか失礼な感じで食べ進めることなく)食べてくれるのはパイセンしかいないと思い、白羽の矢を立てた。



金柑チーズケーキなやつもあるが、僕は迷わず薔薇とイチゴのショートに。




そして、きた!









すごい。








見た瞬間わかった。

クリームがオフホワイト、黄色みがかっているのお分かりだろうか。

巷の、生クリームと謳いつつ植物性油脂ホイップを使っているケーキは真っ白だ。

その分純生クリームは泡立ちにくく、こちらのシェフも苦労したそう。

それでもジャージーの動物性脂肪生クリームを使いたいというオーナーの気概ったら、素晴らしい。








これを各自一つずつ!






箸休め。

まぁなくてもよかったかも(ごめんなさい。とにかく甘党なので。お汁粉に添えた昆布も嫌いなくらいで)







おおお。








汚くてすまないが、断面。




ちなみに、横のくまさんはやはりうなっている。





まさかの2個目。

呆れておきたいとこだが、僕の方も2個目。





2人してショコラプリンを。

グリオットソースが何か調べてから食えよ、とパイセンに調べさせて。






ソース。

確認せず全部ぶっかけようとしたから僕が制止した。

これ、かなりすっぱいから、味が全部酸っぱくなるよ、と。







かなり固目のプリン。

ムースよりも固く、かといってゼラチン質のあるゼリー状でもなく、まるでチョコレートそのものにフォークを入れているかのよう。





ちなみに、例のあんちゃんたちは美味しそうに楽しそうにショートケーキをつついていた。

スイーツ男子だったね、確かに。





ショートケーキカンパニー