こちらも、ずっと気になっていた店。
西荻窪は何度も降り立っているが、荻窪って実は初めてかもしれない。
…と思ったけど、駅に既視感があった。ただ、どこに何しに行ったのかはまるで思い出せなかった。新年早々気持ちが悪い。
まぁいいのだ。
目指して行ったこちら、とんでもなく大当たりだったから。
本当は牡蠣フライとブルーチーズのサンドイッチという聞いただけで美味しそうなメニュー一択と決めていたが、事前にストーリーズを見たところ、限定で牡蠣のクリームシチューをやっているとのこと、悩みに悩んでそちらにした。
が、まさかのランチタイムのみの提供とのこと。
悲しそうにしていると、店主が気を利かせてランチ定食ぽいものを作りましょうか?と。
新年早々泣けるぜ。
そして、思わず声が出た。
たっぷりの牡蠣の香り。とろりとしたスープを口に運ぶと牡蠣のエキスがしみこんでいるのが感じられる。
牡蠣のクリームシチューって初めてかもしれない。帆立より好きかも。てか超うまい。
里芋も綺麗に面取りされている。こういう丁寧から、料理や客への愛情が感じられる。
菜の花や芽キャベツも入っていて具沢山。
さらに、歯応えちょうどいいピリ辛ブロッコリー、柚子が効いて酸っぱくない柔らかい甘さの紅白なます、ミネストローネ(スープスープになったが、スープと思えないくらいキャベツにしめじに具沢山なのでむしろ嬉しい)、カンパーニュ
めちゃくちゃいい時間。
今年も身体に良くて美味しいものを厳選して食べよう。
常連さんか、老紳士がだいぶ酩酊して大声で店主に絡んでいたが、それでも美味しそうにボロネーゼを食べていた。
老紳士「お袋には迷惑かけたよな。もっといろいろしてやれたらよかったけど。あの頃は俺も自分のことで精一杯だったからなぁ。」
孝行したい時に親はなし的な良くある話と片付けて仕舞えばそれまでだが、僕はとても沁みた。
なぜって、あんなに酩酊している中でもそんな言葉を溢すって、よほど心の奥底でいつも思っているはずだから。
退店時、金額を聞いて思わず「(・・)」とフリーズし、さらに漫画のように後退りしてしまい、多分店主を戸惑わせた。
だって、安すぎるから。
人によって高い安いの感じ方、何を高いと思うかはそれぞれだとしても、あの丁寧な仕事への対価としてはあまりに安いと思った。
ありがとう。ごちそうさま。次は牡蠣フライサンドを食べに行きます。