僕「ごめん、4分くらい遅れるかも!!」



…我ながら、ランチでもなくディナーで寝坊してギリギリアウトってどういうことだろうとつくづく。

というか素直に電車を使えば良いのだが、春の匂いが一段と強まったこの日、家から店まで歩かない選択肢はなく…結果、春の匂いの中、猛ダッシュすることになった。

18時半待ち合わせだが、家出た直後のiPhoneマップだと、僕の到着予定時刻は19時!!それを何とか縮めに縮めたが、4分は遅れそう。そしてもう走れない…ハァハァゼイゼィ。




友人「全然いいよ!一杯先に飲んでるからゆっくり来て!」



あー、彼女はいつもそうだ。

全くもって到着を我慢できないほどの呑兵衛とは程遠いのに、僕に気を遣わせないようにしてくれているのだ。

気を遣いすぎる友人関係は窮屈、親しき中にも礼儀あり、いろいろな友人論があるが、どうあれ互いが違和を抱くことなく心地よい関係ならそれが何より。



なんだかんだで5年の付き合い、そしてその年数以上に濃い付き合いだが、僕はこの友人が大好きだ。



あ、もちろん顔ありき。僕は友人を顔で…




僕「お待たせーーーーー」


友人「久しぶりーーーー!」





そして早速宴が始まる。

ペアリングワインにした。




愛してやまないスパークリング、いつまで経ってもワインに明るくなれないけれど、美味しいもんは美味しいとわかる。




ちょっとずつ学びたい。








メニューを見るだけで大当たりの予感しかせず、2人して興奮。




僕が、ずっと前からインスタで見つけてブックマークしていたのだ。

インスタで見つけた、とか今どき普通と思われそうだが、舌の痩せたみなさんと僕は違うのだ。

インスタの写真から、当たりかそうでない店か否か、およそ一発で見抜けるのだ。





その結果がこれよ。

アミューズ、見目麗しい。







チーズとプルーンのサブレ、濃厚で香ばしいチーズに2人して悶絶。






そしてこちらがこの店の看板メニュー、じっくり炒めた玉ねぎのミニパイ。

こんな小さいのに、すごく手をかけた飴色玉ねぎの味がする…。








2杯目の白。

なお、こちらご夫婦経営。

とても感じが良く物静かなお二人だからこその、最高に心地よい空間。








マッシュルームのケークサレ、美味かったなぁ…僕、ケークサレ(お食事系甘くないパウンドケーキ)大好物なんだが、これは相当ハイクオリティだった。







あやめ雪カブのブランマンジェ。








まず器の合わせ方が素晴らしい。

泡を活かした料理はエスプーマをはじめ最近猫も杓子も感があるが、使うクリームの良さと丁寧な攪拌とで、違いはわかる。

とろけそうな食感、でも口に含むまではかためのブランマンジェ、最高に美味い。








ズワイガニとジャガイモのガレット仕立て、アメリケーヌソース。

これやばかったなぁ。




じゃがいものガレット仕立ては、市販のレシピでもたまに見るが、蟹と掛け合わせるのは斬新。

アメリケーヌソースも、パスタに合うのだからガレットに合わないはずはないが、非常に合う。






白多めのペアリングコースで嬉しい。







パン。

パンは素朴で、いい意味でも食事を邪魔しない存在感だった。

パン狂いの僕としては、もっと邪魔してくれてもよかった。







これも白?







白子のパイ包み。

芽キャベツとクリームのソースが美味すぎて、そしてパイの分厚さ、新鮮な濃厚白子のいい味、たまらん!たまらん!







※ちなみに友人の写真が上手なので、半分くらい拝借している。






パンおかわり。

この日は2個しか食べなかった。

友人も僕に合わせておかわりしていたが、食べきれず残して回収されていたのをギリギリまで狙っていたのは内緒(普通に言えばよかろう自分)。







赤、と、








わぁぁぁぁあ。

富士鷄(フォアグラが入っていたように思うが鷄の記憶ない)とちぢみほうれん草のパロティーヌ、マデラ酒ソース。

 


自炊大好きマンの僕はわかる、この時季のちぢみほうれん草が歯応えしっかり実に美味いことを。

濃厚に煮詰められたマデラソースと合う。

そして、フォアグラ僕が大の苦手だったことを失念していたと申し訳ながる友人だったが(僕もメニューを見ていなかった)、まさかの美味しくいただけた。苦手食材でも、いいものは食べられると立証された。

しかし、パロティーヌってなんだろ。分からずもぐもぐは嫌なのであとで調べよっと。




食後の紅茶と焼き菓子が何とも小粋。







僕はコーヒー。



順番前後したが(写真を貼付し直すのがめんどいので勘弁)、デザートのモンブラン(僕)と、苺のパシュラン。





引くほど美味かった。







友人のパシュランも美味しそう…。




パシュランもあとで調べよ。メレンゲ菓子かな。



しかし…好きだなぁ、彼女のこと。
彼女はいつだってそうだが、僕の最近のあれやこれやに対しても、決して憐憫の念や悲哀などの感情を示すことなく(復活しかけた僕のメンタルをネガティブワールドへ引きずり込む系の対応をすることなく)、ケラケラ笑い飛ばしてくれつつも僕への愛情や敬意が随所に滲み、「もつ鍋、あんた偉いよ!」と包み込んでくれる。


…あれ?僕キモい?とか聞くのもキモい?
でも心からの本音なんだもの。ありがとう。