僕が坊やの頃、公立図書館は"じめっと古くて汚くて凄まじい異臭を放ちながら新聞を読むオッサンが一日中居座っている場所"というイメージだった。


そのイメージが強くて、会員制のライブラリーか清潔なブックカフェにばかり足を運んでいた。


もっとも、ここ数年、旅した先々で公立図書館を訪れ、その綺麗さ、書架の充実度合いに驚き、徐々に印象が変わっていった。


そんな中でも、トップクラスに素晴らしいと感じたのが、札幌市立図書館。




モリヒコゲイジュツゲキジョウ(上階に芸術劇場があるためその店名)は、ライブラリの階下にあり、本持ちこみ自由。素晴らしい…。









ライブラリーエントランス。

この建物全体は「札幌市民交流プラザ」というらしい。2018年にできた新しめの文化施設。

どなたの建築だろう。高く高い吹き抜けの天井、ガラス張りの向こうに見える札幌時計台…これ、夜も絶対素敵だろうな…。









窓際に沿って、木製の机がゆったりと設置されて、自由に学習できるようになっている。

なのに全く荒れていない、清潔が保たれている。本当に素晴らしい。








こちらの図書館のコンセプトを説明してくれている。

立ち尽くして読み、思わずこの方はいないのかとキョロキョロしてしまった。

お会いしたい。手を握って礼を言いたい。なんて素晴らしい施設だと。ありがとうありがとう。








たくさんのジャンルの本が置かれていたが、ここでの僕の発見は「世界の美しい図書館」など、世界の…シリーズ。他に、教会や城、学校などがあるが、とにかくジャケットも中の写真も美しくて、そんじょの旅行ガイドより海外旅行意欲をそそられる。



あとは、ワインの基本の本と、ペリカンパンのオーナーの本も読んだ。

いずれも、愛してやまない飯の中でも好きなジャンル、違いのわからない馬鹿舌でいたくない。勉強したい、もっともっと。




上記の本は、購入することに決めて、カフェへ。






モリヒコは、札幌各地にある、珈琲で有名な百名店カフェ。








スイーツは、フルーツサンドやソフトクリーム、ケーキがあったが、この日は夕飯を最高美味しく食べるために我慢。

あと、僕の鋭い審飯眼でパッと見た感じ、ケーキはコーヒーチェーンのそれと大差ないように(つまり、それなり添加物を加え工場で製造後、冷凍し店舗輸送、自然解凍して提供)感じたので、敢えて食べなくてもな、と思ったのもある。

モリヒコさん、違ったらごめんなさい。





しかしアートを感じる内装。








とっても心地よい。








酸味が少ないものをお願いした。

おかげで癖がなく、舌に残る苦味もなかった。

スプーンの上は、おまけのメレンゲ菓子。







いい時間すぎる。






どんな旅をしたいか、旅で何を得たいか、人によって異なると思う。






僕は、やはり視座を養いたい。

目から、耳から、鼻から、口から、皮膚から、時間の許す限り、可能な限り、その土地の文化を、芸術を、余すところなく吸い尽くして帰りたい。

もちろん、予習復習も欠かさない。





札幌に行くたび、必ず立ち寄ろう。

モリヒコゲイジュツゲキジョウ、札幌市立図書館。視座を、有為な時間をありがとうありがとう。







モリヒコ