にしてもだ。
知って僅か半年のアーティストに会いに、それも、東名阪のようなアーバンギャルドならぬアーバンな場所でもない、普段絶対行かないような場所。
要は、そのくらい急激にどハマりしてしまったのだ。
東京でのイベントにせっせと足を運ぶうちに、この四十七都道府県ツアーも行きたくなってしまった。
栃木なら日帰りで行けそうだし!
が、その気分的軽さが一つ目の失敗。
おもむろに15時頃起き、時刻表的に到着時間ギリギリにもかかわらず、僕の土曜恒例、近所のパン屋さんは行きたくて、寄り道してしまった。珍しくおかみさんがあれやこれや僕に質問してくれ、嬉しくて話し込み、超ギリに。
東京駅で、階段転がるように降りて(危ない)、さくらパイとチョコマフィンをもぐつきながら電車を待ち、なんとか小山市到着。
と、まさかの豪雨。ライブハウスは、駅から徒歩25分予想。
タクシー…駅前に1台しかいない。ドア越し覗くと「渡邊さんですか?」とドライバー。
もう咄嗟に「そうです私が渡邊です!」と言ってやろうかと思ったが、僕の中に僅かにある良心が踏みとどまらせた。
そして、コンビニで傘を買い、大雨の中、謎の汽車ポッポ通りを猛ダッシュ。靴はぐっちょぐちょ、服は絞れるほどビッチャビチャ。
我ながら驚くが、駅に着いたの17時55分で、すったもんだありつつの18時12分に会場に着いた。
と、壇上には見たこともないスピリチュアルな男女がいて、詩を朗読していた。
え、僕、間違えました?
もうダメだ…無念…おうち帰ろうか…
そう思っていると、客席後ろに、高慶さん(こうけいさん。ギターの)がいらした。僕の心理を汲んでくれたのか、受付を指差してくれた。
どうやら、スピってる男女はゲストのアーティストらしかった。
よかった…失礼ながら本当によかった…天馬さんのライブ、見逃さなかったのか。
コーヒーがしみる。
その後、さらに延々と、宮沢賢治のオノマトペのような詩の世界は続いた。
…これなら、猛ダッシュしなくてもよかったな…ビショビショの服をさすりながらそう思っていると
「毎回ゲストで来ると、10人いて2人くらいは私たちのこと好きになってくれるんですけど笑、、、もちろんそれが5人、10人だともっと嬉しいですけどね。」と女性アーティスト。
なんだか申し訳ない気持ちになっていると、天馬氏が客席後ろから登場!
脳病院のときと違って、ほぼ歌メイン。
MCも好きだが、歌を余すことなく味わえて、これはこれで素晴らしい。
もちろんこの曲から。
天馬氏のキャッチフレーズ、「こんなところでごめんね」は、この歌から。
この一言だけでじわじわゾクゾクとたまらない。
僕も今度女性に対して使おう。
「こんなところでごめんね。」
弁護士なんか雇いたくないけどさ。
もちろん最後は天馬氏とツーショット。
復路も豪雨で、寒いし風邪ひきそうだし、もう高野豆腐になった気分だったが、帰宅してコーンスープをすすりながら、なんとも幸せな心地だった。最高の週末をありがとう。
追伸 この日の特筆すべきは、岩下の新生姜社長がいらしていたこと。天馬氏と親交があるらしい。新生姜ミュージアムが付近にあるらしく、ツアーついでに訪れたという客も数名いた。彼女らに、天馬氏がすかさず「どんな気持ちで行かれたんですか?」と聞いていたのがジワる。