昨夏の初訪問から、もう何回も載せている。
行きたい店リストが永遠に消化できない僕の、もっともリピートしている店。


そして、(なかなかに行き尽くした)僕が知る限り、喫茶店カテゴリーでもっとも素晴らしい店。
接客、空間の心地よさ、衛生面、飲み物食べ物いずれも素材から製造工程、提供の仕方までこだわり抜いた、喫茶店の鏡のような店。


こんな店、残念ながら滅多にない。



この日は前から気になりまくっていたココアを。



1年ぶりの友人を連れて。

ちなみに前夜僕は、超長文LINEで珈琲日記がいかに素晴らしいかを送り付け、挑む上での心構えを教示した。


1ミリも嫌がらず真剣に読み、楽しみが数倍になったと喜ぶ友人。心が綺麗なのだ。




キャラメルシフォンとココア!

そしてなんと、ココア用の追いチョコが!


友人「ココア、私も好き〜。」



僕「え、多分、ココア飲んだことないと思うよ。」


友人「あるよ?」



僕「や、それ絶対森永とか市販の調整ココアか、ファミレスやファーストフードとかそこら辺のカフェの偽ココアだから。あれ、偉そうにココアと冠してるけど、成分ココアと違うからね。なんなら、チョコソースに牛乳入れただけとかさえあるぜ。そして、そのチョコソースもカカオなんて入ってない異性化多糖液糖とかで出来たチョコ風味添加物ソースだから、もはやホットチョコレートでもないね。ほら、カウンター見てごらん。鍋でココアの粉を丁寧にすりつぶして、ゆっくり牛乳を混ぜてるでしょ。あれがココアだよ。」




…こんなくだまきを聞いたら、だいたいの人が離れていくと思う。



だがこの友人は一生懸命に僕の話を聞き、まっさら無垢な目をして、こう尋ねた。



友人「へぇ、すごいな。四郎ちゃん、小さい頃からこんな鍋でくるくるさせたココアを出してもらえてたんだね。」





僕「いや。」



友人「?」



僕「よく考えたら、僕も偽ココアしか飲んだことなかったかもしれない。や、正確には、ちょうど一年前に、吉祥寺のくぐつ荘って喫茶店でココアを飲んだけど。だから2回目かな、これ。」




友人「えー!えっ、えーーーーー!棚上げがすごい…。」



僕「そんなもんだよ、人って。あーー本物のココア、うまっ!」

や、本当に美味い。ココアって身体に良いというけれど、こういうちゃんとしたのを飲まないとむしろ身体に悪いよ。



薔薇の形の生クリームがまた美味しい。




そして、本物の生クリームと、色からしてわかる本物のキャラメルソースの、キャラメルシフォンケーキ。






香ばしくて




別日。




アールグレイシフォンケーキと、シフォンケーキに合うコーヒー、グァテマラ。









アールグレイの香りを存分に味わえるよう、シンプルな生クリーム。




棚上げもする僕だけどさ、美味しければ何でもいいは、やっぱり勿体無いよ。
素材の産地やメーカーの違いまで利き酒ならぬ利きスイーツできるように…とまでは言わんけどさ…さすがにホイップクリームと生クリーム、マーガリンとバターの違いさえ分からずパクつくのは悲しい。添加物まみれの菓子と、余計なものを努めて使わず作った菓子を同等に美味いと思うのも悲しい。
けど、本当に多いんだよな、そういう人。


オーガニック信仰では全くないけれど、選べるならば少しでも身体に良いものを、そしてどうせ食べるなら違いも存分に分かって食べたい。




そんな思いを増幅させてくれる、最高に素晴らしい場所。