なるべくいろんなエリアを開拓したくて、とりあえず港区渋谷区千代田区辺りを外してみたりする。
のだけれど、どうしても偏りは出る。
気がついたら浅草押上方面ばかり攻めていた。
なので、ちょっと初めての駅に。
駅といっても徒歩で。
トキワ荘って聞いたことあるな。
全然普段読まない漫画の作家ばかりで、ヒーローたちに胸熱くなることはなかった…と思ったら赤塚不二夫がいた。
愛してやまない「おそ松さん」の原作「おそ松くん」の作者。
まだ17時だというのに真っ暗な町の中に、こんな建物が。
そのすぐ先に、目当ての喫茶店、マイアマイアはあった。
とにかく、ジャンル分けし難い初めてのタイプの喫茶店。
それぞれの要素は、まぁなくもなさそうだが、これらが掛け合わさった店は珍しい。
特徴をあえて箇条書きしてみる。
・オーナーが陽気な外国人
・珈琲の焙煎が本格的
・若い店員さんたち、全員アットホーム接客。目が合うだけで微笑み返し、話しかけてくれる。
・お客さんも皆常連なのか楽しそうに歓談している…と思ったら常連じゃない人もいるのに、オーナーが上手く引き合わせている。
・店の空気感なのか、お客さんも皆、全くアクが強い人がおらず、ひたすらに好きな喫茶店やこの店のカルダモンロールが美味しいこと、音楽のことなどを語っている。
・音響が素晴らしい。レコードの選曲も最高にいい(銀座ミュージックバー…は言い過ぎかもだが
、白金高輪のテネメント、南平台のトウキョウケンキョに近しい)。
・パンやスイーツは、東京各所のレベチ店から取り寄せ(グルメな僕は見ただけで全てわかった。近隣のコンビニエンスストア高橋(という名前の名店)、日暮里のヴァーネル、千駄木のハギカフェ、代々木公園のフグレントウキョウなど)
・コーヒーを入れる器が最高にいい。
・そもそも店の作りが、客と店員が混ざる形(中央に丸太状のテーブル)
・東長崎エリア密着型で、紹介マップをオーナーが作って販売している
これはハギカフェのクッキー。
アンザックビスケットという名前。
オートミールザクザクで美味しい。
奥に見えるたくさんのレコード。
僕を席に案内してくれた激美人のお姉さん、「歩いてきたの?寒かったですよね」と、僕の膝を触り冷たさを確認した。
もじもじしていると「コーヒーであったまっていってくださいね」と。
オーナーのヴォーンさんも、本当に明るく、かといって、決して雑な明るいエンタメ系ではなく、気配りがすごい。
本を持ってきたもののなかなか読めない(いい意味で)でいる僕に、「ここ、本読めないですよね、モウシワケナーイ!」と微笑みかける。
いや、いいよ、だって…音と、幸せそうな人たちの語らいを見て、そこに混ざっているだけで本以上の価値が( ◠‿◠ )
また来よう。今度は美味しい美味しいヴァーネルのパンで作ったサンドイッチも食べよう。