震えるほど好きなアーティストに2年振りに出逢った。
もっと早く気づかなかったことが悔やまれるが、とりあえずiTunesのサブスクリプションに感謝したい。YouTubeも然り、普段"あなたにお勧め"と称して自動再生される曲は見事に的を外している。が、珍しくどストライクを投げてきた。



「ワンピース心中」アーバンギャルドというアーティストの曲だった。



流行りものノーサンキューかつ、"みんなで好きなものを共感し合うとか勘弁して下さい至上主義"の僕。
自己顕示欲は脳の9割占めるほど保有しているので、自分の好きなものを広く知って欲しい気持ちは尋常じゃなく強い(だからこそこうしてつらうらと)。



けれど、それはあくまで"僕の好きなもの"として知ってほしいという感情で。いわば、「僕の構成要素であるソレを知って、僕により詳しくなって下さい」という意味で紹介している。
なので、作品の感想として「もつ鍋四郎ぽいね。好きそう」と言われるのがすごく嬉しく、僕的に正解の返し。

だけど、それを超えて「僕も私もそれ好きだよ、一緒に楽しもう!」と言われると、途端に拒絶感を覚える。


それはまるで、散らばったおもちゃを取られそうになった子どもが「僕のだい!返せよう、さわるなよう!」と必死でピンクのおもちゃ箱にかき集めて入れるような…実際あったなぁ。3歳くらいの僕、公園の砂場で1人遊んでいると、僕のサッカーボールを蹴ってどこかへ行こうとする2歳児がいて、ものすごい悲しみと腹立ちを覚えて、すごい勢いで取り返したな…



そのサッカーボールはたしかに僕のモノかもしれないけれど、好きなアーティストや映画や俳優や…僕の手元にない好きなモノたちは、僕のモノではない。わかっている。
なのだけど、どうにも止まらない独占欲。






そんなねじくれこじれた僕、一昨日、初めて生アーバンギャルドに会いに行った。
知って4ヶ月。生で曲を聴くには日が浅いのではと萎縮しつつ、どうにも日常を忘れる要素が足りなくて、タワーレコード渋谷店へ雨の中無心で向かった。



「tokyo pop2」リリースイベント〜公開処刑



屋上の開けた場所で、客数も20人ほど。







生で見るよこたん、松永天馬氏はどこまでも前衛的で、浮世離れした美しさとかっこよさで。
リリースしたばかりの「アンドロギュノス」から始まった。
たまらない…このMVのまんま、そのまんまのクオリティだった。容姿も声も何もかも全て。その場に倒れそうだった。


次いで「マスクデリック」



最後は「都会のアリス」





その後、サイン会。
にわか野郎が申し訳ないと、黙っていようと思ったらまさかの天馬氏が僕に質問を投げかけてくれた。驚き慄くと同時に興奮した僕は、捲し立てて答えた。
と、よこたんが「ごめんなさい、後ろ詰まってるから」と苦笑い。

なんということだ…初参戦で不慣れなくせに調子こいて迷惑をかけてしまった…頭を掻きむしっていると


「手紙ありがとう、大切にあとで読むね」と、僕の手紙を両手で握って笑いかけてくれたよこたん。…ふぁぁぁぁぁぁぁぁあもうらめら。




…この場が崩れ去ってもいいな、そう思いながらタワーレコードを出た。
ちなみに、天馬氏から何を聞かれたか、手紙に何を書いたかは秘密。ま、みんな興味ないか。