前回の記事をアップした直後、連れ立った奴から「写真同じの投稿してるよー!」とLINEが来た。実にだるい。
もちろん、激美人から同主旨のLINEが来たら僕の返しはこうだ。
「えーーーー、わざわざありがとうね!それに、忙しいのに見てくれて嬉しいよ!また行こうねーーー( ◠‿◠ )( ◠‿◠ )」
…差別という言葉が最近センシティブで使いづらいが、ならば合理的区別である。
さて。先のカフェのあと、予習済みの目的地、スパッソへ。
パスタ屋みたいな名前だし、どうせ観光地のスパなんて健康ランドに毛が生えたようなやつでしょ、おっさんおばさんがゴロゴロ雑魚寝してて、髪の毛とか落ちまくってる系の年季が入った…と思っていた(ここまで未来予想disりをするなら行くなよという感じだが、文句垂れつつ行こうと思っていた)。
結論から言って、割とかなりなかなか以上に良かった。広大な海を見ながらゆっくりお風呂に入れる。岩盤浴もある。何より綺麗だった。素晴らしい。また行きたい。
その後、真前にある美術館へ。
スパでゆっくりしたあと、飯前の小一時間。時間も計算通り。
これがまたよかった。
田舎によくある寂れた美術館と思っていた。別に話のネタにはそれでいいかと。
まずもって、外観内観ともに美しすぎる。
天井が高く吹き抜けて、真っ白基調の造り。
一階では、絵本の展示をしていた。
撮影時オッケーだったので。下品にもバシャバシャと。
友人がこの内観を「無印良品みたい!」と無邪気に評して、趣もあったもんじゃないとますます引いたのだが、こうして見ると、言い得て妙か、はたまた僕も審美眼が鈍磨しているのか。
展示は、ぐりとぐら的な、ほんわかと親子で鑑賞する絵本かと思っていた。
予想外で「お、おぅ。」となった。
「もつ鍋氏の好きそうな感じじゃない?」
…友人のこの言葉に震える感動を覚えた。
平素、びっくりするくらいイイタイコトが伝わらない、こちらのテンションや温度感にそぐわない調子狂いの返をする、彼のその奇怪な挙動言動に嘆息しすぎて喉が枯れて剥がれ落ちそうなんだが、
ごく稀な的を得た評価や指摘に驚かされる。
ダスティンホフマンのクレイマークレイマーだったか、はたまたフォレスト・ガンプを体感しているみたいな心地。
とりあえず、自覚ももちろんあったけど、言われて再認識した。
そうだよ、僕がたまらなく好きな系統だよ。
好きすぎて、帰宅してすぐ調べちゃったもんね。
そして、無名な駆け出しの作家かと思ったら、僕の無知を恥じるほどにすごい作家だった。
小川未明、未明は坪内逍遥が名付けたらしい。
時代は遷れど、人の中の悪魔は今もなお在り続けるよ。
この物語の中の香具師や老夫婦だって、最初は優しかったし人魚を可愛がっていたんだけど、ネ。
おなじ作家なのかは調べていない。
地下は絵画。
藤田嗣治の絵があった。
藤田以外分からなかった。
働き始めてからの目下の目標が、
"視座を養う"こと
とにかく日常触れるものから得られるだけ得たい、それは芸術、文化、歴史に限らず、何気ないあの子やあいつの言葉からも。
同じモノに触れるのでも、カスッカススカッスカの脳みそと単細胞な眼球でもって見るのと、ストック知識豊富に、さらにそこから100も200も何かを感じるのとでは、時間の有意義さが段違いなのであって。
僕はまだまだまだなのだけど、そんな自分を恥じて、猛烈に貪り得ようとしているだけマシかなぁとか思いながら、多分なんも考えていない彼の背中を追った。
とりあえず屋上からの眺めが綺麗だ。
コロナで感染船と化したのは、なんて名前の船だっけ?
なんて馬鹿みたいな問い掛けをしたりして(したのは、僕)。
僕の嫌いな系統のやつ。
気持ち悪いわぁ。
ハイキングコース?
続く。