毎日暑いけれど、とびっきり暑い日。
今年の夏は、タガが外れたように(くれぐれも、無防備にマスクを外して会食するぞという意味ではない)遊んで、仕事なんて全て忘れてもはや復帰できないほどに溶けてやるぞ。そう思って迎えた夏。
序章らしく、とびきり夏を感じることをしたかった。海、サザン、チューブ、僕の思う夏海ソングの似合う半日コースがしたい。ただそれだけ。
僕の用意したプレイリストを流し南へ向かう車に、期待通りのテンションな僕。
本当にこんなとこにカフェなんてあるんだろうな?と、コイツにはいつもながらのぶっきらぼうさで。
本当にこんなところに
あった。
いい感じの音楽も流れて。
僕らの他は、外国人夫と日本人妻のご夫婦のみ。彼らもまた雰囲気を盛り上げてくれ。
馬鹿だなぁ、絶対夕飯に響くじゃないかと思いつつ、まぁ他人の腹具合なんて知ったこっちゃあないので。
僕らが食べていると、近所の子供か、兄弟と思しき小学生3人組が入ってきた。かき氷か何かを食べている。
おばあちゃんはニコニコ話しかけるが、彼らは意に介さず黙々と食べる。子どもだからって無愛想はよくないぞ、僕は少しむっとして一瞥した。
ごちそうさまをして出ていく彼ら、見ると、ガラスボウルに入ったミニトマト3個を丸々残している。
おばあちゃん「食べんの?とれたばかりで、あまくって美味しいよ?」
子どもたち ……。
おばあちゃん「おじいちゃんが、せっかくサービスしてくれたのに(悲しそうな笑い顔)。トマトきらい?僕食べないなら、お兄ちゃんか誰か食べん?」
…お兄ちゃんと思しき僕が、無言でトマトを一気に口に詰め込んだ。無表情のまま、少し嫌そうに。
おばあちゃん、ごめんねの混ざったなんとも言えない顔。
おとなげない僕は、坊やが無理矢理口に運ぶ前、割と大きめの声で「もったいなーーい、美味しそうなのに」と言った。
子どもって、やだな。
たまぁに思う、まさにそんな時だった。
おばあちゃんの気持ちを、本人以上に、身体に棘が刺さる思いで浴びて、店をあとにした。
お手紙、書こうかな。
ベルギーワッフル、美味しかったよ。ちょっとつまんだゴーヤも、ポテサラもさんまも。