元は何の施設だったのだろう。
石造のお洒落な外観。画廊か、はたまたアレか。
コロナ禍、最大限に配慮した営業形態を取られている。完全予約制で、入口で身分証を提示。
入るなり期待大。雰囲気のありすぎるスタッフの方々。
フルーツサンドとホットケーキでうんうん迷っていたが、フルーツサンドは予約分のみだそうで。
よかった、悩みが消えた、と溢したらマスターが笑ってくれた。
コーヒーは、苦手な酸味の抑えられたものを。
メニュー表示に細かく苦味酸味のバランス、説明が載っているのでわかりやすい。
目の前の綺麗すぎるフラスコ(恥ずかしながら名称がわからない)で淹れてくれるのを、カウンター越しワクワクして待つ。
到着。
飲みやすい、雑味がない、美味しい!
あまり言葉を重ねると、珈琲に詳しくないことがバレ間抜けなのでここら辺で。
とにかく超がつくほど美味しい!ブラックのコーヒーでこんなに大々的に感動を描写したのは多分初めて。
ホットケーキが焼けるのを待ちながらゆっくりと。
しかしホットケーキを作る工程が、これまた素晴らしくて。
マスターが、銅板にジュッとバターを何度か垂らす。温度を見ているのだろう。その所作も美しくて。
生地を混ぜる様もかっこいい。プロである。もしかすると、オーダーが入るごとに焼いているのはもちろん、生地も都度混ぜているのかもしれない。
もうこれは…。
巷のパンケーキたちに教えてあげたい。これがパンケーキ、否、ホットケーキだよと。
しかし生まれてこれまで相当数のホットケーキパンケーキを食べたが、文句なしNo. 1。
茗荷谷ナッティーズカフか有楽町6th by oriental hotelがダントツだったが、瞬時に表彰台のトップがこちらに変わった。
サクッとふわっとといえば月並みなホットケーキだが、なんというか生地の密度もしっかり、しっとり、なのに表面はさっくりで、バターとメープルが最高に引き立つ。
店のBGMで少しでも優雅なこの雰囲気が伝われば。
「すごい笑ってる…」
無心で頬張っていると、店員さんがこう僕に言った。
「すごい美味しそうに食べますね」
恥ずかしい…お仕事のキリが良さそうなところで感想をお伝えしようと思っていたんですが、その前に出ていましたか。
「はい、すごく出ていましたよ笑。ありがとうございます!」
こちらこそありがとう。その返しも含めて素晴らしい。特別感を全身で感じながら、なんて幸せな祝日なんだと叫びたくなった。