いや、何も激美人でなくともよいのだが。
仕事は仕事と割り切って切り替えて顔に出さず…なんてできるほど僕は大人ではなく。
なのでその反動がプライベートにくる。
貪るように激美人ばかり求める。
なんか自分で言っていて性犯罪者一歩手前のようだが、くれぐれも誤解なく。周囲でやばい犯罪が起きてもそれは僕ではない。
なので、この日も無自覚系かわい子ちゃんとかんぱーい。
1人で幾度となく散歩で訪れたハイノード、店を利用するのは初めてだった。
誰と来るか厳選に厳選を重ねた。だってこんなウォーターフロント、アーバンリゾート。映える女がいいに決まってる。
好きな子の前でしかアルコールを摂取しない、仮面下戸の僕。
3種類のサラダの中から、2人迷い迷ってオーダー。1つはローストビーフサラダ、もうひとつは、メスクラン的な未知の名称(店員に何か聞いたが思い出せないので、そそられなかったのだろう)、そしてこのルッコラ?のサラダ的なやつ。
うーん、オシャレだけど、単種類の葉っぱ感がすごくて、栄養的にもお味的にも、ちょっと残念!
(と僕は思っていたが、君はどうだったかな)
しかし、僕が目をつけにつけまくっていたスペアリブは大正解!
とにかくでかい!
しかし、小気味いいほど骨がスルスル取れるやわらかさ。そしてソースが美味い!
この子はシャンディガフが好きなようで、よく頼んでいる。
僕「ねぇねぇ、パナシェって知ってる?」
彼女「知らない、なにそれ!」
僕「レモネードでビールを割ったみたいなやつだよ」
彼女「へーー美味しそう!」
僕(今度パナシェの美味しい店に行こうね)
我ながら、さながら「東京上級デート」のワンシーンを演じているよう。
続いてハラミステーキ。これが美味かった。
ソース等が選べ、僕らはいちじくソースみたいのとトリュフ塩が気になりそれをオーダー。
と、1種類しか選べないと知り、がっかりする彼女。
また来る楽しみができたと思えばいいさ。ねっ?
僕の2杯目、ベリーニ。
シドの「夏恋」が脳内を流れる。
夏の夕暮れは最高だね。
あいにくの曇天だったけれど、それもまた次につなぐ魔法。
本当はもっと綺麗だよ。
食後のデザート。
彼女はロイヤルミルクティー。
シナモン入りなことが大層お気に召したようで。
僕はがっつりティラミス。
僕だけスイーツを頼むの、これで何度目だろう。
そういうことも気にせずできる、この上なく楽で、気が利いて、気が強そうで優しくて、そしてかわいいやつ。
翌日からも仕事中はなるべく目を瞑って、石原さとみでも想起して、意識を飛ばして過ごそう。
なんてったってこうやってプライベートで充電できるのだから。