ブログを始めて3年弱になる。
たまに、「評価を星で付せばいいのに」と友人から言われるが、食い気味に拒絶している。そんな野暮なことはしたくない。そういうのは食べログに任せればよい。
文面を読んでもらえれば、どのくらい美味しい、サービスがよいと感じているか伝わるはずであり。その辺も含めて楽しんでもらいたいのだ。




でも、ここ最近思い直してみたりしている。





「コロナ対応」
という項目だけでもつけようかしらん。




それでいくと、この店はコロナ蔓延後訪問した店の中で、もう段違いの五つ星である。
というか、そもそも不潔な店はコロナだろうがなんだろうが不潔(残念ながら行きつけ、知り合いの店でも全然ある)。ちゃんとしている店は、こうして目を見張るほどちゃんとしている。



何気にイートインは初。というのも、コロナ前は、ウエストのウエストたるを分かっているのか怪しい、インスタ映え厨の若者で溢れかえっていた。それが今は、少なくとも平日はのんびりゆったりした人の入り。素晴らしい。是非このままであってほしい。




まずは入店時の検温、アルコール消毒を経て、テラスへ。梅雨曇りと木々の緑のコントラストが美しい。













喫茶店で、しかも若い店員だらけの店で、ここまで教育が行き届いた店は珍しい。接客にうるさく、我慢のタガを外せばそこら中でクレームを言い散らしてしまいそうな僕から見ても、非の打ちどころがない。
穏やかで気配りがあり、それでいてしつこすぎない接客。









ウインナーコーヒーを頼んだ。
当然にホイップクリームではなく、乳脂肪分の多い生クリーム。ホイップクリームと生クリームの違いについてはこれまでも散々うるさく書いてきたが、ここのは特に高品質。入れるのがもったいないほど。









コーヒーは、同じ種類がおかわり自由とのこと、そしてウインナーを頼めば、生クリームも何度もおかわり自由とのこと。
…生クリームマンの僕にとって夢のようなサービス…しかし、この後くる魅惑のデザートのために、ぐっと我慢した。










ほんの少し浮かべて、溶けゆくのを名残惜しそうに眺めたあと、ちびちびとすすった。そして、周囲をキョロキョロしつつ残りの生クリームをそのまま頬張った。









前の席が空いた。
空いた瞬間に、楚々とした店員さんがアルコール消毒剤を持ってやってきた。後輩店員に穏やかに指導しつつ、くまなく除菌している。ここまできちんと除菌掃除しているところは、残念ながら多くはない。








向かいの青山霊園に目をやっていると











待望のホットスフレ到着。
見てほしい。
"ぷるん"している。スフレ自ら。









スフレ自体、置いてある店が今は少ない。
あるとしても、ここまで丁寧に作られたスフレは限りなく少なく。










またクリームがついてきてしまったよ。
種類の違うクリームが。
これを、スフレを掘った穴に入れるのだが











いかんせんフォルムが美しくて、なかなか崩せない。だが、スフレは時間との勝負。あまり時間を置いては作り手に失礼だ。
ちなみに僕は常に作り手への感謝を忘れない人間。写真撮影に夢中で出来立てを逃すなんて、言語道断である。








早くしないとこの膨らみがしぼんでしまう。











これを










このすべすべのスフレの中へ。










入れた。










あー、言わずもがな、べらぼうにうまい。
とにかく濃厚で上品なクリームと、口溶けが良すぎて食べた気がしないスフレ生地、下品なことはわかっているが、あと10倍は欲しい。




ものの3分で平らげた。
儚すぎる。







儚さに切なくなり(追加でケーキをオーダーしようか)耽っていたところに、悲報が舞い込んだ。




僕の幼い頃の思い出の味、エンゼルケーキが、製造中止になったそうだ。
その理由もまた切ない。





(以下、ウエスト公式Twitterから)






「2019年7月17日(水)をもって「エンゼルケーキ」の販売を終了させていただきます。モザイクケーキと並び創業以来の定番バタークリームケーキのひとつが無くなることは寂しい限りですが、アプリコットジャムという素材が現在のお客様の志向には合わなくなったのかも知れません。」




ウエストのホットケーキの映え写真目当てに行列していた輩には、わからないだろうなぁ、アプリコットジャムの美味さは。バタークリームの美味さも。
(ちなみに、愛すべき店のあげ足をとりたくないが、志向はおそらく誤字である)





あの頃の、私の記憶が懐かしい。