いつからか、道を聞くことも(外国人以外から)聞かれることも、昔に比べて格段に減ったのではなかろうか。スマホを駆使して何とか目的地に辿り着けるからか、路上の案内板を見る人も減ったように思う。


 とはいえ、かくいう僕はまだまだ「すみませーん」の声かけと案内板に頼っている。もっとも、極力自動車用の青い看板("厚木 30Km"とか書いているアレ)で東西南北を確認し、自力で解決するようにしているし、時間的制約があるときは、さすがに意地を張らずにスマホに頼る。
 スマホのマップ機能のメリットは、目的地までの最短経路と所要時間がわかること。デメリットは、最短を目指すあまり時々とんでもない方向に導かれること。「あー、そっちは人っこ1人いない墓地裏だよーというか既にこわいゾーンに来ちゃったじゃんか、わー」みたいなことも多々ある。あとは、たまに自分がどっちを向いているのかわけわからなくなり、歩けば歩くほど所要時間が延びていってしまう。何より、目的地発見の楽しみがない。




 予約時間が決まっていたこの店には、最初から素直にマップを利用して向かった。が、全く辿り着けず、目的地周辺を延々とうろうろした。






 そろそろ待ち合わせ時間に遅れそうで、やむなく店に電話した。優しいお姉さんの誘導で何とかたどり着いたが、着くまでに何度も通過していたようだった。これが入口じゃ、さもありなん。




 前菜五種盛り。秋刀魚と、とこぶしと、里芋と、あとはわかめ的なのと、見た目がちょっとあれな手前の。




 刺身盛り合わせ。魚や肉、特に魚は、その辺の安居酒屋では、衛生面が不安でこわくて極力食べたくない。逆にこのくらい鮮度がいいと、とても嬉しい。




 鰻巻き。それはもう美味しく。たまごは品の良い甘さでふあふあ、鰻もふあふあ。大根おろしは一切れにこの量欲しかったが。




 この日は、これと冒頭の赤身肉でフィニッシュ。品よく程よく、美味しくいただけた。食事量について、気を遣ったり遣われたりの一切ない関係は本当にありがたい。というか、友人であればそうあるべきと思うのだが、現実なかなかそうもいかない。そうなると、無理をしたくないのでますます1人飯を好むようになる。食べ過ぎの後悔(決して減量のためではなく、専ら食後の不快感のため)はあっても、食べ足りないことによる後悔はない。今後は、程よく美味しくをモットーにしようかなぁ、なんて言いつつ、帰りに1人ラーメンをすすってしまった。重ね重ね、程よくが好きなのだよ僕は。