巷で話題になると、それが映画でも音楽でも芸人でも、途端に興味を失ってしまう。我ながら、ひねくれが過ぎるとは思う。でも、こればかりは性格だからどうしようもない。スターウォーズも、きゃりーぱみゅぱみゅも、平野ノラも、同じ理由で追うのをやめてしまった。
でも、食べ物だけは別だ。
パンケーキもフレンチトーストもかき氷も、"ハイハイ猫も杓子もご苦労様"とは思うものの、思いつつちゃっかり割と頻繁に食べている。
今回紹介するのは、爆発的ブームとは言えないものの、毎日グルメ情報にアンテナを張っていると(僕のように)目にすることの多いもの、そう、たまごサンドだ。
以前、つるとんたんの記事で新宿への想いは綴ったが、僕はこの街が大好きだ。
コマ劇の跡地に見えるスラ男さん。VR体験施設。
そして発見!たまごカツサンドのテイクアウトで有名な、ニューヨークウィッチィズだ。たまごサンドなら喫茶店や甘味処などあちこちで食せるが、こちらはたまごカツサンド。
このビルの3階。
そして、あごだしラーメンたかはしに後ろ髪を引かれつつ、先日拳銃強奪未遂のあった交番を横目に、ぐんぐんと歌舞伎町の奥深くへと。
4階のテナントの、漫画版「ナニワ金融道」の表紙感。そして3階の右から2つめの、業態不明感。2階の左2つのネーミングセンスと系列店ぽさ。1階の診療科の怖さと、大衆割烹の地味に旨そう感を浴びつつ…
開いたら発砲されないかな的な、北野映画の見過ぎ感を自覚しつつ…
到着。お邪魔します。
だ、誰もいない…。
無理だった。
そして、もう1つのお楽しみ、トシヨロイヅカコラボのドーナツ。新宿区役所前のミスドにて購入。これがもう、ミスドの域を超えましたな美味さだった。音がするほどサックサクの生地に、パリパリのショコラコーティング、そして中央のぷくっとした部分の中にはたっぷりのガナッシュクリーム。ご覧のようにナイフを使っていたが、途中から手づかみで一気にいった。
奥から店員さんが出てきてくれた。そこに歌舞伎町ぽさはなく、表参道辺りのバーガー屋的な親切で無駄のない接客。
たまごカツサンド一箱下さい。
オーダーしてから揚げてくれた。油のパチパチ音が静かな店内に響く。そしてわずか5分ほどで出来上がり。きちんと腰を据えて食べるを新年の目標に掲げた僕。これを…家まで我慢するのか。
揚げたてが美味いに決まっている。
そして、もうとんでもなく美味かった。これは誇張でも何でもない。幾層にも重なった卵焼きのふあふあぷりんぷりん感がたまらない。だし巻きほど甘すぎず、変な和風出汁の強さもない。そしてサクッと音のする衣、マヨソースとの相性、こだわり食パンのしっとり感…
うまぁぁぁぁぁあい!!
思わず道中絶叫しそうだった。
「おにーさん、朝までコースですか?1時間千円ですよー。」
客引きされて我に帰った。早く帰ろう。そして早く食べよう。
週末だからか週末なのにか、だあれもいない。
それでも今年の僕は大人になった。残り5切れを大切に持ち帰った。
彩も添えてみた。
よかった、冷めても美味い。本当に美味い。ありがとう歌舞伎町、ありがとう新宿。
なんて大満足な1日の終わり。幸せだ。