お洒落なパン屋さん(ブーランジェリーとか頭に付いちゃってる系)といえば、ひと昔前はメゾンカイザーくらいだった気がするが、今はもう、うじゃうじゃとある。うじゃうじゃとか言ったが、嫌味ったらしい気持ちではなく、そういう洒落たパン屋のパンは大好きだ。一方で、昔ながらのパン屋さんも大好きだ。だが、昔ながらの安心安全素朴な店と「ただ小汚いだけの店、しかもベイクオフ(山崎パンやパスコの業務用をそのまま、或いは焼いただけで店に出す系)」は判別が難しいため、入店前に吟味が必要だ。
こちらも判別がつかぬまま入店。
しかし、すごいのが、ランチはどれかサラダでもなんでも一品頼むとパンが150円で食べ放題なのだ。そのパンは、店のパンを4分の1にしたもので、ロールパンなどの味なし系ではなく菓子パンも普通に置いてある。
前日水曜日の夜中食べすぎたため控えめにしようと思ったのに!
クリームパンに、チョコのパン2つに、カマンベールが練りこまれたパン。
パンを頬張る手を止めて振り返ると、女性店員が全力で誰かを追いかけていた。食い逃げの現場は初めて見たため、無事捕まるのか否かも含め非常に気になった。
が、店内は引き続き通常営業。女性店員が飛び出した後、子連れの来客があり、他の店員が「今日は何作ったの〜?」と笑顔で声をかける。ママさんも笑顔だ。
いやいや、子どもは可愛いし、温かい接客は素晴らしいんだけど、や、犯人逃げたし、警察に通報しないとだし…そんな悠長な…。
と思っていると、女性店員が1人で戻ってきた。あー、やはり逃げられたかと思っていると
「あー、間に合ってよかった!払ってくれた!ハァハァハァ、、あっついね!笑」
えっ?
えぇぇぇぇぇぇぇぇ??!!
いやいやいや、払ってくれたとかじゃなくて、暑いとかどうでもよくて、えーーー??!!しょっぴかないと!ねぇったら!
と、奥から店主と思わしき初老の男性が出てきて一言。「バイキングのお客さん?随分と長くいたもんね。長くいすぎて、払うの忘れちゃったんじゃない?笑」
他の客に紛れてスッと出て、出た瞬間走ったようなことを他の店員が話していたし、絶対うっかりさんとかじゃないはずだ。だけど、なんだか無関係の僕だけ目くじら立てて制裁を加えんとしてることに、その心根の汚さに、嫌気がさしてしまった。それくらい優しいのだ。この店の人たちは。
また来よう。ベイクオフかどうかとか、細かいことは気にしないよ。
こんな金持ち病院2つのお膝元にある、優しいパン屋さん。
済生会中央病院。遥か昔は、おぞましいほど汚かったのに、ここまで様変わりするとは。
こちらは、かつて専売病院だったが、セレブ病院の代名詞山王病院と(福岡百道浜のそれは、プールにスパにグランドピアノ、ジムが併設されている)提携し、ホテルばりの造りになった。美しい病院といえば聖路加、というのは古い価値観だと思えるほどに、今やどの病院も建て直しにより生まれ変わった。スタバやタリーズが入る病院も多い。東京女子医大なんか、松本楼が入っている。利用するのは病人なので、辛気臭さは完全には払拭できないが、不潔よりはいい。慶應病院もそろそろ何とかした方がいい。