こころのひとみ
何で泣いてしまったんだろう。
「酔うと乱暴になるところが、力で解決しようとするところが、すごく嫌だったの。」
うん、確かにそうだった。
あとは、偶然出会ってしまったあの子のお決まりの小さくてとがった悪意。
わたしが悲しかったのは、愛する人をコケにしてばか笑いを浮かべる人と、彼に愛されているわたしが未だにこうして友達であるから。
そして、新しい世界・社会に踏み出す怖さ。
不安は不安定をひきおこす。
それとも寂しいから?
それを完全に否定できる強さはない。
けれど、あなたは言う。
『手放したりしない。』
『ずっと一緒にいるって決めたんだ。』
なんて、もろくて、力のある言葉を彼はわたしを抱き締めながら言った。
あなたの安心に包まれた瞬間、今度は生ぬるい涙が止らなかった。
「ほんとに?ほんとに?」
は別に嘘かもしれないと疑ってるんじゃない。
うれしくて、うれしくてもう一度聞きたかった。
わたしがずっと聞きたかった言葉。
